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【CHC】2023 Rule 5 ドラフト展望


テキサス・レンジャーズが創設63年目でワールドシリーズ初優勝を飾り幕を閉じたMLBの2023年シーズン。

FAや各球団ロースター整理が始まりいよいよ本格的なオフシーズンが幕を開けました。

そんなこんなで来月現地12月4日から7日にかけてテネシー州ナッシュビルで2023年のウィンターミーティングが行われ、各球団来シーズンに向けた編成が固まってくる頃でしょう。

それと同時に、Rule 5ドラフトの時期も迫ってきました。

Rule 5ドラフトに関しては既にどんなものか説明を記載したnoteがあるのでこちらをぜひ。

今シーズン新たにドラフト対象となるのは、2019年ドラフトで契約した高卒選手、20年ドラフトで契約した大卒選手、19年インターナショナルFAで契約した選手(※)となります。


※ インターナショナルFAで契約した選手は契約時期もあるので、必ずしも全員ではない。

1) 現状のロスター状況

対策として40人枠に入れないといけないとは言っても、何人まで枠を割けるのかというところがまず問題。

IN
Luis Vazquez, SS

OUT
Brad Boxberger → 相互オプション破棄
Jeremiah Estrada → ウェーバークレームでパドレスへ。
Marcus Stroman → 契約Opt Out
Michael Fulmer → FA
Shane Greene → FA
Tyler Duffey → FA
Cody Bellinger → 相互オプション破棄
Jeimer Candelario → FA
Jared Young → ウェーバークレームでカージナルスへ。
Nick Burdi → FA

カブスは新たにLuis Vazquezをロースターに追加しましたね。
Vazquezは今シーズン2Aと3Aで124試合に出場し、.271/20HR/.361/.456/.817とキャリアハイの成績をマークしました。
すでにRule5イリジブルであったのに加え、今オフにマイナーFAの有資格者でもあったことから、流出阻止に動いたと見れます。



これで、60ILに入っていたCodi HeuerやEthan Robertsらをアクティベートして現状37人。

カブスは今オフもかなり積極的にFAやトレード補強に動くことを明言しており、その枠も考慮するとなると、Rule5対策の枠としてはあと1枠か2枠が限界ではないかと個人的には思います。(去年はBen BrownやKevin Alcantaraなどトッププロスペクトが多かったので4枠入りましたが。)


2) 今年の新たなルール5イリジブル

今年、新たに追加されるマイナー選手は以下の通り。

Pitcher
Anderson Feliz
Bailey Horn
Brad Wieck
Burl Carraway
Joel Jimenez
Johzan Oquendo
Max Bain
Porter Hodge (球団傘下26位)
Sam Thoresen
Samuel Rodriguez
Sheldon Reed
Tyler Schlaffer
Yovanny Cabrera

Catcher
Ethan Hearn

Infielder
David Bote
Ezequiel Alvarez
Felix Stevens
Reggie Preciado
Scott McKeon

Outfielder
Bradlee Beesley
Cristian More
Ismael Mena
Jacob Wetzel
Jefferson Encarnacion
Jordan Nwogu
Yohendrick Pinango


パッとみた感じだと、傘下のトッププロスペクトにランクインしてるのはPorter Hodgeだけですね。既にイリジブルな選手だとPablo AliendoとかMichael Ariasとかいたりはするんですが。

あとは2020年のダルビッシュ有投手のトレードでもらったIsmael MenaとReginald Preciadoもイリジブルの年ですね。

Owen Caissieの開花が目覚ましくかなり影が薄くなってしまってますが。(Yeison Santanaは7月に放出されてます。)

Felix Stevensもイリジブルの年に。今年はLow-AとHigh-Aで27HR .263/.345/.529/.874 をマークしました。個人的には結構注目してるキューバ出身のスラッガーです。

3) プロテクト展望


正直誰をこれ以上プロテクトするんだというのは難しい話ではあるんですが、個人的に注目している選手を以下に列挙してみます。

★ Yonathan Perlaza

豪快なパワーがウリのスイッチヒッター。
今年はAAAで1番打者として121試合に出場。23HR .284/.389/.534/.923と好成績を残しました。

当然このような成績を残せば阻止するのでは? とも思われますが彼は守備に難があり、DHで使うのが理想。既にカブスのDH枠にはChristopher Morelがいる関係でメジャーに上がったとしても完全に余剰戦力となってしまう点がキープするのかどうかをかなり難しくしていると思います。マイナーFAの有資格者。


★ Bailey Horn

2021年のトレードデッドラインでライアン・テペラとのトレードで獲得したリリーフ左腕。
今年は主にセットアッパー・クローザーとして45試合に登板し、4.21という成績をマークしました。
同じ左腕リリーフでは今年Luke Littleがデビューを果たしました。カブスに不足している左腕リリーフとしては貴重な存在なのですが。。

★ Pablo Aliendo

2018年に20万ドルで契約したベネズエラのキャッチャー。
アマチュア時代の評価はあまり高くありませんでしたが、今年はAAで91試合に出場し、キャリアハイの16HR .231/.332/.458/.790 と今まで打ったことがない2桁本塁打を達成するなどパワーもつき、成長、評価の急上昇が著しいです。


★ Michael Arias

ブルージェイズ傘下時代はSSで、カブスに加入後投手に転向し花開いたドミニカの原石。
最速99mphの速球、スライダー、チェンジアップを武器にLow-Aで11試合 ERA2.55, xFIP3.26, K/9=13.61をマークし、High-Aに昇格しました。元々は傘下トッププロスペクトにもランクインしていない無名の選手でしたが、この活躍を機に一気に傘下12位までランクアップし一躍注目選手に。


★ Chase Strumpf

2019年ドラフト2巡目指名の内野手。22年に2Aで21HRを打ってブレイクを果たし、23年もシーズン途中に3Aに昇格。2年連続の21HRをマークしました。確実性は低いものの、パワーポテンシャルはピカイチです。ただタイプは完全にWisdomと被ります。


4) さいごに

ここまででRule 5対策でプロテクトされたのはLuis Vazquezの1人のみ。他にプロテクトされる可能性のある選手は上述で列挙した選手や傘下でも評価の高い選手になってくるとは思います。

去年はChris Clarkeがマリナーズから指名されたものの、結局3月にカブスへと返却されました。

今年のオフは本気の補強をすることが予想され、あまりルール5対策用のロースター枠は正直今年はあまりないかもしれません。

ルール5ドラフト用40人枠の追加期限は11月14日。そこまでに新たな動きはあるのか。要注目です。


※ 以下、本noteを書くにあたり参考にした文献一覧です。


〜 Masato 〜


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