【CHC】Welcome to Chicago! MLBドラフト2023 【1-10】
現地時間の7月9日から2023年のMLBドラフトがシアトルのルーメン・フィールドで開催されました。
今年は大学生野手が豊作だなんて言われたりするくらい野手のタレントが揃っていますが、CHCはどんな指名をしたのでしょうか。
ここでは、本日までに指名された1〜10巡目の選手を紹介してみたいと思います。
それでは、スタートです。
1巡目 (#13) Matt Shaw (SS・Maryland)
1巡目指名(全体13位)は、メリーランド大学の内野手 マット・ショウ (Matt Shaw)を指名しました。
2018年のニコ・ホーナー (Nico Hoerner)以来5年ぶりとなるCLMIFの1巡目指名です。
ショウは、シャープなスイングでヒットゾーンに打球を飛ばす天才打者。今ドラフトクラスのカレッジ打者としては優秀な部類に入るのではないでしょうか。
1年生時に打率.332・7HR・OPS.952をマークすると、2年生時には打率.290と打率を落とすも、22本塁打・OPS.986をマーク。
夏に参加したケープコッドリーグでは、打率.360・5HR・21盗塁・OPS.1.006 (.432/.574) をマークし、MVPを獲得しました。
3年次となった今年も勢いは止まらず、62試合で打率.341・24HR・69打点・18盗塁・OPS.1.142 (.445/.697) をマークし、Big Ten ConferenceのPlayer of the Year(POY)に輝き、一気に株を上げました。
カレッジ通算 K%=15.1%、BB%=11.5%、BB/Kも0.77と三振は少なく、どのコースでもコンタクトできるセンスを活かしながら四球もしっかり取れる優れた選球眼は非常に良いですね。
走塁でも相手の脅威になれるのもかなり魅力です。
一方の守備面はどうなのでしょうか。1年生時には2Bや3B、外野をこなしつつ、2年生時はSS。ケープコッドリーグでは2BとSSをこなしており、守備で柔軟な起用をされていました。
現在の本職はSSですが、ARMの査定が45と平均以下の評価で、将来的には2Bへコンバートされるのではないかという予想もされています。
いずれにせよ、CHCが如何にも好みそうな、ハイフロアなバッティングセンスを備えたある意味意中のCLMIFを指名できたのではないかなと思います。
将来的にホーナー、スワンソン、ショウの内野陣が待ち遠しい。
2巡目 (#68) Jaxon Wiggins (RHP・Arkansas)
ブレーブスからのQOを拒否してFAとなったダンズビー・スワンソン(Dansby Swanson)を獲得し、ウィルソン・コントレラス(Willson Contreras)がカージナルスと契約したことによって受け取ったFA補償ラウンドピックの2巡目指名(全体68位)は、アーカンソー大学の右腕 ジャクソン・ウィギンズを指名。
3年生となった今年は1月にUCL断裂によるトミージョン手術を受け、全休が確定しています。
健康体なら1巡目指名もあり得たのではとも言われており、ポテンシャルの高さを買っての指名だったと言えるでしょう。
平均94〜97mph、最速で99mphに到達する4シームと、80mph中盤のスライダー、チェンジアップ、70mph前半の緩いカーブを組み合わせますが、セカンダリーピッチと制球面に課題があるようです。
出力は非常に高いですし、平均より高い評価を得ているチェンジアップやスライダーがプラスピッチとして信頼して使えるようになれば、パワーリリーバーとしての活路は見出せるのかなと感じました。
おそらく本格的なデビューを今年中に見ることは難しいと思いますが、健康体になった姿を見れるのを楽しみにしたいです。
昨年のドラフトにて9巡目で指名したコナー・ノーランド(Connor Noland)に次ぎ、2年連続でのアーカンソー大学の投手を指名しました。
3巡目 (#81) Josh Rivera (SS・Florida)
3巡目全体81位ではフロリダ大学のSS、ジョシュ・リベラを指名。
リベラはフロリダのIMGアカデミー時代、高校生プロスペクトとして非常に高い評価を得ていた逸材だったものの、在籍中に膝を故障したり、フロリダ大学に内定したことなどにより、2019年にパドレスから22巡目で指名を受けたもののそれを断って進学した経緯がありました。
1〜3年時はコロナの影響もあり、打撃でなかなか目立った成績を残せていませんでしたが、4年生となった今年は70試合に出場し、打率.348・19HR・18盗塁・OPS 1.064 (.447/.617)をマークし、一気に評価を高めました。
ARMが平均的で、2Bやスーパーユーティリティ的な役割に適しているのではないかという評価もでています。
4巡目 (#113) Will Sanders (RHP・South Carolina)
4巡目では、サウスカロライナ大学の右腕、ウィル・サンダースを指名。
6フィート6 (約198cm)、230ポンド(約104kg)の恵まれたフレームから93-96mphの速球、80mph中盤のチェンジアップ、スライダー、80mph前半カーブを織り交ぜたピッチングスタイル。
2023年は、14試合(11試合先発)に登板し、62.1イニングで4勝4敗・防御率5.46・WHIP1.34をマークしました。
変化球はどれも質が高く、平均以上の評価を得ています。
速球も非常にノビがあるようですが、なかなか空振りを奪うのに苦労しているのだとか。K/9=11.1と高い水準にあるものの、変化球で奪った空振りが多いのでしょうね。
彼の今の課題は速球の質とコマンド改善といったところでしょうか。
5巡目 (#149) Michael Carico (C・Davidson College)
5巡目ではデイビッドソン大学の捕手、マイケル・カリコを指名。
2年生の時に、NCAAで54試合に出場し、打率.406・21HR・OPS1.401 (.559/.843)・K%=13%・BB%=17%と圧巻の成績を残し、Atlantic 10 ConferenceのPOYを受賞。デイビッドソン大学の選手として初めてアメリカカレッジナショナルチームのトライアウトに招待されました。
今年は3月に左手首を骨折してしまった影響によりサンプルは少ないものの、左打席から広角に鋭い打球を飛ばすバッティングセンスは非常に魅力に感じました。
守備面は平均的に見えますが、レシーブ技術、スローイングの精度に少し課題が残る感じなのかなと感じました。ポップタイムは1.97-2.08のようです。
6巡目 (#176) Alfonsin Rosario (OF・P27 Academy)
6巡目では高校生外野手のアルフォンシン・ロザリオを指名。
ドミニカ共和国出身のロザリオは、今年のシーズンからP27 Academyにやってきました。
抜群の身体能力を誇り、PGのショーケースでは、101mphのキャノンアームを披露。大きなレッグキックと柔軟な可動域を活かした物凄いボールです。アレクサンダー・カナリオに似たような雰囲気を感じました。
打撃では、豪快なスイングとパワーが光るものの、どうもプルハッピーな傾向があり、難しいコースも振りに行ってしまい、三振も多め。
チポラ大学への進学が内定。
7巡目 (#206) Yahil Melendez (SS・B You Academy)
7巡目では、グアニカ(プエルトリコ)出身の高校生SS、ヤヒル・メレンデスを指名。
ベースボール・ファクトリー誌によれば、メレンデスは驚異的なアームとスムーズなヒッティングストロークを兼ね備え、SSと2Bのフィールディングでは平均以上の成績を残し、打撃ではコンタクトとパワーの両方でプラスのスキルを持っているとの評価。
今年の8月31日からチャイニーズタイペイで行われるWBSC U-18 ベースボールワールドカップのプエルトリコ代表にも選出されています。
ライス大学への進学が内定しているようで、この順位のスロットバリュー $254,500からオーバースロットでの契約になることが予想されますね。
8巡目 (#236) Brett Bateman (OF・Minnesota)
8巡目はミネソタ大学の外野手 ブレット・ベイトマンを指名。
卓越したコンタクトスキルが光るアベレージヒッターで、2023年は50試合で打率.355・12盗塁・OPS.858 (.451/.407)をマーク。K%=9.0%、BB%=13.9%と非常に優秀です。
ケープコッドリーグでも、打率.500・12盗塁・OPS 1.106 (.519/.587)をマークしています。
しかし、パワーツールが乏しく、ミネソタ大ではホームランを打ったことがありません。
走力には定評があり、足で二塁打などを稼ぐタイプの選手です。
如何にアベレージを稼げるかが彼の生命線になりそうです。
守備面での評価は高いようで、外野3コーナーをハイレベルでこなすとの情報も。メインはCFのようですね。
9巡目 (#266) Jonathon Long (1B・Long Beach State)
9巡目は、カリフォルニア州立大学ロングビーチ校(LBSU)の1B、ジョナサン・ロングを指名。
ロングはLBSUのレギュラーとして安定したバッティングを披露し、3年間で打率.317・26HR・OPS.951(.408/.543)をマーク。
2年時に出場したケープコッドリーグでは40試合で打率.210・5HR・OPS.701(.320/.381)・41三振と適応に苦しみましたが、3年次の今年は打率.312・15本塁打・17二塁打・OPS 1.004 (.402/.600)・K%=17.2%、BB%=11.4%をマークし、All Big Westのセカンドチームに選出されました。
走力が平均以下の評価で、ポジションも1Bと限られてるところで起用が難しい部分ではありますが、とにかくパンチ力のある打撃がウリの選手という印象を受けました。ユニバーサルDHなどを有効に活用していきたいですね。
どことなくジャレッド・ヤング(Jared Young)と被るところがあるような。
10巡目 (#296) Luis Martinez-Gomez (RHP・Temple College)
10巡目指名は、テンプル大学の右腕、ルイス・マルティネス・ゴメスを指名。
最速96mphの速球と、80mph前半のスライダー、スプリットを織り交ぜる技巧派。
2023年は15試合に登板、13試合に先発し、7勝4敗・防御率2.83・56奪三振をマーク。
彼に関する情報が少なく、正直未知な部分が多すぎますが、映像を見ている限りでは、コンスタントに96mphの出力を出せるのは良いですね。スライダー・スプリットもキレ味良さそうです。
と以上が10巡目までの指名選手となります。
明日、11〜20巡目の指名をして今年のドラフトは終了となります。
今年指名された選手がピンストライプのユニフォームを着てプレーする姿をファンとして心待ちにしています。
Welcome to Chicago !
今回の紹介に伴って引用したスカウティングレポートなどの媒体はこちらです。
〜 Masato 〜
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