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【CHC】2024 International Free Agent 解禁

現地時間の1月15日、毎年恒例のInFA(インターナショナルFA)の2024年クラスの交渉が解禁しました。期間は現地時間12月15日までとなります。

カブスの近年のInFAでは2021年に契約したMoises Ballesteros、2022年に契約したJefferson RojasなどがそれぞれAAとLow-Aで結果を残し、一気にトッププロスペクトの地位にまで上り詰め、目覚ましい活躍を見せています。

今年はどんな選手をカブスはスカウティングして来たのでしょうか。

◆ インターナショナルFAとは? ◆

インターナショナルFAは、「南米やアジアなどMLBドラフト対象外の地域に住む満16歳以上のアマチュア選手」が対象となり、25歳以上で最低6年以上外国のリーグに所属していた選手は対象外となります。

インターナショナルFAは、各チームそれぞれボーナスプール (契約金の総額) が設定されており、その限られたお金の中で契約する選手をまとめなければいけません。(※)


※ ただし、契約金が$10,000以下の選手はボーナスプールにはカウントされません。

カブスは2022年オフにDansby Swansonと7年契約を締結。QO拒否選手との契約を結んだことにより、2024年のISBP (国際署名ボーナスプール)から$500,000を没収されています。

カブスは、Luxury taxの対象外かつ且つ収益分配制度での配当対象ではないため、$500,000がボーナスプールから差し引かれます。

https://www.mlb.com/glossary/transactions/qualifying-offer

そのため、2024年のカブスに割り当てられているISBPは、$5,152,000となっています。

昨年よりもボーナスプールが少なくなっていますが、今年カブスが契約した選手達を紹介していこうと思います。

事前におことわりをさせていただきますが、大半の選手は調べてもほぼ情報は出てきません。なので、半ば備忘録のようなnoteとなりますが、こんな選手と契約したんだというくらいで見ていただければと思います。

※ 現地時間1月15日に契約が判明した選手のみを現時点では反映しています。以降に契約した選手は順次更新予定です。

★ Fernando Cruz - SS 🇩🇴

Signing bonus : $4M

Scouting Grades (20-80)

Fernando Cruzは、2006年11月13日生まれの17歳。InFA2024クラスの最高レベルの評価を得るSSのトッププロスペクト。MLB Pipelineでは4位、Baseball Americaでは3位の評価を得ています。

そんな彼と、カブスは球団InFA史上最高額となる400万ドルの契約金で合意しました。ボーナスプールの約8割を彼に充てたことになります。まあこれは当初から400万ドル程度になるだろうなんて言われてましたけどね。(それまでは2015年のEddy Martinez、2021年のCristian Hernandezの$3M)

カブスが直近10年間(2013-2023)に契約した全体5位以内のトッププロスペクト (via MLB Pipeline)

◻︎ Eloy Jiménez (2013, 1位) 🇩🇴
◻︎ Gleyber Torres (2013, 3位) 🇻🇪
◻︎ Eddy Martinez (2015, 5位) 🇨🇺 ※
◻︎ Cristian Hernandez (2021, 5位) 🇩🇴

※ Eddy Martinezは元々SFGと契約予定だったのが、契約金で揉めて結局カブスと契約しました。

※ Eloy JiménezとTorresはプロスペクト時代にトレード放出、Eddyは2021年にリリース、Cristian Hernandezはロークラスで苦戦となかなか厳しいです。

また家族的なお話で、彼は2010年に20歳でメジャーデビューし、2015年までカブスでプレーしたStarlin Castroの従兄弟に当たる選手です。

6ft/180lbsですが、ボディーフレームは非常に筋肉質で無駄な体脂肪が少なくガッチリとしています。

17歳とは思えないほどの野球勘の鋭さも高く評価されています。

◾️ 打撃

非常にアグレッシブなスインガーで、ヒッチを使いつつコンパクトなスイングと強靭な腕力から繰り出される抜群のバットスピードから左打者のような右方向へのギャップヒットなど強烈な打球を広角に飛ばす優れたバットコントロールが高い評価。

Powerも55と平均以上のパワーもあり、体ができてくれば20〜25HRも狙えるパワーポテンシャルを持っています。


◾️ 守備

Fieldは55評価で平均以上の評価を得ています。スローイングで時にコントロールが狂うこともあるようですが、打球に対する一歩目が速く、柔らかなハンドリングと強いアーム、広いレンジ、素早い握り変えからのスローイングもあるため、SSとして長く活躍できるルックスとツールを持っています。

◾️その他

Runも55査定と平均以上のスプリントもあり、アップサイドで高い評価を得ており、魅力的な5ツールポテンシャルをオールラウンドに備えています。義兄のStarlin Castroのようなカブスのスター選手になってくれることを願ってやみません。


★ Robin Ortiz - OF 🇩🇴

baseball America 98位

抜群のバットスピードとパワーが魅力の外野手。

ボディーフレームの良さ故にRaw Powerも高く評価されています。

映像見る限り確かにパワーは凄そうでした。


★ Yander Maria - RHP 🇩🇴

6フィート4インチの長身右腕。スカウティングを始めた頃は球速は89mphで、フィジカルアップサイドとスピンのフィーリングで有望なプロジェクション指標を評価されていました。

そして契約となった現在、彼は96mphを記録できるまでに成長しており将来的には後半が出る可能性も。鋭く曲がるカーブとのコンビネーションで奪三振の山を築く。


★ Frailin Alejo - RHP 🇩🇴


ボディーフレームは非常にスラッとしているものの投げているボールには非常に強度があり、体ができて来た時に期待したいです。

★ Ezequiel Peña - SS 🇩🇴

Otro Nivel Baseball Academy出身。

大きなレッグキックからパンチ力のある打球を飛ばしています。
映像を見る感じでは体格もかなりガッチリしていそう。

★ Edgardo de Leon - SS 🇩🇴

バッティングは広角に打ち分けるセンスとスイングスピードが速く、パンチ力がありますね。

投げても88mphの速球、75mphの12-6カーブ、80mphスライダーを投げる二刀流の選手らしい。

★ Cesar Lugo - OF 🇻🇪

2022年のU-15のワールドカップ予選ベネズエラ代表にも選出経験のある左打ちの外野手。

★ Juan Monso - SS 🇩🇴


5ft11/160lbsの左打ちのSS。フレームは大きくないものの、広角に打ち分けるセンス、XBH打球も打てるパンチ力もありますし、守備でもファーストステップが軽やかで、いつの日かのDidi Gregoriusの雰囲気を感じました。

自分はNPBも見たりするので、特に守備の動きがどことなくエチェバリアを思い出します。

Baseball AmericaのtrackerではMonzoとなっていたが、"Monso" が正しいみたい。


★ Enyel Rosario - SS 🇩🇴


★ Isaac Moscote - 2B 🇨🇴


★ Diego Gonzalez - C 🇻🇪


◾️ その他の契約選手

こちらには契約したものの選手の情報がほぼ皆無の選手を列挙していきます。


★ Jesus Rodriguez - OF
🇻🇪
★ Julian Duran - RHP
🇩🇴


最後に

解禁日初日には13人の選手との契約に合意しました。彼らはDSL(Dominican Summer League)に配属され、DSL Cubs BlueかDSL Cubs Redでプレーすることになると思います。

最低でも5年後くらいにならないとわからない部分も多いので、彼らの活躍を楽しみにしたいと思います。

Welcome to Chicago! Next Starts Here!



参考文献

本稿の執筆にあたり参考にした文献を以下に明記します。

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