19歳ではじめてブラジャーを購入した話【乳桃みゆは女に戻りたい vol.4】
生きていく上で、楽しいこともあれば悩ましいこともたくさん。そんな女性の悩みを、専門家に質問していくYoutubeチャンネル「GOAL IN TV」。番組を盛り上げてくれている出演者の一人、乳桃みゆさんのコラムです!「女性に戻って、結婚したい」そんな目標に向かって頑張る彼女の姿をお届けします。
あぁ〜。おっぱいでかくなりたす。デカパイis憧れ。今日は、少しずつ女の身体になってきた私の失敗談について書きたいと思います。
身体に女性ホルモン注入するとパイ(胸)が多少膨らむというのに期待して、私は19歳の頃から毎週注射打っているのですが……全然そんなことありませんでした。打ち始めてちょっとしたときに、下着つけないまま走ってると乳首が擦れて痛いという感覚を覚えて、これは育つ予兆….…!?って期待で胸が高まった。高まったまま膨らんでほしかったです。
しかしこの感覚も、ホルモン打つ前まではなかった感覚でしたからね。登校中家から駅までダッシュしてたのだけど、乳首を手で抑えながら走らないといけなかったので全然早く走れないから、余計に遅刻しそうでした。今までの生活でブラなんて必要なく、当たり前に持ってなかったので、とりあえずティッシュを何枚か丸めて上からテープで留めて服を着て過ごすことにしました。
授業を受けているときに机の下に結構でかいゴミが落ちてて、前の時間に座ってた人が落としたんかな、最悪。と思って拾ったら、私が胸につけてたティッシュだったことも。最悪。
翌日はガムテープだけを乳首に貼って授業を受けてたら、また机の下にゴミが落ちてて、なんなん?て思って拾ったら私がつけてたガムテープでした。本当になんなん?
そんな試行錯誤していたある日、ふと自分の乳首を見ると、乳輪に浅黒いザラザラしたものが……!!!ちょっと調べてみたら、乳がんの可能性もあると出てきて、怯えた私は慌てて病院に行きました。
ホルモン注射を始めると乳がんになる可能性もあるというのは知っていたので、急なホルモンバランスの乱れでもしかしたら……と泣きそうになっていました。
先生は私の乳輪を見た後に「色素沈着、カサブタですね」と。心配ないから、と診察室を出されました。
……………、ブラ買お。決意した日でした。
サイズがなんなのか調べたことがないから分からないけど、こんなんAに決まってます。むしろAないやろくらいの。今まで入ることのなかった女性ものの下着屋さんに入店し、ドギマギしながら購入してそそくさと退店。いけない場所にいる気分。
つけてみると、胸骨があるからホックつけるのに一苦労、アンダーはギチギチ。なのにカップは浮いててパッカパカ。男性の骨格をしている自分を改めて思い知らされ、こんなやつがブラジャーなんて似合うわけねえだろと惨めな気持ちにさせられました。
ともかくこれで乳首が擦れることはなくったし、ブラトップという便利で楽チンな下着があることも知りそれを装着していました。慣れてくると、もっと胸、盛りたいでやんす、という欲も出てきました。
よりグラマァでボインなおにゃのこを目指すのダっと意気込み、シリコンパッドを購入して装着。ピンク色でブニブニしてるけど硬めな感触。だけどパッドを付けるとパンパンに膨らむことが嬉しくて、自信満々に学校へ向かいました。
すると学校の友達が私の胸をまじまじみてくるの。いきなりこんな大きくなったらそりゃ驚くよね……でも女っていうのは、こういう陰の努力が実を結ぶのよ!1段先に大人の階段上ってるわ~なんて思ってたんですけど、その友達が開口一番
「あんた胸3つになってんじゃん!!」
はて?胸は2つに決まってるじゃん、牛じゃないんだからと思いつつも鏡をみたら、なんと!パッドがズレて左乳(さにゅう)と右乳(うにゅう)の間に3つ目の乳を形成していました…。
更にひどかったのは電車に乗ってたとき。そのときは確実に、「今ブラの中からシリコンパッドが飛び出て旅に出ましたよ」っていう感覚がして、気づいたらズルんとパッドが上半身の下まで落ちていきました。
手で抑えるも、片方のパッドはとても元気がよく、早く外の世界が知りたいと言わんばかりの勢いでTシャツからすべり落ち、ボテっという重みのある音と共に車内の床に落ちて犬の糞みたいな存在感を放っていました。臭く感じました。(臭くないです)
空いている時間帯の電車だったから他の人に見られてなかったと思うけど、急いで拾って手提げ鞄につっこみました。鞄を覗き込むと、筆箱やノートに混ざってシリコンパッドがこちらを見て嘲笑ってるようにも感じました。男がつけるもんじゃないよ、て。うるせえ!!
私はなんのために胸デカくなりたいんだろう。色気出してモテたいとしたら、パッドでデカくしたとしても、本当は何もないからエッチするときにバレて幻滅されるかもしれない。
そもそも身体が男なので、性交だって容易にできるわけじゃないし。胸だけでかくしてもそんなの虚勢と変わりないな。むしろ私がするべきなのは去勢。
そう思ってパッドも捨て、気にせず過ごしていました。気にしないって楽。
シリコンパッドを水着を着る時に利用する、という女性もいるのではないでしょうか。しかしこれまた使いにくい……!夏のプールでウォータースライダー乗ったときはヒヤヒヤものですよね。失敗した後は、なんだか虚しくなりがち。乳桃さんの体験に共感できちゃいます。巨乳に憧れ、しかし失敗によって、あらためて自分がなりたい姿を考えなおした彼女。自然な自分を、好きになれるのでしょうか?次回、やっぱり巨乳への憧れを捨てきれないことに気づいた乳桃さんの奮闘記です……!
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