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SASUKE2023 振り返り ローリングログで一体何が

SASUKE2023 ゼッケン60番で出場した林野庁職員 後藤祐輔です。

SASUKE2023の結果は2ndステージ「ローリングログ」でリタイア。

今回はその反省と裏話を書いていこうと思います。

ローリングログで一体何があったのか

今回のリタイアはシンプルに練習不足。
練習でのローリングログ成功率は大体8割ぐらいだったにも関わらず、きっちり詰めずにそのまま放置して本番に臨んだら、練習でしていた落ち方と全く同じ落ち方を本番でしてしまったというところです。

原因はローリングログの持ち方だと思います。
本番のローリングログは複数の持ち手があり、挑戦者は自分が最も掴みやすい持ち手を選んで挑戦します。
僕は出来るだけ奥の持ち手を掴んだ方が良いと考えていたので、腕を目一杯伸ばし、脇を空けてローリングログの持ち手に捕まる作戦で挑みました。
この持ち方をすると、腕が伸びているで肘のロックが使えない、脇の引き締めも使えない、という状態になり、回転の負荷が全て指に集中してしまいました。
本番のローリングログの回転は練習時より早く、回転が進むにつれ加速していったため、指先が外れて落水してしまいました。

また、ローリングログのテクニックとして、あえて片足を外すことで回転のスピードを落とすというテクニックがあります。
詳しい解説は↓

今回、僕はこの作戦を採用して挑戦すると最初から決めていました。
しかし、実際に挑戦すると足の外し方が中途半端で回転スピードは緩まらない上に足のフックも決まらないというどっちつかずなフォームになってしまいました。
これに関してもフォームの練習不足と言わざるを得ません。

応援していただいた方には申し訳ありませんが、以上が今回ローリングログでリタイアした原因でした。

SASUKE2023反省

結果的には今回も満足できるものではありませんでしたが、収穫はありました。

まず、4回目の出場にして初めて最初から最後まで練習通りの動きができました。

これまで3回の挑戦は全て「練習で100%の成功率だったことが本番でできない」いわゆるメンタル落ちだったのですが、今回は練習通りの動きを最後まで出すことができました。
結果、1stステージは危ないと感じた部分は全くなく、心肺的にも脚力的にも余裕を持ってクリアすることが出来ました。1stステージの目標であった「力を抜いて楽に、半笑いで楽しくクリアする」というのがしっかりと達成できました。

と、思っていたのですが、
放送後、動画配信アプリ「U-NEXT」で配信されているSASUKE2023ノーカット完全版で自分の動きを見るとまだまだ反省点がたくさん見つかりました。

前提として、僕には「見栄え良くクリアしたい」というポリシーがあります。
幼い頃に見ていたSASUKEオールスターズのような圧倒的な身体能力、圧巻のパフォーマンスに今も憧れを持っているからです。

それを踏まえて今回の反省点は2つあります。
・エリア間の移動が遅い、力感、覇気がない
特にローリングヒル下り→シルクスライダーへの移動、シルクスライダー→フィッシュボーンへの移動が遅く、やる気がないように見えるのが気になりました。

・手のひらに書いた「楽」という文字をカメラに見せるパフォーマンスがイマイチだった
本番の2ヶ月ほど前にこのパフォーマンスを閃いたときは天才かと思いました。SASUKE選手どころか、芸人やタレントですら誰もやっていない完全オリジナル決めポーズになる。また、上手く定着させれば後藤祐輔手袋のようなグッズ展開にも繋がるとも思いました。
しかし、長いテレビの歴史で誰もやっていない理由が自分の映像を見て分かりました。顔と手どっちを見たらいいか分からない、やり方によっては手で顔が隠れる。そして、ペンで書いた文字は競技中に擦れ、ゴール時には薄れる。もう一工夫してから採用すべきだったなと少し反省しています。3rdステージ、FINALステージ用の文字も考えていたのですが、次回もやるかどうかはまだ決めていません笑

以上2点が自分の1stステージ挑戦を見て、次回改善したいと思ったポイントでした。

2ndステージについては、挑戦直前には全く緊張もなく、自信に満ち溢れた状態でスタートすることができました。本番のSASUKEでは初めて最高のメンタルコンディションで挑めたと思います。
この感覚を得られたのは大きな収穫でした。

今後の課題

収穫もあった一方、大きな課題も感じました。

それは「緊張による足の疲労」です。

今回、結果には直結しなかったものの、2ndステージ挑戦前には足がパンパンに張ってしまっていたのです。
今回のSASUKEは土曜日が1stステージ前半、日曜日が1stステージ後半と2ndステージ、月曜が3rdステージとFINALステージという収録スケジュールになっており、僕が初めて出場した第38回大会からは毎回このスケジュールで収録が行われています。

実は2年前、SASUKE2021で2ndステージに進出した際にも同じ現象を体験していました。当時は1stステージクリア後から2ndステージスタートまでの間の時間の過ごし方に問題があったのだと考えていました。1stステージクリア後、他の選手の応援や観戦でずっと立ち歩いていたのです。
その反省から、今回は土曜日の1stステージクリア後に救護テントでトレーナーのマッサージを受け、すぐにホテルに帰り、温泉施設でじっくり入浴&サウナ。日曜日、1stステージ後半組の挑戦は一切見ずに、ホテルでゆっくり、出発前には全身マッサージ1時間コースの施術も受けました。

本当に手は尽くしたはずなのに、2ndステージ挑戦前には普段の生活やトレーニングでは考えられないような酷い足の疲労・張りに見舞われていたのです。

流石に、対策しないと今後のSASUKE人生においてもまずいと思い、いろいろと調べたところ、この症状はおそらく「自律神経失調症」ではないかということが分かってきました。
過度な緊張やストレスで交感神経・副交感神経のバランスが乱れ、体内のさまざまな機能に異常が発生している状態です。

SASUKEに出たことのある方なら分かる方も多いと思いますが、SASUKEの緊張は心臓バクバクなんてものではありません。
眠れない、身体が攣る、集中できない、視野が狭くなる、怖くて挑戦したくなくなる…
こういう緊張です。

これらの現象の原因として、血流が悪くなっているというのがあるのではないかと考えました。

1stステージクリア後、救護テントでマッサージを受けていたときのことです。トレーナーの方から「身体めちゃくちゃ硬いですね」と言われ、ストレッチはしといた方が良いとアドバイスを受けました。
僕は普段、コーチやトレーナーをつけずに我流でトレーニングしているのでストレッチやウォーミングアップ、クールダウンはこれまでほとんどしてきませんでした。浴槽に浸かることも基本なく、周1回のサウナ通い以外はシャワーで済ませています。
普段から身体が固く血流が悪い上に、SASUKEの緊張とストレスでさらに筋肉が固まってしまってしたのでしょう。その結果、脳にも身体にも血液が回らず、エネルギーが運ばれない、老廃物が取り除けない状態になっていたのではないかと思います。

次回のSASUKE2024に向けたテーマは「筋温と血流」です。ウォーミングアップやストレッチを研究して、最高のコンディションで望めるようにしたいと思います。

最後に

今の自分の実力なら、身体のコンディションさえ整えば1stステージ2ndステージは敵ではないと思います。たぶん2ndステージのボタンを押すときも倒れ込んで動けなくなるようなことはないと思います。それぐらい体力と技術には自信があります。レジェンド選手たちと練習しても劣っていると思うことはもうないです。

今回のSASUKEでは「楽しむことでSASUKEの恐怖と緊張を乗り越える」ことをテーマに挑戦しました。
結果、確かに楽しかったのは楽しかったです。
しかし、2ndステージリタイアという結果には全く満足していません。もっとクリアに執着して挑むべきだったという後悔も少しあります。

僕が目指す理想のSASUKEはミスターサスケ山田勝己さんのようなパフォーマンスです。
人生の全てを注ぎ込み、いろんなものを背負い込み、自分を追い込んで極限のプレッシャーの中で挑戦する。山田勝己さんの極限状態での挑戦はクリアしてもリタイアしても心に染み渡るもので、今尚何度も当時の映像を見返してしまいます。

SASUKEの結果だけを考えるのならば、緊張やプレッシャーは極力ない方が良いでしょう。のめり込みすぎない、追い込みすぎない、無駄なものを背負わない。でも、やっぱり自分は山田さんのようなプレースタイルに憧れるし、FINALステージ、最後の一人、ゼッケン100番、そういう高次元のSASUKEをしたいという気持ちは捨てられません。
だからこそ、こんな中途半端な結果で終わりたくない。今回のSASUKEでの収穫はきっちりと活かしつつ、もっとクリアに執着して1年を送ろうと思います。

そしてもう一つ。
僕は初出場のときから番組スタッフの方に期待していただき、予選・オーディション免除のシード枠で本戦に出場させて頂いています。
高校1年15歳で初めて応募してから初出場に至るまで8年の間、書類選考で9回、オーディションで1回落選しており、出たくても出られない人の気持ちは誰よりも分かっているつもりです。
100人の中の貴重な1枠。出場権をいただいている者として、オーディションを突破できるテレビ力と、予選を通過できる基礎身体能力を常に併せ持つことは最低限の責務だと思っています。その責務を全うするためにSASUKE攻略とは関係ないこと、無駄なことに気を遣っているという自覚はあります。それでも、これまで4回の出場で色々と試行錯誤をする中で間違いなく自分の理想とするSASUKE選手像には近付いています。
あとはSASUKEの結果。とにかく結果を残したい。3rdステージ、FINALステージ、限界までやってみたいです。次こそは完成形を皆さんに見せたいと思います。

今回の記事は以上になります。
SASUKE2023応援ありがとうございました。そして、今後ともよろしくお願いします。

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