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夏SASUKE2023 ガチ考察と感想
お久しぶりです。
テレビ番組"SASUKE"に3度出場している林野庁職員、後藤祐輔です。
今回は2023年夏に東京赤坂TBS本社前の広場で開催されたイベント"夏SASUKE2023"に参加したので、そのガチ考察と感想を書いていこうと思います。
イベント概要
夏SASUKE2023は「世界陸上」「アジア大会」「SASUKE」の3つのTBS目玉番組コラボ企画として開催されたイベントで、タイムレース形式の一般参加型アスレチックです。
コースは、
①ウォールリフティング
②ハードル潜り
③そり立つ壁
の3つのエリアで構成されており、2人対戦形式でタイムを競います。
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2枚の壁を持ち上げて潜る
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/113696668/picture_pc_e174c367586dd588a6a4df4c6d632423.png?width=1200)
陸上のハードル6台を潜って進む
![](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/113696681/picture_pc_100c159e84e7fc4b2109b8a3d114a0bf.png?width=1200)
湾曲した壁を駆け上がる
考察(イベント面)
今回の夏SASUKE2023はこれまでのイベントと比べても非常に盛り上がる構成になっていたと思います。その決定的な要因は「多くの人がゴールできる難易度」だったと思います。
これまでのSASUKE関連のイベントではクレイジークリフハンガーや原寸大そり立つ壁など、いわゆる"ガチ勢"でないと攻略が難しいエリアが出展されており、SASUKEに馴染みのない人や子どもたちはゴールに辿り着けずに体験を終えることも多かったように思います。
SASUKEイベントの意義は、多くの人にSASUKEの楽しさやクリアする達成感を味わってもらうこと
だと思います。
今回のイベントでは子どもでも上げられる(難しくてもサポートスタッフの力を借りれば誰でも上げられる)重さのウォールリフティング、身体が小さい方が有利になるハードル潜り、本番規格よりかなり低いそり立つ壁、ということで僕の体感では参加者の半数以上がゴールに辿り着けていたように思います。
(レジェンド選手のサポートを受けながら)そり立つ壁を乗り越え、赤いボタンを押し、一番高いゴール地点に立つ喜びを多くの人が体験できたのは非常に良かったと思います。
一方で、イベント参加者が固定化されているという面が大きな課題であるように思います。
熱中症対策のため開催時間が17時からとなった今回のイベントでは、1日にSASUKEコースに挑戦できる人数が限られていました。SASUKE公式SNSでは15時30分から整理券配布と告知されていましたが、人気イベント故、遅くとも14時頃には整理券配布の列に並ばないといけない事態になっていました。
体験希望者の列には連日SASUKEコースに挑戦する熱烈なSASUKEファンの大人も多く、子どもたちや偶然赤坂に居合わせた(SASUKEはあまり知らない)体力自慢など、本来取り込みたい層が整理券を獲得するのは難しい状況だったように感じました。
個人的にはSASUKEのファンが増える事を望んでいますし、そのために門戸を広げ、参入障壁を出来るだけ取り除くことが大事だと思っているので、その点に関してはまだ改善の余地があるのではないかと思いました。とにかくいろんな人、多くの人にSASUKEの素晴らしさを体験してもらいたいです。
考察(競技面)
さて、今回のイベントにはタイムレースで誰が世界記録を出すか競うという趣旨もありました。
僕もせっかく参加するなら世界記録を狙いたいと思っていたので、コースのポイントを考察し、イベントに臨みました。
イベント初日からレジェンド選手や一般参加者の競技の模様が各SNSに投稿され、それを見た感じでは13秒台が世界記録ラインになると予想しました。
その上で、僕が重要だと思ったポイントは以下の3つ。
①ハードル終わりからそり立つ壁への移動
②そり立つ壁の下り坂に臆せず正面からスピードを出して突入すること
③そり立つ壁の駆け上がり
逆に、ウォールリフティングとハードル潜りについてはほぼ身体能力だけでタイムが決まると考えたため、特に策は講じずぶっつけ本番で行くことにしました。
では、3つの重要ポイントについて
① ハードル終わりからそり立つ壁への移動
本気で記録を狙いに行くならこの移動を全速力で行かないといけない
と思いました。シンプルに出力を大きく、足の回転を速くして進むイメージトレーニングをして臨みました。
また、見逃せないと思ったのがそり立つ壁に向かう階段。普通の一段飛ばしで進むと4歩かかるのですが、一度だけ2段飛ばしを入れると1歩少なく3歩で行ける段数になっていました。変則的なステップになるので、完全初見の一発勝負で決めるのは難しいと思っていましたが、一応狙ってはいました。
②そり立つ壁の下り坂に臆せず正面からスピードを出して突入すること
そり立つ壁のセオリーは少し坂を下った所から走り出すこと。また、そり立つ壁の下り坂はテレビ画面で見る以上に急で、正面から走って下ると転倒のリスクが大きくなります。そのため、SASUKE本番では多くの選手が一度スピードを落として各々のスタートポジションに立ってから走り出したり、下り坂突入の際半身になって片手を下り坂の縁に着いてスピードを落としたります。
ですが、今回のイベントはタイムレース。最速タイムを出すためにはそれら動作を省く必要があると考えました。スピードを保ったままそり立つ壁の下り坂を駆け抜けるには正面向きで突入するのが最適と考えたため、イベント参加1週間前にミスターサスケ山田勝己さんの元を訪ね原寸大そり立つ壁で練習をしました。
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③ そり立つ壁の駆け上がり
今回のタイムレースで最も重要になると思ったポイントがこれです。そり立つ壁を掴んでクリアボタンを押すまでの動作。ここをうまく決められるかどうかで1〜2秒の差が生まれ、ミスすると即最速争いから脱落するポイントでもあります。
具体的にそり立つ壁の「駆け上がり」という技術を説明すると、そり立つ壁の頂上に手を掛けた時に、一度ぶら下がる(腕に全体重がかかる)動作を省略し、上昇の勢いで一気に壁の上部に身体を持ち上げることを言います。SASUKE本番ではそり立つ壁はコース終盤にあり、心肺、脚力ともにかなり疲弊した状態で挑むので、テレビでこの動きを見られることはほとんどありませんが、成功すればかなりのタイム短縮が狙えます。
この動作を正確に実施するには、高い上昇スピードを維持したまま高さに余裕を持って頂上に手を掛ける必要があります。大切なのはスピードを出しながら、斜面でバランスを崩さないこと、足を踏み外さないこと、そして、絶対に駆け上がりを決めるという固い意志を持って挑むこと、だと思いました。
こちらもイベント参加1週間前にミスターサスケ山田勝己さんの自作セットで入念に練習して挑みました。
結果
僕の本イベントでの結果は13秒14。
完全にアウトっすね💦
— 🌲後藤祐輔(ごとうゆうすけ)🌲 (@go_to_sasuke) August 11, 2023
でも楽しかった!#夏SASUKE2023 pic.twitter.com/2V6k8GafFe
ですが、重大なミスを犯してしまいました。
フライングです。
レジェンド選手の1人でそれまでの世界記録を出していたパルクール協会会長の佐藤惇さんの記録を越えようとして攻めすぎた結果です。
後で自分で動画を確認したところ、
・ピストルがなってからゴールボタンを押すまで(フライング込みでのタイム)
13秒14
・身体が動き出してからゴールボタンを押すまで(完璧なスタートを切った場合のタイム)
13秒5〜6
・さらにピストルの音への反応時間0.2秒を加えたタイム(フライングなしで挑んでいた場合の推定タイム)
13秒7〜8
と言ったところでした。
公式記録としては、
フライングで失格、記録なし
でした。
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感想
失格という結果ではあったものの、好記録を出せたことにはとても満足しています。
最後のハードルを潜って立ち上がる際にハードルに腰をぶつけて失速したこと、そり立つ壁に向かう階段で当初予定していた2段飛ばしをが出来なかったことと細かいミスはありましたが、正直こんなにできるとは自分でも思っていませんでした。
僕が理想としていた走りをやってのけたのが吉本の筋肉モンスター梶原颯さんでした。
練習なしの一発勝負でここまで攻めた動きができるのは流石でした。
一部の選手には敵わなかったものの、多くの観客の前で、実況が付いての一発勝負という本番に近い状況で高いパフォーマンスをできたことはとても自信になりました。
また、スタート台に立つまでの流れもSASUKE本番に非常に良く似ていました。
満足にウォーミングアップをできるスペースがない、招集がかかってからスタートまでの20分程度は所定の待機場所から動くことが出来ず、身体を動かすこともほとんどできない。このような精神的にも身体的にも最終調整が難しい中での準備方法を試すことができました。
特にメンタル面、良い精神状態で自信を持ってスタート台に立つということが自分の中で最大の課題でしたが、これをかなり克服できたという実感を得ることができました。
本番のSASUKE2023に向けてとても良い練習になったと思います。
個人的にはこのイベントは、レジェンド選手を始めとした他の選手との実力差を測る試金石的な位置付けにもなると思っていました。
SASUKEは慣れ不慣れが大きく結果を左右する競技だと思っているのですが、今回のイベントはレジェンド選手にとっても一般参加者にとっても誰もが初めて挑むコースでの一発勝負、全く同じ条件での挑戦でした。
SASUKE本番でなかなか満足のいく結果が出せず、自分の能力ではSASUKEに通用しないのではないかと自信を失った時期もありましたが、レジェンド選手たちと同時期に同条件で同じコースに挑戦し、互角に渡り合えるタイムを出せたことは自信になりました。
また、観客としても非常に面白かったです。
特に、まだ出場したことのない一般参加者の挑戦は非常に興味深いものがありました。上述のように、観客がいて実況も付いての一発勝負ということもあり、本番に非常に近い環境での挑戦で、実際にSAAUKE出場を果たしたときにどんなパフォーマンスをするのか、競技力、表情、トーク力、スター性はどうか。上から目線で大変失礼なのは承知ですが、オーディションの審査員になったような気分でとても面白かったです。
イベント一般参加者として、観客として、そしてもう一つ、「SASUKE出演者」としても良い思い出を作ることができました。多くの方から声をかけて頂き激励を受けたり、サインや写真を求められたり。また、SASUKEレースでも僕の出番になると実況担当の杉山アナウンサーとSASUKE総合演出の乾さんに特別に紹介して頂いたりと高揚感が高まる演出をしてもらえました。皆さんありがとうございました。
SASUKEは認知度が非常に高く、影響力も大きいテレビ番組です。ただアスレチックの技術が高ければいいのか。そうではないと僕は思います。人として総合的に自分を磨き続けるモチベーションを常に与えてくれるのがSASUKEであり、今の自分に足りないところを常に教えてくれるのがSASUKEです。SASUKEがあるから頑張れる。
SASUKEこそこの世で最高のテレビ番組です。
そして、今回の夏SASUKE2023は本当に楽しかったし、素晴らしいイベントでした。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
またどこかでお会いできることを楽しみにしています。
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