真里紗の場合(仮)

#テレ東ドラマシナリオ

オムニバス形式? 様々なキャラクターの視点から描く感じで。これはあるひとりの登場人物の話の第1話という感じ。次回は違う登場人物の第1話であり、全体で見れば2話という感じ?

最終的にはどうなるか分からないけど、神様とか出しているので、ちとファンタジー要素も入るかも知れない(笑)。


○ 天界
  イケメン風の神様(白い羽衣を着ている)が、肘をついて座っている。
  何をする気もないのか、ボーッと宙を眺めている。
神様「あー、暇だなー。何か面白いことないかなー……あっ!」
  と何か閃き、その場を小走りで去って行く神様。


○ 聖上中学校・全景
  通学路を歩いている女子中学生たち。
  校門に入って行く。


○ 同・校門前
  制服姿の岡田 真里紗《まりさ》(14)、俯きながら歩いている。
  真里紗の前髪は長く、目が隠れている。黒縁の眼鏡をしている。
  顔を上げる真里紗。
  視線の先には聖上中学の校門。
  校門脇には上下ジャージ姿の桐谷 美鈴《みすず》(24)が立っている。
  手には名簿帳。
  校門に次々と入って行く女生徒達をチェックしている。
  桐谷、一人の少女に目をつける。
  他の子と比べて少し派手な格好をしている。
桐谷「おーい、そこの女子ー」
  声を掛けられた少女、バツの悪そうな表情になる。
少女A「何ですか」
桐谷「言わなくても分かってんだろー」
少女A「分かりません……」
桐谷「(少女の足元を見て)スカート丈が短い」
少女A「(下を見て)――戻します」
  と、スカートの丈を戻す。
桐谷「(笑顔で)それでよろしい」
  少女A、ふてぶてしく頭を下げ、立ち去って行く。
桐谷「(少女Aの背中を見ながら)やれやれ。んっ?」
  校門前に立っている真里紗に気付く桐谷。
真里紗「あっ……えっと……」
桐谷「ああ、岡田真里紗さんだっけ」
  と、真里紗の上から下まで服装をチェックし、
桐谷「うん、問題ないね!」
  と、サムズアップ。
真里紗「あ……えっと……失礼します!」
  急ぎ足で桐谷の傍を抜け、校舎の入口に向かう真里紗。
  桐谷、そんな真里紗の姿を見ながら、
桐谷「嫌われてたりする?」


○ 同・教室
  窓側の席に座っている真里紗、窓から外をジッと覗いている。
  視線の先は、校庭で体育の授業を教えている桐谷。
真里紗「……」
男性教師の声「岡田」
真里紗「……」
男性教師の声「岡田!」
真里紗「(立ち上がり)――は、はい!」
男性教師「続きを読んでくれ」
真里紗「は、はい」
  と、教科書のページをめくりながら。
真里紗「え、えっと何ページですか……」
男性教師「聞いてなかったのかー。152ページの8行目だぞ。ちゃんと聞いておけよー。外ばかり見てないで」
真里紗「あっ、はい……」
  教科書を読み始める真里紗。
 ×   ×   ×
  放課後。
  女生徒たちが数人のグループで集まり、他愛もない話(アイドルグループや、話題のユーチューバーの話など)をしている。
  席に座ったままの真里紗。
  ボーっと窓の外を眺めている。
香織の声「(さっきの男性教師の声を真似る感じで)外ばかり見てるんじゃないぞー」
  声に気付き、振り返る真里紗。
  香織が傍に立っている。
香織「なぁ、似てた?」
真里紗「まあまあ。似てると言えば似てるし、似てないと言えば似てないし」
香織「どっちやねん」
真里紗「どっちかと言えば似てるほうかな」
香織「なら、ええわ」
真里紗「で、なに?」
香織「帰り、カラオケ行かへん?」
真里紗「ええよ。別に今日は何の予定もないし」
香織「よっしゃー。久しぶりに歌うでー。歌いたい歌けっこうあるし」
真里紗「私はレパートリー増えてないけど」
香織「そんなん全然構わへん」
真里紗「もう行く?」
香織「そやなー。早めに行かんと、部屋なくなるかもしれんし」
真里紗、帰り支度を済ませる。
真里紗「じゃあ、行こか」


○ カラオケボックス・内
香織「(歌っている)愛してる~、いつまでも~」
  真里紗、オレンジジュースをストローで吸いながら、香織を見ている。
香織「(歌っている)あなたの心はどこにあるの~」
  真里紗、スマホをいじっている。
  曲が終わる。
  香織、カラオケリモコンを真里紗に渡そうとしながら、
香織「はい、マリー。次、入れてないやろ」
真里紗「(リモコンを受け取りながら)言うても新曲とか聞いてないしなぁ」
  と、リモコンを操作し始める。
  香織、対面の席に座る。
真里紗「なぁ」
香織「なに?」
真里紗「歌の歌詞に愛とかって多いやん?」
香織「ラブソングが多いからちゃう」
真里紗「それはいいんだけど……愛してるとかが多すぎて、クドいというかなんというか」
香織「というと?」
真里紗「う~ん、なんかもっと合うような言葉がある気がするんやけど」
香織「私は思いつかないなぁ」
真里紗「愛は英語でラブやん?」
香織「そう」
真里紗「ライク(like)は……」
香織「ライクも愛やろ」
真里紗「そうだっけ?」
香織「確かそうやと思う」
真里紗「うーん……」
香織「時間もったいないから私、歌っていい?」
真里紗、リモコンを渡しながら、
真里紗「どうぞどうぞ」
  香織、受け取り、即座に入力。マイクを取り、
香織「じゃあ、かおりんの十八番いくでー」
  熱唱を始める香織。
真里紗「うーん」
  と、まだ悩んでいる様子の真里紗。


○ 岡田家・玄関(夜)
真里紗「ただいまー」
  と、ドアを開け、入って来る真里紗。
  靴を脱ぎ、家に上がる。
猫の声「にゃー」
飼い猫(リディ)が、迎えに来る。
真里紗「ただいま、リディ」
リディ「にゃー」
  と、真里紗の足に顔をスリスリ。
真里紗「このかわいいやつめー」
  と、リディの頭をなでくりなでくり。
咲里の声「おかえりー」
  真里紗、廊下を歩きながら、
真里紗「ご飯なにー」


○ 同・台所(夜)
  向かい合いで食事をしている真里紗と咲里(36)。
真里紗「(ハンバーグを食べながら)お父さんは?」
咲里「仕事で遅くなるって」
真里紗「ふーん」
咲里「何か用があったの?」
真里紗「ううん、聞いただけ」
  と、みそ汁をすすり、
真里紗「なぁ、お父さんと結婚したのはなんで?」
  咲里、みそ汁をすすろうとしていたが、突然の質問に驚き、少し咳き込む。
咲里「いきなり何やねん、この子は」
真里紗「いや、ふと思って」
咲里「変な子」
真里紗「で、何でなん?」
咲里「そりゃ――(小声で)愛してるからや」
真里紗「なんて?」
咲里「(少し恥ずかしそうに)愛や、愛」
真里紗「愛? それだけ?」
咲里「(恥ずかしそうに)まあ、しいて言うなら優しかったところかな。顔はイマイチやけど」
真里紗「いきなり愛なん? なんかこうもっと……」
咲里「もっと……?」
真里紗「もっと、何て言うんかな。愛の前になにかあるというか、そんな感じ」
咲里「愛の前に?」
真里紗「段階があるっていうんかな。いきなり愛になるのが違和感あって」
咲里「いや、まず愛やろ。それ以外思いつかんわ」
真里紗「そうかなぁ」
咲里「ほんと変な子」
  と、ご飯をパクパクと食べ始める。
真里紗「う~ん」


○ 同・真里紗の部屋(夜)
  豆電球の明かりだけ点いている部屋。
  ベッドにあおむけに寝転んでいる真里紗。布団を被っている。
真里紗(M)「なんかしっくり来ないなぁ」
  と、横になり、
真里紗(M)「絶対なにか忘れてる気がする……」
  と、あおむけになり、
真里紗「あっ!」
  と、ベッドから起き上がり、
真里紗「忘れてた!」
  と、デスクトップパソコンの前の椅子に座り、パソコンを立ち上げる。
  デスクトップ画面が表示される。
  ウェブブラウザーをクリックし、漫画サイトを開く。
  真里紗、引き出しからタッチペンを取り出し、
真里紗「ちょっとでも描かないと」
                          (第一話 終?)


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?