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ナッジで伝わるプレゼンに⑤:マウスは机に置かない

マウス回しは止まらない

ある日、私はずっとオンラインプレゼンを聞いていました。なぜだか、聞いている途中、いつにない疲労感に襲われました。少し休憩し、プレゼン視聴に戻った時、疲労の原因がわかりました。
ほとんどの発表者がスライドで説明する際にマウスを画面上でグルグル回しているのです。数えてみたところ、多い人でスライド1か所につき8回でした。その人はプレゼン全体でおそらく500回くらいはマウスを回したかもしれません(さすがに途中で数えるのをやめました)。1回だけマウスを回してピタッと止めた人は皆無でした。どうやら、マウスというのは一度回すと慣性の法則が働いて、なかなか止まらないものかもしれません。そして、これはEasyナッジに反する、好ましくない行動です。

視聴者はマウスを回す様子に、負荷を感じます。その理由を3つ示します。

①1度言えばわかるのに、そもそも回すこと自体に意味がない。
②目が回る。
③何度も押しつけがましい。

シンプルな対策

もし、あなたが視聴者で、マウスを回している視聴者のオンラインプレゼンに気付いたら、すぐに「耳だけ参加」にした方がよいです。無意識のうちに脳が疲弊して、内容がネガティブな記憶として定着してしまう可能性があります。これからの人生、あなたはそのテーマに苦手意識を持ち、大きな損をしてしまうかもしれません。

もし、あなたが発表者なら、マウスは最初から机に置かないことで解決します。マウスは机に置くと、つい回したくなるかもしれません。机に置かなければ、いくら手をグルグルさせようとも、画面上でマウスは動きません。

ちなみに私はリアル会場のプレゼンでは、レーザーポインターは使ったことはありません。なぜなら、文字は60ポイント以上にしており、ポインターを使う必要がないからです。参加者はポインターをのぞんでいません。そして私も参加者の眼を見てお話ししたいです。主催者には最初から「ポインター不要で」と伝えています。
ポインターを狙い通りにピタッと一発で示す発表というのは、極めてレアです。以前、ある発表者が間違ってレーサーポインターの光を別の登壇者(大御所)の眼に照射させて、壇上で怒られていた光景を見ました。その様子は「ポインターを使ったばかりに台無しになったプレゼン」として記憶に残りましたが、どんな話をしたのかは全く思い出せません。

「内容はよかったはずなのに、スライドに注目してもらえなかった」「途中退出が多かった」という場合、マウスやポインターの動きがノイズになっているケースも意外に多いものです。マウスは右手で持って、手は太ももの横につけることを強くお勧めします。
今日も最後まで読んでくださり、ありがとうございます。

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