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ナッジで伝わるプレゼンに⑯:リアル講演で差がつく5つのポイント#2

前回に引き続き、プレゼンの成否を分けるポイントの③〜⑤を「ノイズやストレスを最小化する」という観点からお話しします。

③マイクは左手に
もしハンドマイクが用意されたら、マイクはスタンドから外し、左手に持つようにします。スタンドに置きっぱなしだと、マイクに合わせて口を近づけないといけないので姿勢も制約があり、そしてマイクから口が離れると声を拾わなくなり、声が一定しなくなります。その意味からも、マイクは必ずスタンドから外してください。

④投影用PCは持参
スライド投影用PCは自前のものを持参するようにした方がよいです。会場に用意されたPCを使う場合、開始前に行う作業が多くなります。スライドデータをUSBメモリからPCデスクトップにコピペ→全てのスライドを動作確認→確認して改行やアニメーションに不具合があれば修正…。それに比べ、自前PCの場合、動作確認は事前に完了しているので、会場での作業はコードに接続するだけです。
一般的に、行政主催の講演で用意されたPCはスペックやバージョンが古いものも多く、不具合になる確率も高いです。それよりは普段から使い慣れてトラブルも少ない、愛用のPCを使った方がよいです。私は講演直前に緊張した時、壁紙にしているウサギの写真を見ると心が和みます。

⑤写真撮影は無音アプリ限定/PCでのメモは御遠慮を
私の講演アンケートでは「会場で撮影している人のシャッター音がうるさくて集中できなかった」「隣の人のPCタイピング音がイライラした」という意見をいただいたことがあります。万全の準備をしたプレゼンなのに、会場のノイズで満足度を下げるのは実にもったいないです。
PCの場合はさらに①顔が下を向く②関係のない作業(パワポ編集等)をしたくなる③それを後ろの席から丸見えになる、という悪循環があります。これを避けるには、最初にお客様に「スライドは後ほど配布します。どうしても写真を撮る方は無音アプリでお願いします。アンケートで『シャッター音がうるさいです』という意見をいただくこともありますので」「メモはPCではない方がいいですね。私の講演は笑顔で頷いて聞いていただきたいのですが、PCを使うとどうも鬼のような形相になる人が多いので」と理由もつけてお願いすることを推奨します。最初に規範を理由とともに示すことが大切です。

誰かが言い出した、謎のマナーの多くは科学的根拠がない上に演者やスタッフに負荷を与え、意味がないと感じたのならやめた方がよいでしょう。それに代わり、行動経済学に基づき効果があるものをマナーとして定着させた方がずっと有益だと考えます。
今日も最後まで読んでくださり、ありがとうございました。


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