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ナッジで伝わるプレゼンに⑧:プレゼンで方言は使わない?

方言はあたたかい

青森の人は、全国でプレゼンするのに躊躇しがちです。「訛っていて、恥ずかしい」という声もよく聞きます。確かに私もかなり訛っています。でも、どんどん発表の場を持つようにしています。方言は個性です。私は他の地域の方言を聞くと、何だか心があたたかくなります。私のプレゼンを聞いた人も、私の津軽弁を聞いて個性を感じてくださることを願っています。

方言は負荷?

ただし、方言はあくまでもローカルな言葉であり、全員に正しく伝わらないリスクがあります。標準語同士でさえ、相手の言葉を100%正しく理解するのは困難です。もし、言葉通りに理解できる能力が完全にあれば、センター試験の現代文は満点続出でしょう。プレゼンを聞く側は意味がわからない言葉には負荷を感じます。方言は相手の負荷を増やし、誤解も起きやすくなるリスクを内包しています。
この観点から言えば、イントネーションが違っている程度の方言は、問題は少なく、キーワード以外が方言だとしても、大勢に影響はないかもしれません。
問題は、キーワードが聞き取れない場合です。こうなると、プレゼン内容に費やされるべき集中力が方言の解読に使われてしまいます。相手は方言に対して、腹立たしく感じることもあるかもしれません。

以前、ある研究発表会で「…次はひづのへまぢをケースに…」というプレゼンを聞きました。「(青森県)七戸町?(岩手県)一戸町?」…スライドは文字が小さすぎてわからず、かと言って「すみません、訛っているので聞き取れません」と言えるほどの勇気を持てず。悶々としていたら、一気に疲れ、そのプレゼンはもはや聞く気がなくなってしまいました。実にもったいないことです。

負荷は低減できる

発表者は「どこまでの方言が相手に好意的に受け入れられ、どこからが負荷になるか」は客観的にはわかりません。でも、相手への負荷はある程度予防できます。

【方言の負荷防止のプロセス】
①別の地域の人を相手に予行演習し、聞き取りづらい言葉や意味の取りづらい表現を洗い出す。
②洗い出したら、それを「ゆっくり話す」「別の言葉で置き換える」「大きな字幕を出す」などの対応を行う。

改めて。方言は個性で、隠す必要はありません。相手に負荷をかけないように対策を講じた上で、自信を持ってプレゼンすれば、相手はきっとあたたかい心で受け入れてくれます。私はプレゼンの冒頭で「訛っています」と宣言してから、本題に入ります。

今日も最後まで読んでくださりありがとうございます。

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