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ナッジ研究者が見たニュース⑤:私が心配するほど、他人は私のファッションを気にしていない。

「僕はルパン三世になりたい」(澤円さん)の記事。すごく面白く、私にとって大ニュースです。

【記事の引用】…普段まずやらないことをやってみる。メイクや髪の色を変えるとか、それくらいのことでいいんです。「上司や同僚に嫌われるかもしれない」と心配するかもしれません。ですが、実際に行動を変えてみると、たいして周囲への影響はないと気づくはずです。

この部分を読んだ瞬間、有名な心理学の研究を思い出しました。

心理学の研究
「最初に、"Tシャツにプリントすると恥ずかしい芸能人"のアンケートを取ったら、1位はバニー・マニロウだった。学生A君にバニーの写真が大きくプリントされたTシャツを着て、他の学生たちのグループに入るよう指示した。A君が退出した後、学生グループに「A君のTシャツには誰の顔がプリントされていたか?」と聞いた。
46%の学生が正解すると事前予想したが、実際には21%だった。

結論。とても恥ずかしいTシャツでも、2割の人しか覚えていないことから、自分が心配するほど、他人は自分のことをそんなに見ていないようです。もちろん海外の研究でることや、時代背景や被験者属性なども考慮する必要はありますが、結果が大逆転することは考えにくいです。
だから、ルールに反しない限り、日常生活では好きなようにファッションを楽しむのもよいのでしょうね。実際、私が髭を伸ばし始めた時、いろいろと言ってきた人はほんの一握りでした。あなたのファッションを指摘する人は、実はあなたのことを人一倍気にする「特別な人」なのかもしれません。

追伸。この研究によって、かかなくてもよい恥をかいてしまった、バニー・マニロウの甘い歌声を。彼(と研究者のギロビッチら)のおかげで、世界は他人の目の呪縛から逃れる一歩が踏み出せました。ありがとう。

※YouTubeで1日おきに、120秒ナッジトリビアを発信しています。「たけばやし博士」をチャンネル登録してくださると、励みになります。


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