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ナッジで伝わるプレゼンに⑩:予行演習のススメ

プレゼンは準備が8割?

「プレゼンは準備が8割」とよく言われます。これは、準備が本番の4倍の重みを持つことを意味し、言い換えると、準備不足のプレゼンは、本来の魅力の8割減です。例えば大好きな歌手のコンサートに行って、10曲演奏と聞いていたのに、「今日は2曲しか準備してきませんでした」と言われるとガッカリですよね。私たちもプレゼンを聞いてくださる人をガッカリさせたくないものです。

島に橋を架ける

人は「相手も自分と同じ考えを持っている」と考えがち(フォールスコンセンサス効果)です。実際には、発表する人と聞く人の認識は、青森と北海道のように離れています。そもそもが圧倒的な情報の非対称性があるからです。
このような状況で、適当に橋を架けても確かに繋がるでしょうが、不快で使い勝手の悪い橋になる可能性が高いです。せっかくなら、綿密な設計をしてスムーズな往来ができるようにしたいですよね。青森の人が「これはいい橋だ」と自信を持っていても、完成してから北海道の人が「こんな橋は嫌だ」と思われるのは、実にもったいないです。だから事前に相手の意向確認が大切です。プレゼンでの相手の意向確認、それが予行演習です。

本当に好きなものについては、いろんな切り口で魅力を表すことができるものです。相手が「この表現だと魅力が伝わらない」と言えば、それは橋の設計が不十分な可能性を示唆しています。どの表現にすると魅力が最大限に伝わるか、試行錯誤するプロセスでプレゼンがどんどん育っていきます。

そして、予行演習では落とし穴の存在に気付かせてもらえる場面も多々あります。人は自分のミスを見つけるのが苦手で、逆に人のアラを探すのは得意です。この特性を使わない手はありません。

予行演習はどのくらいすればよい?

「予行演習は何回すればよい?」と質問をいただきます。私は遅くとも本番10日前から予行演習を始め、10回以上やります。

そして、20人以上からフィードバックをいただくようにしています。なぜなら20人全員に好意的に受け入れられた内容は、失敗確率が5%未満で、本番でも受け入れられる可能性が大きいからです。予行演習で問題なかったのに本番でブーイングが起きたら、仕方ないことだと諦めがつき、前を向くことができます。お陰で私はプレゼン本番の不発は最小限に抑え、仮に失敗だったとしても後に引きずることがほとんどない、と実感しています。だから私は予行演習をお勧めします。
今日も最後まで読んでくださりありがとうございます。

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