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オリジナル曲集。

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オリジナル曲を集めてみました。 ギターとベースは自分で演奏しています。 ドラムと鍵盤はAI+打ち込み 歌はボーカロイドさんです。 曲を聴いてくれた 全ての方々に感謝します! …
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2021年7月の記事一覧

タイムカプセル

タイムカプセル (ボーカロイド) 追憶の夏 晴れ渡る空 校庭の隅っこに埋めた あの小さな約束からもう 今年は10度目の夏 僕らは何も変わらないさ 約束しよう10度目の夏に… あの小さな約束からもう 今年は10度目の夏 あの頃は手も届かなかった フェンス飛び越えて トウモロコシ畑が見渡せる ジャングルジムの上に登り あの頃と何も変わらない景色の真ん中で 見る位置が少しだけ変わった僕は 一人で答えを待っている 時計の針が回る度に 空が色を変えていく 落ちた夕陽が連れてきた夜は 欠けた月が昇ってる 分かっている 分かっていた だから何も思わない 分かっている 分かっていた だから何も思わない あの頃は手も届かなかった フェンス飛び越えて トウモロコシ畑が見渡せる ジャングルジムの上に登り あの頃と何も変わらない景色の真ん中で 見る位置が少しだけ変わった僕は 一人で答えを待っている 追憶の夏 晴れ渡る空 校庭の隅っこに埋めた あの小さな約束からもう 今年は10度目の夏 今年は10度目の夏 欠けた月が昇ってる === 『追記』 実はこの曲は自分史上とても古い曲だ。 僕はこの曲を19才の時に作った。 当時、友達と路上で弾き語りでもやろうかという話になり、夜な夜な相方の母校の校庭に侵入し、 練習をしていたことがある。(後に練習場所を大規模な森林公園に移しました。近隣の皆様、当時は本当に申し訳ありませんでした…。) 校庭には様々な遊具があり この曲に出てくるジャングルジムも やはりそこにあった。 真夜中の校庭は真っ暗で ギターを担いで ジャングルジムのてっぺんまで登ると そこからは たくさんの星や綺麗な月が見えた。 何の希望も見出せなかったあの頃 ただぼんやりとした不安ばかりを 幾つも感じながら 日々を過ごしていた。 月明かりに照らされた ジャングルジムの上で その時僕は永遠について考えていた。 今この瞬間こそが永遠であればいいのにと。 10代最後の年 また、これから迎えるであろう 「大人」になるということへの不安や葛藤。 思い出はいつも綺麗だけど 全てがハッピーエンドだったわけではない。 期待と不安。 様々で且つ複雑な感情が交錯していた。 苦手と思っていたセンチメンタルに 妙な居心地の良さを感じてしまう瞬間が 僕にはある。 そこに浸り続けるわけにはいかないけれど その瞬間は 切り取れば 歌になるかもしれない。 そう思ったのだ。 時は過ぎて 2021年夏。 古いノートの中にこの曲の詞を見つけた。 ギターを手に取る。 コード進行はまだ覚えていた。 あの頃よりもまた 少しだけ見る位置の変わった僕は 今の自分なりのやり方でこの曲を演奏してみたいと思った。 タイムカプセルとは 思い出を埋めるわけだけど 当時の今や瞬間も 共に 込められるものだと僕は思う。 時が過ぎれば それ自体もまた思い出に変わる。 僕はあの頃作った曲を 今の視点で再構築し 再び未来の自分への タイムカプセルにしようと思った。 今からまた幾つもの時が過ぎて この曲を聴き返すことがあったとして また少しだけ変わるであろう その「見る位置」から 僕は何を見るんだろう? 何を思うのだろう? 楽しみだ。