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勝手にアナリストレポート Vol.1018:ナイル(5618 TSE-G 時価総額82億円)

今朝は昨年末に上場したナイル(5618)の24年度1Q決算についてファーストインプレッションです。前1Qに特殊要因があったこともあり、見た目は良くありませんが、計画通りに進捗している印象です。短期的にはファンダメンタルズを反映しないケース多いので、そんな時も落ち着いて取り組みたいですね。

ナイル(5618)


24年12月期1Qファーストインプレッション
着実な歩み


<キーポイント>

 24年12月期1Q実績は通期会社計画に沿った着地。通期会社計画達成の蓋然性は引き続き高いと考えて良いだろう。

 前1Qに一過性の広告売上計上があったころから、ホリゾンタルDX事業は前年同期比減収減益となっているが、KPIは堅調に推移しており、懸念すべき状況にはない。

 国内完成車メーカーの品質不正問題の影響が懸念された自動車産業DX事業だが、1Qにおいては軽微だったもよう。着実に契約残高が積み上がっていることから、収益性改善の蓋然性は高いと我々は考えている。

 「課題解決力×DX×マーケティング」をコアコンピタンスとした稀有な存在であることを改めて強調したい。


<本文>
ナイル(以下「同社」)の24年12月期1Qは、売上高1,323百万円(前年同期比+3%)、営業利益-132百万円(赤字縮小)となった。通期会社計画に対する進捗率は22%(売上計画下限対比)。
ホリゾンタルDX事業においては、前1Qに一過性の広告売上が計上されていたことから、今1Qは減収減益となっているが、契約社数129件(前年同期比+5件)、顧客継続率93.5%(前期末比+0.7pts)とKPIは堅調に推移。生成AIコンサルティングサービスの導入も進んでいることから、今後も安定的な成長が見込まれる。
自動車産業DX事業においては、国産完成車メーカーの品質不正問題の影響を一定受けてはいるものの、売上高は626百万円(前年同期比+20%)を確保。赤字額もしっかりと減少させている。収益の約7割はスポット収益(車両売買収益+初期紹介手数料)となってはいるものの、着実に月額収益が積み上がっていること、広告宣伝費の効率化、を背景に収益性は改善基調を鮮明にしている。1Q末の契約残高は60億円となっている(前期末58億円)。
24年12月期会社計画は、売上高6,150~6,450百万円(前期比+17~+23%)、営業利益-470~-340百万円と、期初計画から不変。自動車産業DX事業では品質不正問題に端を発した販売再開の遅延が懸念されたが、今のところ影響は軽微。ホリゾンタルDX事業でのマーケティング環境変化は常に気がかりではあるが、現状では計画達成の蓋然性は高いと考えて良いだろう。
同社は、「課題解決力×DX×マーケティング」をコアコンピタンスとした稀有な存在であり、ホリゾンタルDX事業と自動車産業DX事業を異なる事業として考えると、同社の強みははっきりと見えてこないことを再度強調したい。これらの強みを様々な産業に提供するだけでなく、自ら特定産業の課題解決をバーティカルに提供し、更にはそこで得ることのできる知見をデジタルDXの課題解決に還元することで弾み車を回すことも可能としている点にもっと注目すべきと考える。


<ディスクレーマー>
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