鄭煕聖先生の講演会に参加させていただきました

こんにちは。M2のアキです。
12月4日に浅香山病院の堺市認知症初期集中支援チーム研修会に参加させていただきましたので、報告をしたいと思います!

山川研の月1回行われる抄読会では、昨年夏からずっと高齢者のセルフネグレクトについて多職種の方々とともに、ディスカッションを続けてきました。
文献を調べる過程で、高齢者のセルフネグレクトを専門とされている鄭先生の論文にたどり着きました。
まさにその鄭先生による講演会が今回浅香山病院で行われるということで、さやかさん、るなさん、ユキさん、ゴウ君と一緒に参加させていただいてきました。

講演会タイトルは「なぜ、高齢者のセルフネグレクトが注目されるのか」
鄭先生のこれまでの研究の中でも特に、博士課程で取り組まれていた内容に焦点が当てられていました。
鄭先生は文献検討にて、セルフネグレクトの海外の現状や研究動向から、セルフネグレクトのリスク要因や構成概念の類型化を行い、そしてセルフネグレクトを再定義されました。
そして、高齢者の孤立や孤独死を防ぐためにセルフネグレクトの予防・支援モデルの構築を目指すことを目的とし、対象者の方々にインタビューをされました。
インタビューの結果やお話から対象者の方々一人ひとりの様子が具体的に想像できたことが印象的だったのですが、鄭先生は、1人に約3時間かけてインタビューを行ったそうです。
インタビューを行う際には、「『なぜ』という言葉は使わないようにし、とにかく相手の話を聞くようにしている」、「セルフネグレクトの人ではなく、隣に住んでいるおばあさんに話しかけるように話をする」などを心掛けているそうで、対象者の方々に真摯に向き合っていらっしゃることを感じました。
また、講演を聞かせていただいて、現実的な課題としては、やはりいかにして孤立しないようにするかがキーだと感じました。
理想論・きれいごとのように聞こえるかもしれませんが、人と人がつながれるように地域でセーフティネットを張って、誰もが大事にされる社会であってほしいと思いました。

この講演会を聞けば、セルフネグレクト研究の状況が一気に理解できる内容でしたので、もっと早く鄭先生にお会いできていたらよかったのになあと思ってしまいました・・・。
(でも今まで苦戦しながら調べてきたからこそ、講演会でより理解が深まったのかもしれないなぁとも思いました。)

講演会終了後、なんと浅香山病院から南海線を鄭先生にご一緒させていただくことに!
講演会の時間内にはできなかった質問を各々させていただいたのですが、鄭先生はどの質問にも丁寧に答えてくださいました。
(上記のインタビューの際に心掛けていることもそのときに教えていただきました!)
さらに、私はビッグデータの研究(修論)に関してもご助言いただきました。(ぜひ次回のゼミで共有したいなと思っています~)
また、参加させていただいた他のメンバーも鄭先生に感銘を受けており、noteに載せてほしいと感想を送ってくれました!

~* るなさん *~
適切な支援を行うためには、危機的ライフイベント時に早期発見できる仕組みづくりとラポール形成が重要とおっしゃっていました。早期発見・早期介入が大切と一般的には言われるものの具体的にどうすべきか言及されていない文献も多くあるなかで、適切な支援を行うためには本人の声を聞くことが最も大切で、そのためには地道なラポールの形成が重要であるというお話にはっとさせられました。ただ、このラポール形成について、高齢者数が増えていく一方で、現場の方々の時間的・体力的な限界があるということも鄭先生はご存知で、そのお話を聞いて、地域全体で見守ることができるような地域づくりやコミュニティづくりが大切なのかなと考えました。今地道にやっている地域活動や地域の小さなコミュニティづくりの目標はそこなのかなとちょっと思ったりしました。

~* 呉君 *~
12月4日の鄭先生の講義に参加させていただき、ありがとうございました。鄭先生の日本人らしい発音や論理的な考え方に感銘を受けました。留学生の立場から、先生が日本語の学習にどれほど努力されてきたかを深く理解しています。先生は本当に素晴らしい方です。
また、先生とのお話を通じて、先生が日本に来てから長い間福祉の現場で活動されていたことを知りました。研究者にとって、豊富な臨床経験は極めて重要です。そのため、施設などでのアルバイトを探してみようと考えています。

鄭先生、お忙しい中、貴重な機会をありがとうございました!

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