TrackmaniaとDeep Dip 2

最近、暇な時間は何をしているのかというと、WirtualのDeep Dip 2の挑戦ライブ配信を見ている。

何の話やねん、と思ったでしょうから、何の話かを説明するね。

WirtualというのはTrackmaniaをプレイする配信主で、Deep Dip 2というのは最近リリースされたTrackmania史上最難関のマップである。

何の話やねん。

Trackmaniaとは(※見ているだけの人による説明)

Trackmaniaというのは、2003年にシリーズ第1弾がリリースされたゲームシリーズ。最新版は2020年リリース。

Steamで無料で配信されていて、PCで遊ぶのが主流っぽい。

ざっくりいうと、見た目の通り車を操作するレースゲームなのだが、いくつか特徴がありまして。

①複数台での競争ではなくタイムアタック形式
Trackmaniaには他人と同一空間で競争するモードがない(おそらく)。同一サーバーに集って一斉にスタートする場合もあるけれど、対戦相手は透明化していて、たとえば対戦相手にぶつけて妨害することはできない。勝敗はあくまでタイムで決まる。基本的には一人でプレイして、世界中のプレイヤーの記録と競い合います。

②リアル志向ではない物理演算
「グランツーリスモ」や「Assetto Corsa」のようなリアル志向のゲームと違って、Trackmaniaでプレイヤーが操作する車は非現実的な挙動をしている。ただ、だれが操作しても同じように動くので、非常に競技性が高い(運の要素が一つもない)。e-スポーツといって差し支えないと思う。

③バグ技、トリックを使った遊び方
②とも関係していますが、このゲームには過去のシリーズから意図的に改善されていないバグが残されています。そういったバグやその他のトリックを使って、単にコースを速く走るだけではなく、車をうまく操作してゴールを目指す、パズルゲームのような遊び方もできます。

もちろん、バグやトリックを使って、マップ作成者の意図した走り方とは別の方法で速いタイムを記録することも認められているので、パズル+タイムアタック、という遊び方もできる。

ちなみに、ショートカットを使って記録を出すことだけを目的としたプレイヤー集団の名前が「Fastest Way Only」なの、ちょっとかっこいいと思ってしまいました。Fastest Way Onlyのメンバーになる条件は、まだ誰も見つけていないショートカットを使ってマップの世界記録を更新すること。

Trackmaniaがどんなゲームなのか、わかりましたでしょうか。

史上最難関マップ、Deep Dip 2

Deep Dip 2ということは、最初にDeep Dipがあったということですな。

2022年にリリースされたこのDeep Dipというマップは、14階建てのタワー型のマップである。有名なマップ作成者たちがそれぞれ1フロアを担当し、フロアごとに難しいトリックやジャンプを成功させながら、上へ上へと昇っていく。頂上がゴールだ。

しかしこのマップの難易度をぶち上げているのが、「チェックポイントなし」という鬼畜設定である。

通常のTrackmaniaのマップは途中にチェックポイントが設定されており、途中で失敗した際はリスポーンすることで直前に到達したチェックポイントから挑戦を再開することができる。そのチェックポイントが、このDeep Dipには設けられていない。つまり、一度ジャンプを失敗して下のフロアに落下してしまえば、そこからやり直しということになる。しかもそこはマップ作成者たちもうまいこと作っていて、ミスると一気に最下部まで落ちてしまうポイントがいくつも設定されている。つまりはTrackmania版の「Only Up!」みたいなものだ。

最初にクリアしたプレイヤー3名には合わせて1100ドルの賞金が与えられることになっていたこのマップに歴戦のプレイヤーたちが集ったが、最初にクリアされたのはリリースから6日後だった。

そして先週、5月4日。その第2弾、Deep Dip 2がリリースされた。

階数は16に増え、さらに各フロアの難易度も格段に上がった。さらに、賞金の合計も25000ドルに。

5月4日に挑戦の火蓋が切って落とされたわけですが、10日の今日現在、まだクリアするプレイヤーは現れていない。それどころか、全プレイヤーの最高記録は、やっとフロア11に到達したところ。僕が見ているWirtualはこれを書いている今もプレイ中で、合計プレイ時間72時間、通算の失敗回数は773回だ。

全世界の最高のプレイヤーたちがこぞって、一斉に挑戦しても一向にクリア者が現れる兆しがないというのは、なんともすごい。一見不可能にも見えるが、これまでのTrackmaniaの歴史上、数々のプレイヤーが不可能を可能にしてきたのを、Wirtualの動画を見まくっている僕は知っている。クリアの瞬間を目撃したいと思う。

Wirtualのこの「世界記録の歴史」シリーズはとにかく面白いので一見をお勧めします。

番外編

最近見たテトリスの世界記録についてのこの動画も面白かった。プレイヤーたちの技術の進化がとんでもないことになっている。立派なスポーツやんけ。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?