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2023.2.13

それにしても大物ミュージシャンの訃報が相次いでいる。今年に入ってからだけでもジェフ・ベック、高橋幸宏(サディスティック・ミカ・バンド/YMO)、トム・ヴァーレイン(The Television)、鮎川誠(シーナ&ロケッツ)、デヴィッド・クロスビー(The Byrds / Crosby, Stills, Nash & Young)、バート・バカラック、そして今日訃報が入ってきた Trugoy the Dove(De La Soul)。今年からはもうそういう時代になっていく気がする。毎月のように誰かが死んでいくんだろう。正味、著名人の訃報にあまり悲しみを感じない方なんだけど(だって知り合いじゃないから)、ちょっとこんなに続くとね。

本格的に食生活を見直さないといけない気がしている。秋から冬にかけて5キロくらい太っていて、明らかに最近の食生活(と生活習慣全般)のせいだと言い切れる太り方。もう少しでもう引き返せないところまで行く気がしていて、やるぞ、やらねば、の気持ちである。

バキ童chは面白くてよく観ているんだけど、この部分は確かに胸を打つところがあった。「たまたま顔が幸運にうまくできているからこそ」というところは「たまたま自己肯定感を高く保てているからこそ」と言い換えたほうがより正確な気がするんだけど。

今の自分のコミュニケーションのとり方の大きな土台となっているのは間違いなく「ぶっさいくやなあ(笑)」と言われ続けた学生時代の経験だと思う。自虐してなんぼ、わざと気持ちの悪いふるまいをしてなんぼ、と思っていた時期が相当長かった。ある程度は自分に自身や誇りを持って接することができるようになったのは本当にここ数年だと思うし、それでも未だに自分に自信を持って人との距離を詰める、みたいなことはかなり苦手な部類だと思う。

ぼくが攻撃的なインセルにならなかったのは色んな人や考え方と出会う事ができた運と、そのタイミングの運がよかったからだ、という気持ちはずっとあるし、そのおかげで今は楽しく生きているけれど、どこか「何かを諦めた」感覚とともに生きている気もする。もちろん、ぼくとは逆に自意識が希薄なまま生きてきた人も僕のようには生きられないという点でそれは同じなんだと思うんだけど、「諦めた」「諦めさせられた」という感覚はないと思う。そこに嫉妬したり「こっちの気持ちも考えろよ」というのは筋違いだから思わないようにしてるけど。

ぐんぴぃは芸人という職業だし、話芸が達者という才能のもとでああいうキャラを演じているけれど、別にあれだけが童貞のロールモデルだと勘違いしてはいけない、とは思います。認知が歪んでいるな、とか有害だな、と思う部分もあるし。

だから結局、必要以上の自意識を背負わないことが幸せへの道なんだよな。これに大昔から気づいていた仏教ってすごすぎる。

いや、「仏教ってすごすぎる。」で終わらせる話か????

以下、最近見た映画3本。

高橋慎一『THE FOOLS 愚か者たちの歌』を観た。

1980年に結成されたTHE FOOLSは、名ギタリストの川田良と唯一無二の存在感を放つボーカリストの伊藤耕を中心に真摯にロックを体現し、多くの表現者たちに影響を与えてきた。キューバの音楽事情を描いた「Cu-Bop CUBA New York music documentary」の監督として知られ、THE FOOLSに10代の頃から魅了されてきたという高橋慎一が、2012年から約10年にわたって彼らに密着。ドラッグによる度重なる逮捕、メンバーの相次ぐ病死、そして伊藤の獄中死など、彼らの波乱に満ちた生と死を映し出す。

めっちゃ意外なところで言うと、ダウ90000の蓮見翔がこの映画を「絶対に見たい」と言っていた。なんでなんだろ。

正直THE FOOLSに関しては名前だけ知っていた、位のテンションだったのだけれど、それでも観てよかった。

「バンドは生き物だ」みたいな言い方があるけれど、このバンドはそれを地で行くようなバンドだったように思える。メンバー個人の意志の相乗効果で、どんな事があっても生き延びてやるという生存本能が芽生えているように思えるというか。

ちなみに映画の中でも触れられている伊東耕の獄中死を巡る裁判ですが、遺族側が勝訴したそうです。

ウィリアム・キャメロン・メンジース『来るべき世界』(原題:Things to Come、1936年)を観た。

1940年、イギリスの都市エヴリタウンを敵機が襲撃、街が破壊された。戦争は長々と続き、夢遊病にかかる人々が増え続け、独裁者が圧政を敷く。その先にある世界とは?

脚本はH.G.ウェルズ。

大昔のSF映画ということで、ナメて観始めたらセットとかがすごい。『ブレードランナー』含めその後のSF映画に多大な影響を与えたらしく、そりゃそうだと納得。

戦争と独裁に対して進歩主義と科学主義が台頭するんだけど、それに対してさらに「そんなに進歩して何になんねん、月行ってどないすんねん」という勢力が現れるという、終わりなき反動の描き方が、先見の明〜〜って感じ。

ルイス・ギルバート『アルフィー』(1966年)を観た。

ロンドン、イーストエンドの薄汚れたアパートで暮らす青年アルフィーは異性に対する欲求が人一倍強く、いつも身なりだけはきちんと整え、様々な女たちとの関係を楽しんでいる。結核で入院すると女医や看護師と親しくなり、退院後は金持ちの女性と恋仲になるアルフィーだったが……。

バート・バカラックの訃報の際、この映画について触れているものが多かったので、見ることにした。主題歌「Alfie」はバカラック自身が一番気に入っていた楽曲だそうだ。

でもお話としては、サイテーなプレイボーイが飄々と生きていくというもので、全然楽しめなかった。別にプレイボーイだからサイテーというわけではなく、常に女性に上から目線、どこかゲーム感覚、自分との子供を妊娠した女性の堕胎費用を払わない(上に完全に他人事)など、全くもって救いようのない人間で、これがコメディだとしても一切笑えない。

でもそんな主人公を諌めるように「アルフィー、君がこれまで向き合ってこなかったような愛を見つけなければ、君は無価値だよ」と歌われるこの主題歌「Alfie」、これは確かにめちゃくちゃいい曲でした。藤井風や椎名林檎もカバーしています。

デイミアン・チャゼル『バビロン』が全然好きくなかったっていう話も書こうと思っていたんだけど、眠すぎるのでまた明日…


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