見出し画像

2023.2.24

うかうかぼやぼやダラダラしているうちに、観た映画が溜まってしまい、洗濯物も溜まってしまい、おしまいだ〜〜〜〜!

観た映画①
牧賢治『Sin Clock』

理不尽な理由で会社をクビになり、妻子からも別れを突きつけられた高木は、タクシー運転手として働きながら冴えない毎日を過ごしていた。そんなある日、タクシーに乗せた政治家・大谷が、数億円もの価値を持つ幻の絵画につながる手がかりを漏らす。高木は驚異的な記憶力を持つ番場や裏社会に通じる賭博狂の坂口ら、「3」という数字に奇妙な共通点を持つ同僚たちと手を組んで絵画強奪計画に乗り出す。しかし想定外の出来事が連鎖し、事態は思わぬ方向へと転がっていく。

ラッパーのJin Doggが出演していて、彼の出演シーンの予告が出た時から話題になっていた。彼を映画に出演させてくれたというだけで、この映画が作られた意味があるね…。実際、ずっと出てくるキャラクターではないのですが、はじまりのカットも彼だし、終盤にはきちんと見せ場もあったし、何より彼自身の強烈なキャラクターで出てくるところはことごとくばっちり印象に残る役でした。こういうの、どんどん出てほしいな。あと、最悪な役でチョコプラの長田が出ていて、それもなかなか良かった)。

でも、実際の映画のほうは、「シンクロ」と謳う割にはメインの3人が揃うのが遅すぎるし、シーンのつながりが(フェードアウトで統一されているとはいえ)いくら何でもぶつ切り&単調すぎるのと、それによって脚本のそもそもの詰めの甘さがさらに悪目立ちしているような印象で、決して面白い映画とは言えなかった。クラブで3人が作戦会議をする必然性が一切ないので、そのシーンでかかるAwichやJinmenusagiの楽曲を聴いて「これをかけたくてつくったシーンでは?」という薄っぺらい印象になっているのも残念。(OPとEDのGEZANは割とはまってた)。

観た映画②
ペイトン・リード『アントマン&ワスプ:クワントマニア』

「アベンジャーズ エンドゲーム」では量子世界を使ったタイムスリップの可能性に気づき、アベンジャーズとサノスの最終決戦に向けて重要な役割を果たしたアントマンことスコット・ラング。ある時、実験中の事故によりホープや娘のキャシーらとともに量子世界に引きずり込まれてしまったスコットは、誰も到達したことがなかった想像を超えたその世界で、あのサノスをも超越する、すべてを征服するという謎の男カーンと出会う。

MCUフェーズ5の第1弾で、通算31作目。フェーズ4~6の「マルチバース・サーガ」のラスボス(?)となる宿敵=カーンが初登場。…と書いて、なんのこっちゃって感じだよな。

正直、めちゃくちゃゆるーい作りで、「なんか、どうでもいいな」と思いながら見ていた。笑えるところだけ笑っとこう、みたいな。見たことないぼくでも「『スターウォーズ』だなぁ…」と思いながら見ていたので、『スターウォーズ』ファンは途中でまじめに見るのをやめてしまうのではないだろうか。

量子世界を描いた作品なのに、量子世界らしさが一切なく、ありがちなSF作品の宇宙空間みたいな描き方をしているのはすごくもったいないと思った。アントマンの武器である「ちっちゃくなったりでっかくなったり」という部分も、時々思い出したかのように出てくるだけで、全然うまみがない。だってもともとが超ちっちゃい世界に迷い込んでしまって、その中で尾は橋が進んでいく、という作りだから。

親子間のドラマの描き方も陳腐極まりなく、これだったら『インターステラー』を見るよ!という気持ち。というか気が付いたら警官の義父も泥棒仲間のあいつもフェードアウトしていて、ず~~~~っと家族内の話なのもちょっと面白みに欠ける。

でも、あの最悪な造形のキャラクターは、あそこまで行き切っていると最高じゃん、とは思った。あんな馬鹿げた造形をこの大バジェット映画で出そうと思た心意気はグッド!(と思ったら原作コミックにも出てくる造形らしい)

観た映画③
ブレット・モーゲン『デヴィッド・ボウイ ムーンエイジ・デイドリーム』(試写)

デビッド・ボウイ財団初の公式認定映画で、ボウイが30年にわたり保管していた膨大な量のアーカイブから厳選された未公開映像と、「スターマン」「チェンジズ」「スペイス・オディティ」「月世界の白昼夢」などの40曲で構成。全編にわたってボウイ本人によるナレーションを使用した。

音楽ドキュメンタリーにありがちなナレーションベースの進行ではなく、全編にわたってボウイ本人の発言で進んでいくので、2時間15分、ひたすらボウイの世界にどっぷりつかることができる。まさに追体験といった感じ。

しきりに発せられる、飽くなき「変化」への欲求が凄まじいし、彼のアーティストとしてのすごみはその1点に集約できるなあと改めて感じた。変わって変わって変わり続けて、混沌を愛し、それこそが人生だと「大冒険」を謳歌したある人間の物語。ただただ圧倒されっぱなしだったので、これはもう一度観たい!

観た映画④
ルカ・グァダニーノ『ボーンズ アンド オール』

人を食べてしまう衝動を抑えられない18歳の少女マレンは、同じ秘密を抱える青年リーと出会う。自らの存在を無条件で受け入れてくれる相手を初めて見つけた2人は次第にひかれ合うが、同族は絶対に食べないと語る謎の男サリーの出現をきっかけに、危険な逃避行へと身を投じていく。

『ミッドサマー』を「キラキラ青春映画」みたいに言う、ジャンルミスリード大喜利的なノリはあまり好きじゃないんだけど、この『ボーンズ アンド オール』は紛れもなく青春ロードムービーですよ、これは。

『君の名前で僕を呼んで』のグァダニーノ×ティモシー・シャラメというタッグから想像されるクィアな雰囲気も全体的に漂いつつ、ロードムービーの醍醐味と言ってもいい風景描写も冴え渡ってた。運転するテイラー・ラッセルをクロースアップで撮るカットなど、車中のシーンもいい(二人がいい感じに運転を分け合っているのがなんとも微笑ましい!)。

食人描写がエグいみたいな言われ方をしているけれど、そこまで痛そうなシーンはないのでご安心を。それにしても、水曜日のサービスデーということもあったのかもしれないけど、前日に見たアントマンの8倍くらいは人が入っていて、ティモシー・シャラメの人気って思った以上にあるんだなあ、と実感(というかあんなにガラガラだったアントマンがやばい?)

木曜日に観た『夜衝2』と、そこでチラシを貰って配信で見た画餠の公演のことも書きたいのだけれど、もう寝ます。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?