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今期スキドレギアバレーワンチャンあったかも (23-12-24:追記)

はじめに

ここ最近、遊戯王界隈ではYUDT・日本選手権予選・YTCと大きなイベントが続いていました。
そして、その中でもやはり「ティアラメンツ」の存在は頭一つ抜けていたと感じます。キトカロスの禁止、ペルレイノの制限など主要パーツに加えてイシズパーツの規制によって手足をもがれたかのように思えましたが、蓋を開けてみれば他テーマの追随を許さない絶対王者として環境トップの座に君臨していました。

しかし、このティアラメンツという王者に立ち向かうべく、墓地利用に対して大きな制限をかける「クシャトリラ」や「スキドレギアバレー」といったキラーデッキも負けじと強い存在感を放っていました。

しかし先日、KONAMIより「3月26日に制限改訂を出すよ」という通知がありました。これにより、ティアラメンツに対しては前回と同様の手厳しい規制が行われると予想されます。
それは同時に、ティアラメンツのキラーデッキである「スキドレギアバレー」の存在意義も失われることになります。

そのため、この記事では環境の締めくくりとして、今環境におけるスキドレギアバレーの解説を行いたいと思います。

スキドレギアバレーとは

スキドレギアバレーとは、「マシンナーズ・フォートレス」「古代の機械巨竜」「Sin サイバー・エンド・ドラゴン」といった大型機械族モンスターで相手のライフを削り切るビートダウンデッキです。

特に、今環境においてはチェーンに乗らない特殊召喚を多用することが優位に働くことが多々あります。「Sin サイバー・エンド・ドラゴン」は4000という打点も相まって「ティアラメンツ・ルルカロス」や「フルール・ド・バロネス」を一方的に戦闘破壊することができます。

また、一般的なビートダウンとは異なり、「スキルドレイン」や「ネクロバレー」などの永続カードによって相手に対して大きな行動制限を課すことができるため、メタビートの側面も併せ持つことが特徴です。

デッキリスト

以下が一般的なメインデッキのリストです。サイドデッキについては割愛いたします。

スキドレのノーパラが2枚足りません。
// モンスター(15枚)
2 エフェクト・ヴェーラー
2 カードカー・D
3 マシンナーズ・ギアフレーム
3 マシンナーズ・フォートレス
2 古代の機械巨竜
3 Sin サイバー・エンド・ドラゴン

// 魔法(13枚)
1 大嵐
2 強欲で謙虚な壺
3 テラ・フォーミング
3 歯車街
2 王家の眠る谷-ネクロバレー
2 禁じられた聖槍

// 罠(12枚)
3 強制脱出装置
3 魔宮の賄賂
1 神の宣告
2 神の警告
3 スキルドレイン

// EX(15枚)
3 サイバー・エンド・ドラゴン
1 ガガガガンマン
1 インヴェルズ・ローチ
1 イビリチュア・メロウガイスト
1 No.50 ブラック・コーン号
1 ジェムナイト・パール
1 ギアギガントX
1 No.11 ビッグ・アイ
1 No.15 ギミックパペット—ジャイアントキラー
1 聖刻神龍—エネアード
1 A・O・J カタストル
1 スクラップ・ドラゴン
1 XX-セイバー ガトムズ


展開パターン

一般的なNoteではこの辺りから有料ゾーンですが、今回は環境終了直前ということもあるので無料公開といたします。

スキドレギアバレーの主な展開は「歯車街」「王家の眠る谷-ネクロバレー」の2枚から成ります。
ここでは、HSプレイヤーとして有名なguardさんが展開の一例を分かりやすく動画にしてくれていますので、そちらを引用させていただきます。

上記は一例であり、フィールド魔法の種類や発動・セットなど他にも様々な組み合わせが存在します。そのため、展開札の組み合わせとその結果について一つの表にまとめました。計16パターンと組み合わせが多いですが、一人回しを行うことで徐々に慣れると思います。

2人が****しても何も起きない部屋。

主要カード解説

ここでは、デッキの各主要カードの解説を行います。他のカードとのシナジーが薄いものや特筆する点がないカードに関しては割愛いたします。

カードカー・D
Dの一族です。ターンスキップという重い制約と引き換えに2ドローという単純な+1アドバンテージをもたらします。単純に使用しても強力なカードですが、このデッキでは後述の「マシンナーズ・フォートレス」の手札コストの役割も兼ねています。
このデッキのモンスターの多くに言えることですが、地属性であるため相手のビーステッドのコストにならないことも利点の一つです。

マシンナーズ・ギアフレーム
3枚搭載可能な「ティアラメンツ・レイノハート」のようなものです。
自身をサーチすることはできないものの、主力アタッカーである「マシンナーズ・フォートレス」をサーチすることができます。ユニオン効果も地味に優秀なため、忘れないようにしましょう。

マシンナーズ・フォートレス
ギアフレームからサーチが可能で、自身の効果による特殊召喚が可能なモンスターです。
特に「クシャトリラ・フェンリル」に対する強力なカウンターとなります。特殊召喚効果はチェーンに乗らないためフェンリルの効果誘発を防ぎ、なおかつ打点が2500あるため、一方的に戦闘破壊することができます。
ただし、2020年の裁定変更により、ネクロバレーが発動されている状態では自身を蘇生することができなくなったため注意が必要です。

コスト重すぎて草。

古代の機械巨竜
歯車街を採用する理由そのものです。また、レベル8であるため1枚で「マシンナーズ・フォートレス」を蘇生することができるほか、ランク8の素材になることも多く、単純な戦闘以外にも様々な役割を持ちます。
ただ、現環境は攻撃反応型の罠が少ないため効果そのものが活きることは少ないです。

Sin サイバー・エンド・ドラゴン
遊戯王とは相手のライフを削って勝つゲームである、ということを実感させてくれるカードです。先述のルルカロスやバロネスはもちろん、ガーディアン・キマイラですらも上から叩き潰します。フィールドに1枚しか存在できないという制約があるものの、2枚目以降もフォートレスのコストになるなど腐ることがほとんどないカードです。

大嵐
このデッキのモンスターは比較的打点が高く、モンスターが横並びすれば相手のライフを全て削り切ることも可能です。しかし、基本的な打点となる「マシンナーズ・フォートレス」や「Sin サイバー・エンド・ドラゴン」はカードを消費したうえで盤面に出てくるため、罠による除去には非常に脆いという点が存在します。
大嵐は、そのような弱点を1枚で解決できるカードです。
また、歯車街と組み合わせることで相手の伏せを吹き飛ばしつつ「古代の機械巨竜」を特殊召喚するというワザップも存在します。
ただし、禁止カードなのでデッキに採用すると一発レッドカードというデメリットも存在します。

強欲で謙虚な壺
ちょっと弱くなった金満で謙虚な壺です。

テラ・フォーミング
歯車街でモンスター展開、ネクロバレーで妨害と2つのフィールド魔法を別々の用途で使用するこのデッキにおいて非常に重要な役割を果たすカードです。制限カードなので、3投すると一発レッドカードです。
個人的には、次の改訂で禁止になってもおかしくないと思っています。

王家の眠る谷ネクロバレー
現環境の絶対王者と言っても過言ではない「ティアラメンツ」に対する強烈なメタカードです。その他にも、「ビーステッド」や、もう少し幅を広げると「エルドリッチ」といった墓地利用を行うデッキ全般に対して突き刺さります。
このカードをメインデッキから無理なく採用できることはスキドレギアバレーの強みの一つと言えます。
ただし、前述の「マシンナーズ・フォートレス」との組み合わせにより、同じくこのカードを採用しているクシャトリラと比較すると、このカードの強みを全て活かしきれているとは言えないのが惜しい点です。

強制脱出装置
エクストラデッキを多用する今環境においては非常に有効に働く除去カードです。特に、ティアラメンツの融合モンスターの蘇生を許すことなく除去することができるほか、完全体「カオス・アンヘル-混沌の双翼-」も1枚で処理することができます。
ごく稀に自身の「マシンナーズ・ギアフレーム」を手札に戻して再度召喚することで「マシンナーズ・フォートレス」のかさ増しを行うことがあります。

スキルドレイン
メタビといえばこのカードです。ネクロバレーと同様、開けば勝ちという対面も少なくありません。言わずもがな「Sin サイバー・エンド・ドラゴン」との組み合わせは非常に強力です。
ただし、発動後は「マシンナーズ・ギアフレーム」がただのバニラと化してしまうため注意しましょう。

インヴェルズ・ローチ
クシャトリラに対して非常に有効なカードです。ターン制限もないため、フェンリル→ユニコーンといった連続展開にも対応することができます。
ただし、レベル5以上のモンスターという制約があるため、リンク召喚は無効にできません。

No.11 ビッグ・アイ
クシャトリラが出た直後に値段が上がって「買うのダルい~」と思いながら何となくストレージを漁っていたら、このデッキのエクストラからこのカードが出てきたので耐えました。

おわりに

この記事のタイトルにもあるように、今期はいつにも増してスキドレギアバレーにワンチャンあった環境なのではないかと思います。
ただ、次の改訂によって環境は大きく変わると予想されるため、場合によってはスキドレギアバレーは打って変わって逆風にさらされることになるかもしれません。

何はともあれ、制限改訂の発表が待ち遠しい限りです。
月末というタイミングでの発表ゆえに、このような怪文書を書くくらいしかやることがありませんでした。

ご覧いただきありがとうございました。

追記:23-03-26 制限改訂を踏まえて

予想通り、ティアラメンツは主要パーツに更なる規制が加えられたことにより大幅な弱体化を余儀なくされました。これにより、スキドレギアバレーのメタ的な立ち位置はかなり悪くなったと言えるでしょう。
それに加えて、スキドレギアバレーの主要パーツであるスキルドレインが制限カードに指定されてしまいました。相手のギミックに対して1枚1枚のカードパワーで勝負するメタビートにおいて『発動すればそれだけで勝てるカード』がデッキから2枚も減ってしまうのは相当な痛手であると言えます。
しかし、環境王者のティアラメンツを規制するのであれば、そのメタデッキとして台頭したスキドレギアバレーも同じように弱体化させるのが筋というものであるため、この規制は致し方のないことと思います。

ただし、悲観的な話ばかりではありません。

『焔征竜-ブラスター』の規制緩和に伴い、これらのカードを使用するデッキが増えれば、ネクロバレーが突き刺さる場面も(ティアラメンツ最盛期ほどではないにせよ)多いのではないかという期待もあります。また、征竜に対してはスキルドレインが刺さる場面がそう多くないため、逆に抜けたスキルドレインの枠に対してソウルドレインやメンタルドレインといった役割の若干異なるカードを散らして採用することで不要牌の数を減らすことができるほか、今まではスキルドレインが刺さらなかった相手に対しても勝機を見出すことができるかもしれません。今までは対ティアラメンツに特化していたスキドレギアバレーでしたが、今回の規制によりさらに広い範囲のデッキに対して脅威となるデッキとなりうる可能性もあります。

来期はスキドレギアバレーにもワンチャンあるかもしれません。

追記:23-12-24 制限改訂を踏まえて

サンタクロースは我々を見捨てていませんでした。
そう、大嵐が制限カードとして戻ってきたのです。前述の通り、このデッキの大嵐は相手の伏せカードをまとめて吹き飛ばしながら自分の歯車街を起動させるという強力なカードでしたが、デッキに投入すると自動的に負けるという大きなデメリットが存在していましたが、遂にそのハンディキャップを克服することができました。
また、罪宝関係のカードにメスが入らなかったほか、最近はインフェルノイドのシェアも比較的高いことから、次環境においてもネクロバレーが刺さる相手が一定数いることが見込まれることも追い風です。

来期はスキドレギアバレーにもワンチャンあるかもしれません。




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