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例えば、失われた時を求めたとして / 小さな断片

画像フォルダを遡ると、線香花火を持って曖昧に笑いかける私の姿があった。

煎って挽いたコーヒー豆は、始めにお湯をコーヒーに変える前にお湯を注いで蒸すんだよ。

人間は二度死ぬ。厳密には二つの異なる死を持つ。一つの死を経験し、また生を受けることなくもう一つの死を待つ。その時間をなんと名付けようか。

悪夢は、夢ではなく現実に存在しているということ。逆に言えば現実にこそ悪夢があるということ。

スタンプラリーのために生きているんじゃないわ。

「暴力を振るおうと面白みのない人間よりはマシ」
そう思われないように必死だった。僕の優しさは僕のためのものでしかなく、君にとって何も意味を持たなかった。

何度でもいうけど、人は見た目が全てだよ。もっと言えば、見た目は100点満点じゃなくって、良し、か、悪し、しかないんだよ。

「カップルチャンネルって何?」
「カップルのチャンネルでしょ」
「うん、まあ。なんていうか、概要じゃなくて。何?っていう。」
「はぁ?」

「死にたいとかじゃなくて、生きてる理由が全くわからない」
「つまんない人生だなーって思ってる人ってさ、よくもまあつまらない人生なのに生きてられるよね。人生を面白いと思えないような自分と自分の周りを自分で作ってきてさ。意味わかんないから早く死ねばいいのに。」
「君との子供が欲しいっていうより、君から君が生まれてきて欲しい。そしたらずっと君と生きていけるから」
「マジキモ」

ソウルフルワールド見て人生考えてるようじゃ、今まで人生考えてなさすぎじゃね。

「どんな映画見てるの?おすすめは?」
「うーん、落ち込むような映画ばっかりで、おすすめとかはあんまりないかなぁ」
「なんで?落ち込むの好きなの?」
「え?わかんない。なんでだろ」

何がすごいかをわからないとダメなんだよ。何がいいかをわからずに、何が悪いかだけを観ていると、なんかすごいなという映画に飛びついてすごいと言ってしまうから。

「不在着信
ごめん、いま歩いてて
暇だったからかけただけ
気にしないで」
「映画観てたよ
ごめんよ」
「そっか
おつかれさま
わたしも観終わった」
「あら、いいね
おれもその映画、観に行ってみようかなぁ」
「果たしてどう思うだろうか
友達と行ってたの?」
「なにそれ、そんな感じなの?
いや、ドタキャンされて1人で行ったよ」
「なーんだ、なら一緒に行けばよかったなあ」
「うん、結構面白かったからおすすめ
あれ、みたことあるかな」
「ラブレター?」
「うん、あるんだっけ」
「ううん
ずーっと
気になって
まだ」
「なるほど」
「みてみる
池袋いたんだね」
「いまでるとこ
どこでみたの?」
「池袋だわ
近いから」
「一緒じゃん」
「今の今まで暇だったから会えばよかった
ざんねん」
「暇だったの
ざんねん」
「また今度だね」
「そだねぇ」
「うん」
「うん」
「じゃあお気をつけて」
「そちらもお気をつけて」

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