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書く練習(4/6)

女「やばかったね。」
男「やばくはないけど。」
女「まあやばくはないけど。」
男「びっくりしたよね。」
女「びっくりしたね。」
男「手とか繋いでなくてよかった。」
女「わざわざ街中で繋いだことなくない?」
男「ないけど。」
女「繋ぎたくない派でしょ。」
男「繋ぎたくないわけじゃないけど。」
女「繋ぎたいの?」
男「いや…。いや、繋ぎたくないわけじゃないんだけど、繋ぎたいって感じじゃない。」
女「…」
男「わけでもなく。なんだろうね。」
女「なんなの?」
男「繋ぎたい。うん、繋ぎたいです。繋ぎたい派です。はい。」
女「じゃあこれからは繋いで歩こうか。」
男「いや、それは、どうなんだろう。」
女「どうなの?」
男「どうなんでしょうか。」
女「どうなんでしょう。」
男「カンちゃんが繋ぎたくない派じゃん。」
女「繋ぎたくないわけじゃないよ。」
男「それは嘘じゃん。」
女「嘘じゃないよ。繋いでいいよ。全然。ほら。」
男「いや、それは、なんかずるいな。」
女「ほら、こうちゃんが繋ぎたくないんじゃん。」
男「出た出た。」
女「出た出たじゃないじゃん。こうくんが繋ぎたくない派だから繋いでないんでしょ。」
男「はいはい。」
女「はいはい?」
男「はい。」
女「はい。」

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男「でもさ、付き合ってることおおっぴらにしたくないよねって感覚はカンちゃんのものじゃない?」
女「そう?」
男「そうだよ。付き合ってないよ〜って周りに言う感じはカンちゃんからじゃない?」
女「まあ、そうかも。いや、わざわざ付き合ってますよって言ってないだけじゃない?付き合ってないよ、って明確に言ったことはない気がする。」
男「あ、そうなんだ。」
女「うん、多分。こうくんは付き合ってないよ〜って言ってるの?」
男「う〜ん。う〜ん。…。う〜ん。」
女「内緒にしてるんだ。」
男「う〜ん。なんか、有耶無耶な感じにしてる気がする。あんまり突っ込んで聞かれないし話さないし。」
女「まあ、わたしもそんな感じだよ。」
男「なんか、その流れで、繋ぎたくない派だと思ってた。」
女「なんか、それとこれとは別な感じある。」
男「そうなの?」
女「そうなの。」
男「なんか、そういうの実はちゃんと聞いたことなかったかも。」
女「そういうの。うん、まあ。そうだね。」
男「カンちゃんは、付き合ってますっていうのは内緒にしたい人なの?」
女「今更だね…。なんかさ、いろいろ聞かれるのとか、めんどくさいなって。」
男「いろいろ聞かれるんだ。」
女「まあ、そんなぐいぐいは聞かれないかもだけど、話の流れで佳奈子のとこはどうなの?みたいになるじゃん。ああいうのがね。」
男「ふーん。そういうもんなんだ。」
女「こうちゃんだって聞かれたりするでしょ。」
男「おれはあんまり…。」
女「こうちゃん、確かに自分のことあんま話したがらないもんね。」
男「いや、そんなことないけど。みんな興味ないだろうし。」
女「って感じが、俺に聞くな!みたいな威圧感になってるんじゃないの?」
男「えっ。そうなのかな。」
女「う〜ん。」
男「え、おれって話しづらい?」
女「いや、そんなことないけど。」
男「よかった。」
女「そんなことないけど、なんだろう。どうだろう。聞かれないの?それこそゆうくんとかから。」
男「聞かれ…どうだろ。あんまちゃんと人とサシで話し込むことってないかも。」
女「あ〜、なるほど。」
男「友達が少ない…わけじゃないけど。共通のコミュニティが映研だけだし。共通の知り合いが少ないからじゃないかな。」
女「なるほどね。」

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女「じゃあ、はい。」
男「はい。」

女「これからは、じゃあ、普通に手を繋ぎます。」
男「はい。」
女「やっぱ嫌がってる。」
男「嫌がってないよ。」
女「よかった。」
男「嫌がってないけど、嬉しいんだけど、場所は選びたいような、気が、します。」
女「それは私も、気にしています。」
男「そうだよね。」
女「もちろん。わざわざキャンパスから駅の道で手を繋ごうとはしないよ。」
男「うん、わかってる。信用してるよその辺は。」
女「ふふふ。」

女「でも、こうくんからも、手、繋いで欲しいけどな。」
男「うん。がんばる。」
女「いや、頑張らなくて、全然いいんだけど。」
男「うん、頑張らない。」
女「繋ぎたくなったら繋いでよ。」
男「そうするよ。」
女「はい。ならよし。」

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