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データで振り返る2023年ゲーム音楽演奏会

2023年に開催されたゲーム音楽演奏会でこちらが把握している公演のデータを集計してみました

■2023年ゲーム音楽演奏会情報まとめ
https://note.com/gmfp2018/n/nfac39d0ead68

■抽出データ
・演奏会総数
・中止or延期数or非公開公演数
・オンライン配信数
・ドラゴンクエストコンサート数
・プロアマ比率(プロ/アマ)
・単一/シリーズ/オムニバス比率(t:単一/s:シリーズ/o:オムニバス)
・地方区分(北海道、東北、関東、中部、近畿、中国、四国、九州沖縄、オンラインのみ)
・演奏形態(オケ、吹奏楽、その他):

※データの説明と注意点
・ゲーム音楽以外の演目が同時公演される演奏会もありますが、約半数以上の楽曲がゲーム音楽の場合のみゲーム音楽演奏会とみなして集計します
・「単一」と「シリーズ」と「オムニバス」について
単一は1つのゲームタイトルの曲のみを取り上げる公演です(例:交響組曲ドラゴンクエスト3そして伝説へ・・・)
シリーズは1つのゲームシリーズの曲のみを取り上げる公演です(例:狩猟音楽祭、テイルズコンサート)
オムニバスは2つ以上のゲームシリーズを演奏する公演です
・演奏会によってはプロ、アマが同時にステージに乗っている場合がありますが、どちらが主体か?と有料公演か?を基準に決めています
・今年からは競合関連のデータは対象外とします(オンライン配信やアーカイブ配信が増えたので競合が少なくなっている)
・地方区分は、ゲーム音楽演奏会が地域によってどのくらい偏って開催されているかの指標です
・演奏形態は、ゲーム音楽演奏会がどのような形態で演奏される機会が多いのかを示す指標です(オケ・吹奏楽を主体にデータ化しているのでその2つに偏ります)
なお、吹奏楽とウィンドアンサンブルは厳密には異なる演奏形態ではありますが、吹奏楽としてカウントしています

■月間データ(抽出データの順に並べてあります)
・01月(13, 1, 2, 2, 9/4, t 2/s4/o7, 0/0/ 9/1/3/0/0/0/0, 6/6/1 )
・02月(10, 0, 3, 2, 7/3, t 2/s7/o1, 0/0/ 5/0/4/0/0/1/0, 2/5/3 )
・03月(16, 0, 2, 4, 14/2, t 3/s7/o6, 0/1/14/1/0/0/0/0/0, 5/6/5 )
・04月(10, 0, 4, 4, 8/2, t 3/s4/o3, 0/1/ 6/0/2/0/0/0/1, 5/4/1 )
・05月(11, 0, 0, 1, 8/3, t 3/s4/o4, 0/1/ 8/2/0/0/0/0/0, 4/3/4 )
・06月( 9, 0, 2, 4, 6/3, t 6/s0/o3, 0/0/ 4/3/2/1/0/0/0, 6/3/0 )
・07月( 7, 0, 0, 1, 3/4, t 2/s4/o1, 1/0/ 3/1/2/0/0/0/0, 6/1/0 )
・08月(14, 0, 3, 4, 9/5, t 6/s5/o3, 0/0/ 9/2/0/2/0/1/0, 9/3/2 )
・09月(17, 0, 0, 6, 14/3, t12/s4/o1, 0/2/ 5/2/6/1/0/1/0, 10/2/5 )
・10月(17, 0, 0, 0, 13/4, t 7/s4/o6, 1/1/10/3/1/0/0/1/0, 7/2/8 )
・11月(13, 0, 0, 2, 11/2, t 8/s3/o2, 0/0/ 9/1/2/0/0/1/0, 10/1/2 )
・12月(17, 0, 2, 4, 12/5, t 9/s4/o4, 0/0/13/1/2/0/0/0/1, 10/4/3 )

■年間データ(中止・延期公演はデータに含めず)
・総公演数:154
・中止or延期数or非公開公演数:1
・実施公演数:153
・オンライン配信公演数:18
・ドラゴンクエストコンサート公演数:34
・プロ公演数:114
・アマ公演数:40
・単一タイトル公演数:63
・シリーズタイトル公演数:50
・オムニバス公演数:41
・地方区分(北海道、東北、関東、中部、近畿、中国、四国、九州沖縄、オンラインのみ):2/6/95/17/24/4/0/5/2
・演奏形態(オケ、吹奏楽、その他):80/40/34

■データ見てて思った事
・総公演数が154となっており、昨年を上回っています。
2022年:134公演
2021年:95公演
2020年:130公演
2019年:182公演
各アマチュア団体の活動復帰に加えて、プロ公演の数も回復してきており公演の実施数が増加傾向になる為と考えられます。全盛期は180公演以上開催されていた為、まだその領域にまでは回復していないという印象です

・中止or延期となった演奏会は1公演のみで、ほとんどの公演が実施されています。社会情勢変化前と同じ基準となっており、そろそろこの項目も不要かと考えていた矢先に2024年のいくつかの公演に中止が相次ぎ、引き続き推移を見守ろうと思います

・オンライン配信に対応した公演数は18公演でした
2022年:32公演
2021年:20公演
2020年:13公演
オンライン配信への対応状況は少なくなっています
全体比率を近年と比較すると、以下のようになります
2023年:11.7%
2022年:24.2%
2021年:26.3%
近年増加傾向にあったオンライン配信への対応比率が下がっています。昨年の考察でオンライン配信への対応状況は増加傾向であり、上限は3割くらいになるかもと予想していましたが、結果としてオンラインへの対応状況は少なくなっています。オンラインに対応するとチケットの売り上げへの影響や、対応コストが増加するという事に加え、公式でない演奏会は権利上の問題など、様々な要因が絡んだ結果なのかもしれません。リモートワークを取りやめる企業が増えているのと似た印象を受けます。

・ドラクエコンサートの公演数は34と昨年と同じくらいの公演数ですね
2022年:33公演
2021年:20公演
2020年:21公演
比率に直すと22.2%と、例年の25%を少し下回りますが、他の演奏会の開催機会が増えた為です。中々新作の情報が出てこないですが、引き続きドラクエコンサートが開催され続ける事を願います

・プロ公演とアマチュア公演の比率は73.8%と26.2%。この比率も昨年とほぼ変わりなしで、プロ3:アマ1の状態です。

・単一タイトル、シリーズタイトル、オムニバスの公演比率について
このデータは、どのような趣旨の演奏会が開催されているかの傾向を探る為に取っているデータです
2023年:41.0%、32.4%、26.6%
2022年:35.7%、38.6%、25.7%
2021年:39.4%、32.8%、26.3%
2020年:39.1%、42.0%、18.9%
昨年のデータは単一タイトルの演奏会が減少、シリーズタイトルの演奏会が増加となりましたが、今年は逆になり以前のデータに戻った感じがします。
単一タイトル、シリーズタイトルの演奏会はプロ公演と、アマオケの単発オケに集中しており、有料のオムニバス公演は少なく、プロ公演は目的意識と集客に重点を置いている事が伺えます。恐らくこの傾向もしばらくは変化しないと思われます。

・演奏会開催地方区分について
全国8区分(北海道、東北、関東、中部、近畿、中国、四国、九州沖縄)で、オフラインの演奏会がどこで開催されたのかを集計しています
開催数の多い順にソートすると以下の通りです
1.関東:95(62.1%)
2.近畿:24(15.7%)
3.中部:17(11.1%)
4.東北:6(3.9%)
5.九州沖縄:5(3.3%)
6.中国:4(2.6%)
7.北海道:2(1.3%)
8.四国:0(0.0%)
トップ3の、関東、近畿、中部の順位と演奏会開催比率は昨年とあまり変化はありませんでした。その他の地域の公演に少し変動がありましたが、そもそも開催数が少ないので増加傾向とも減少傾向とも言えない状態です。2022年はオンライン配信の増加により関東以外でも視聴しやすくなったと考察しましたが、23年は減少傾向となった為、再び関東への集中に傾いたと言えます。

・演奏形態に関して
私が演奏会データを取っているのはオケと吹奏楽がメインなのでその2分野に偏りますが、それ以外にも公式が提供する演奏会に関してはデータを注視しています。
開催数の多い順にソートすると以下の通りです
1.オーケストラ:80(51.9%)
2.吹奏楽:40(26.0%) ※ウィンドアンサンブル含む
3.その他:34(22.1%) ※バンド形式・アンサンブル・その他和楽器やマンドリンオーケストラ等
全体の半数以上がオーケストラ公演となっているのは昨年と変わらずです。
オケと吹奏楽だけに注目すると昨年は120公演となります。この2分野だけだと66.6%がオケ公演となり、吹奏楽よりオケの公演の企画が多いです。アマチュアの公演は吹奏楽もそれなりにありますが、やはりプロの公演はオケの方が多いです。その他に分類しているバンドの公演が増加したのは公式が提供するライブ公演が増加している傾向です。


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