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esports専門会社が考えるルール設計の意思と意図の重要性

自己紹介

はじめまして。ウェルプレイド株式会社代表取締役/COOの髙尾です。
弊社をご存知の方は、「あれ、代表ってヒゲのおじさん(谷田)じゃないの?」という方がほとんどだと思いますが、弊社は共同代表制を敷いておりまして、どちらも代表で正解です。
谷田はウェルプレイドの経営側を担当しており、僕はより事業側(esportsの企画・制作側)の担当といった感じです。

というわけで、改めて自己紹介をさせていただきます。髙尾です。
プレイヤーネームは「おっぽれ」で、ほとんど全てのゲームで使用しています。この語源は、学生時代に何回も何回も読んだ漫画「魔法陣グルグル」に出てくる「地の王」の名前を拝借しています。
好きなゲームは「ストリートファイター」シリーズで、かれこれ20年近くガイルというキャラを使い続けています。4年前にEVOという格闘ゲームの大会に出場するためにラスベガスに行ったのですが、途中のトランジットで女の子をナンパしてその方が今の奥さん、というスベらない話を持っています。

そのEVOに今年も行ってきました

EVOとは「The Evolution Championship Series」の略称で、格闘ゲーム好きが世界中から集まるお祭りのような大会です。年に一度、夏にラスベガスで行われます。コミュニティ発のゲーム大会で、年々その規模は拡大しており、1つのタイトルの大会参加者だけで数千人を超えるモンスター級の大会となっています。
格闘ゲームの大会は、EVOに限らず世界各地で行われているのですが、EVOはその中でも格段に熱量が高く、プレイヤー・観客・運営、全ての視点で学ぶべきことが多いんです。今年はウェルプレイドのほぼ全ての社員がEVOに参加し、プロプレイヤーへの渡航費サポートなども行いました(この辺の話は、次回のブログで谷田がしてくれるかもしれません)。

esportsを企画するとはどういうことか?

いきなり大それたタイトルで恐縮なのですが、今回の本題に入りたいと思います。

さて、ここでいうesportsとは、1つの決まったものではなく、ゲームタイトルの数だけ別々のものが存在しています。つまり、ひと口にesportsと言っても、ユーザーが「どんな大会なら参加したいのか」「どんなイベントなら盛り上がるのか」は、ゲームタイトルごとに違ってくるという意味です。
当たり前のことのように聞こえるかもしれませんが、ここにこそesportsを企画する上で圧倒的な違いが生まれ、ウェルプレイドの強みを活かせる部分でもあると確信しています。

では、ウェルプレイドの強みとは何か? それは、対象となるタイトルを「徹底的にやり込む」ことにあります。やり込むことでユーザーの共通言語を理解し、コミュニティを知り、ゲーム内でのやりがいや不足している点などを言語化していきます。
そして、それらを繋ぎ合わせて、そのゲームをより良い方向に導くためにゲームの外側に仕掛けをつくります。その仕掛けは、全員参加可能のオープン大会であったり、観戦を楽しむエキシビションマッチであったりと多種多様です。
また、賞金を出してプロプレイヤーという存在を生み出していったほうが盛り上がるのか、あえてプロを作らず和やかなゲームの世界観を守るのかなど、企画を作る上でどの方向に舵を切るかの選択肢は無限大です。

これらを考える上で、「ゲームをやり込む」ということがいかに重要かは、火を見るよりも明らかかと思います。にわかは淘汰されるのです。

意思なきルールは罪

野球、サッカー、バスケットボールなど、全てのスポーツにはルールが存在します。ルールがあるからこそ、スポーツであるともいえましょう。これをゲームに置き換えると、ゲームタイトル一つ一つが野球やサッカーのような別々の競技となります。

さて、「ルールの設計方法」についてですが、前提として、すべてのルールには必ず「意図や意思」があると考えています。僕としてはこれを言い換えて、「意思なきルールは罪」なんて言い方もしています。それほどルールというものに「意図」は重要なもので、ルールの設計に慣れてくると、ルールを見るだけでその意図がわかるようになってきます。

ルール設計は身近ないたるところに存在しているのですが、ここでは例として甲子園を挙げようと思います。
甲子園といえば、「感動」「涙」といったキーワードがすぐに浮かんでくるほどドラマが生まれやすいコンテンツです。これは甲子園だから「感動」するというよりは、甲子園のルールにその仕掛けがあります。具体的には、以下のようなことです。
・高校生のみ出場できる
 →何度もチャレンジできない
・1年に1回の開催(夏の甲子園に限定)
 →すぐにリベンジできない
・負けたらそこで終了の一発勝負
 →負けられない気持ちのぶつかり合い
・真夏の日中に野外で行われる
 →過酷な環境で奮闘する姿、体調管理の難しさからくる波乱

ここでの例示は、「感動」に直結しやすいルールに絞って挙げてみました。当たり前のことを言っているかもしれませんが、本当に甲子園には感動するための要素がギュウギュウに詰まっています。

このように野球というスポーツを、甲子園というルール設計で包むことで、本来の価値を何十倍、何百倍にすることに成功しているのです。
僕たちは、ゲームの世界においても、このような外側のルールを設計することでゲームの価値を高め、「ゲームを続ける理由をゲームの外に作る」ことを実現しようとしています。つまり、野球であればプロ野球、サッカーであればJリーグのような形です。

と、あまり1回のブログでたくさん書くと、次が続かなくなってしまうので今回はこのあたりで筆を置きます(笑)。

次回は実際にゲーム(esports)の場合の具体的なお話ができればいいかなと思っています。それでは、また!

※すぐに話しが聞きたい!! という方は、TwitterFacebookなどで直接、髙尾までご連絡ください!(笑)

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