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イベントレポートNo.7「“こうありたい”を実現できる自分へ ~周囲から応援される自分になるために~ 」梶原圭三さん(19年5月全体会)

 5月11日(土)、ふくおか食べる通信の梶原圭三さんをお迎えして、グロービス変革クラブ5月全体会を開催しました。
 通常は東京校がメイン会場となりますが、今回はオンライン会場限定!開催日時も土曜21時に設定し、普段は仕事先からの移動中や子どもの面倒を見ながら慌ただしく参加されている方々にもゆったりと参加していただくことができました。

 さて、今回のご登壇者 梶原さんは、グロービス名古屋校の卒業生でもあります。大手メーカーで会社員としてのキャリアを積みながらグロービスに通い、卒業後に故郷福岡で起業して「ふくおか食べる通信」を創刊されました。そんな梶原さんならではの変革ストーリーを余すことなく伺うため、講演は2部構成とし、前半は会社員時代に邁進したミドルポジションでの組織変革、後半は起業への思いや「ふくおか食べる通信」を通じた農業と地域社会の変革についてお話いただきました。


変革の生みの苦しみ、そして挫折

「これからお話するのは華々しい変革の成功事例ではありません。ぼくの変革は失敗事例です。」

 お話の冒頭、真剣なまなざしでそう語った梶原さん。事業構造改革のために鳴り物入りで中途入社した梶原さんを待っていたのは、会社の深刻な状況とは裏腹に周囲の冷めた視線でした。そんな空気の中、ミドルというポジションで変革を成し遂げるために梶原さんが採った戦略は、

・スモールヒットを多く打って結果を出す
・敵を作らない
・馴れ合いにならない
・直属の上司に頻繁に報告

ということでした。その甲斐あって、マイナス状態をゼロに戻す「改革」はうまくいきました。ところが、そこから新たなゴールに向かってイチを生み出す「変革」は長く苦しい道のりだったと言います。
 変革フェーズでは誰も動いてくれず四面楚歌となり、プロジェクトを一時棚上げする事態に。精神的に追い詰められながらも、変革を成し遂げるために、自分の主張を抑えて相手に共感しながら聞くことに集中することにしました。そうすることで相手が言い訳をする事態を避け、何が本質的な課題なのかを把握するように努めたのです。すると、これまで動かなかった山が動き出し、ついにはプロジェクトを成功に導くことができました。


変わったのは自分自身

「この変革で何が変わったか?」という問いに、梶原さんは「自分自身」と答えてくださいました。入社当時、大きな変革を成し遂げることに使命感を持っていたものの、はじめのうちは自分が主役になっていたと振り返ります。後半は周囲を動かすために黒子に徹したと話す梶原さんからは、なりふりかまわず利他の精神で課題に向き合っていく強いリーダー像を見た気がしました。


都市と地方をかき混ぜる

 以前より農業の作り手が減っていく現状に課題感を持っていた梶原さんは、50歳で故郷福岡に戻り、「ふくおか食べる通信」を創刊します。ここで梶原さんが実現したいことは、生産者と消費者を繋ぐこと、都市と地方を繋ぐこと、そして、人と人を繋ぐこと…。その志実現のための新たなチャレンジが始まりました。


人は巻き込むよりも“頼る”ほうが謙虚で人間らしい

 ところが、創刊号の購読者が思うように集まらず危機的なスタートを迎えることに。梶原さんはその状況をさらけ出し、周囲に助けを求めました。簡単そうに見えて、なかなかできることではありません。歳を重ね、キャリアを積んでいけばいくほど、私たちはカッコつけたり、強がったりしてしまいがちです。でも、梶原さんは、前職での変革で行き詰まった際に自分の弱さや醜さと向き合えるようになったことが大きく影響していると言い、まったく異なるフィールドでありながら前職での経験が確実に繋がっていることを実感したそうです。
 「できないことはできないと素直に人に頼る」「Give&Give&Give&Give」「金儲けより人儲け」とおっしゃるその言葉の通り、常に自分と向き合い、本質的な課題を捉え、そして何より人を大事にしてきた梶原さん。だからこそ、結果的に周囲を巻き込み、地方と都市を繋ぐ新たな変革を推し進めることができるのだと思いました。そして、この点に共感された参加者が非常に多かったのが印象的でした。

では、ここで、参加者の感想の一部をご紹介します!

● 自社も組織強化の途上なので、リーダーシップの在り方等参考になりました!周りを信じて頼ることを意識していきたいと思います。
● 巻き込むよりも頼る方が謙虚。とても共感しました。明日から実践します!
● 自分は誰のために何がやりたいのか、引き続き考え続けます。
● 信用・信頼、素直さの重要性。Give、Give、Giveでの人脈作り。自分との闘い。志を磨きます。
●  まずは自身の態度を省みる。誰に協力を仰ぐべきか、そのために自身の態度は適切かを見直す。
● 自分を曝け出し、人に依頼するというスタンスを持ってみようと思います。
● 自分中心で物事を考えてる段階では何も解決しない!と感じました。人のために働く/動くことが、 人の心を動かすのでは?と感じました。
● 小さな成功を積み重ねていくこと、否定しないこと、頼ること、などが学びであり、すぐに取り入れていきたいアクションであると感じました。



画面越しにカンパーイ!

 講演終了後はエア懇(オンライン上で行う懇親会のこと)を行いました!リーダーに必要な利他の精神をこんなにも自然に持ち合わせている梶原さんは本当に素敵で、もっともっと時間を共有したいという思いから、夜遅い時間にもかかわらずたくさんの方々が参加してくださいました。講演中に答えきれなかったたくさんの質問にも丁寧に答えてくださり、日付が変わるまで大いに盛り上がりました!


次回は、6/14(金) にTSKプランニング立川昭吾氏をお招きし、企業再生の現場実務についてお話していただきます。お楽しみに!!

レポーター:グロービス変革クラブ幹事  百瀬由美子(2017期)


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