見出し画像

6月25日投稿。国内感染者ゼロだったニュージーランド、今やまた11名に! 何が起こったのでしょうか。

ニュージーランド南島のダニーデンから内田泉です。

前回の投稿では、6月8日にニュージーランド国内からコロナ感染患者がいなくなり、新感染者も17日間ゼロが続いていました。

コロナ警戒レベルも、レベル1という「ほとんど何もしなくて良い状態」になり、社会的距離も必要なし、集会もオッケーとなりました。

6月14日にはダニーデンで、15日にはオークランドで、コロナ後世界ではじめてのスーパーラグビーの試合があり、それぞれ2万人、4万3千人という大観衆が集まって盛り上がりました。

https://asiapacificreport.nz/2020/06/15/worlds-first-post-covid-live-rugby-draws-massive-crowds-in-nz/

世界をリードするコロナ対策のニュージーランド。そんな誇りと喜びが爆発した瞬間でもありました。

ところが、これを書いている6月25日現在、ニュージーランドでは国内感染者が11名となっています。これはどういうことでしょうか。

実は、これは全て、海外から帰国してきたニュージーランド人/永住権保持者の中から見つかった感染者なのです。

このことは、ある程度予想できました。しかし、この感染発見と同時に、政府/保健省の大きな失態も判明してしまったのです。

帰国者は、14日間、政府管理下のホテルにとどまって隔離され、2日目と12日目に2回検査を受けて、陰性ならば施設を出ていい、ということになっていました。

ところが、これまでになんと400名以上が、検査を受けずに出ていることが判明したのです。

さらに、危篤の親族に会うため、あるいは葬式のためということで、「情状酌量」によって14日を待たずに、しかも検査も受けずに施設を出た人が50名に及ぶことも判明しました。

これらが分かったのは、イギリスから来て、瀕死の母親(亡くなった)に会うために、すぐに情状酌量でウェリントンに入った2名の女性が、両方ともコロナ陽性であったことが判明したことからでした。

国内の安全は、緻密な国境対策なしには保証できません。

保健省は、この陽性女性2名の発覚した後、すぐさま接触者追跡・検査を続け、1週間で4万5千件を検査。さらに、施設をすでに出た人々も追跡し、今のところ市中感染の様子はありません。そのため、ニュージーランド国内は、とりあえずまだ安全ということで、普通の生活を続けています。

しかし、政府と保健省は大きな批判を浴びることになり、特に今年9月の選挙に向かって圧倒的に強かったジャシンダ首相と労働党を、ここぞとばかりに責め立てています。

野党はこれまで「もっと早く経済対策のために国境を解放しろ(特にオーストラリアとの間では、検査や隔離なしにしろ)」と言っていたのに、手のひらを返すような責めっぷりです。私は「現政府、保健省のみなさん、これを大きな反省材料として、とにかく国境をしっかり守ってくださいね! 信頼してるから!」と思っています。

コロナ対策、トップからグラウンドレベルまで、徹底した対策を取るのは本当に大変なんだな、と改めて思います。

内田泉
自然科学を中心とした番組コーディネイター、ライター、写真家。ドイツ人の夫と高校生の娘の3人家族。ブログ(https://www.izumi.world)とTwitter(@KagiyaIzumi)でもニュージーランド現地の情報を詳しく発信中。

#コロナに負けない #世界のコロナ最新情報#グローバル女子#ニュージーランド

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?