チャーリーマフィン

ブライアン・フリーマントルの「チャーリーマフィン」シリーズは、その独特な視点と緻密な人物描写により、スパイ小説の新たな地平を切り開いた作品群と言えます。まず、主人公のチャーリーマフィンは、一見すると冴えない風貌の英国情報部員ですが、その頭脳明晰さと独自の視点は読者を魅了します。彼は窓際に追いやられながらも、自身の才覚で様々な困難を乗り越え且つ、狡猾に敵や身内の陰謀を出し抜いていきます。痛快です。先ずは、消されかけた男 によってそれを理解することができます。

また、フリーマントルの作品は、そのひねくれた、あるいは皮肉な、あるいは意地悪なものの見方が支えています。これは、彼の作品全体に通じるテーマであり、組織内や組織間の暗闘と策略を巧みに描き出しています。そのため、彼の作品は単なるスパイ小説に留まらず、人間の心理や組織の構造を深く掘り下げた作品となっています。


出版年  原書名 和書名
1977年 Charlie Muffin 消されかけた男
1978年 Clap Hands, Here Comes Charlie  再び消されかけた男
1979年 The Inscrutable Charlie Muffin 呼びだされた男
1980年 Charlie Muffin's Uncle Sam  罠にかけられた男
1981年 Madrigal for Charlie Muffin 追いつめられた男
1985年 Charlie Muffin and Russian Rose  亡命者はモスクワをめざす
1987年 Charlie Muffin San  暗殺者を愛した女
1988年 The Run Around 狙撃
1989年 Comrade Charlie
1993年 Charlie's Apprentice 報復 上・下
1996年 Charlie's Chance 流出
2000年 Dead Men Living 待たれていた男 上・下
2002年 King of Many Castles 城壁に手をかけた男
2008年 RED STAR RISING 片腕をなくした男 上・下
2009年 RED STAR Eclipse 顔をなくした男 上・下

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