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再読の日々 『近代絵画史』ドラクロワ よりピカソ まで 柳 亮著

『ムーヴマン(生動)!』

ナポレオンの宮廷画家だったダヴィッドのネオ・プラトニズを端緒として、アングル の古典主義とドラクロワ の浪漫主義、そしてクールベ のリアリズム。サロン(官営展覧会)というアカデミズムからの脱却とゴッホ、ゴーギャン、セザンヌなどが辿る絵画の本質を探る西洋近代絵画の道程を詳細に語る。

例えばクールベ のレアリズムと「草上の昼食」でサロンに衝撃を与えたマネ、外光の発見による印象派の発展と分裂、セザンヌの自然主義、フォーヴィズムやナビ派、キュービズム。

そして、ピカソとマチスが辿った「二つの帰着点」。”アングルとドラクロワ の対立のうちに前表せられていた絵画の近代精神は、今やふたたびマチスとピカソの現代的な対立によって、その歴史的発展の最終段階を劃すことになったのはいかにも興味深い。”

1969年初版 美術出版社


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