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ドラレコのQAって?

#QA #QAエンジニア #テストエンジニア

こんにちは。株式会社 Mobility Technologies プロダクトマネジメント本部 クオリティマネジメント部の山口です。
今回は私が担当している次世代AIドラレコサービス「DRIVE CHART」のQA(主にドラレコ本体側)についてピックアップしていきます。
ドラレコのQAはあまり知られていないジャンルだと思われますので、本記事で皆様に少しでも興味を持って頂けたら幸いです。

「DRIVE CHART」とは、通信型ドライブレコーダーを車に取り付けてAIが様々な危険シーンを検知して運転解析。WEB上で運転行動や映像を確認したりできる法人向けの交通事故削減支援サービスです。

※様々な機能がてんこ盛りなので、「DRIVE CHART」について詳しく知りたい方は当社HPをご覧ください。

DRIVE CHART(ドラレコ側)のテスト範囲

ドラレコといっても、SDカードなどに映像や音声を保存するだけの「非通信型ドラレコ」(第1世代)、SIMカードが入っていて通信によってサーバーと接続できる「通信型ドラレコ」(第2世代)がありますが、「DRIVE CHART」はその先をゆく第3世代「AIドラレコ」と言われています。映像をAIが分析することで様々な現象を自動的に検出することができたりするとても多機能なドラレコです。
テスト範囲は各機能に対してドラレコとサーバー間の通信を含めたものとなり、様々な観点での検証が必要になってきます。

 ドラレコのテスト範囲

※WebのQAもやっていますが、本記事ではドラレコ側のQAに注目します。

どんなことしてるの?

次は実際にドラレコでどんな検証してるのかについて説明していきます。

検証タイプ

検証タイプとしてはアプリ検証ファームウェア検証の二つのタイプがあります。

アプリ検証では新機能やアップデート箇所の機能テストリグレッションテストが中心になります。
表向きは「DRIVE CHART」として一つのアプリで動いているように見えるのですが、内部ではアプリAは「録画」、アプリBは「送信」、アプリCは「設定」といったように複数のアプリが連携して「DRIVE CHART」は構成されています。全てを含めると1,500以上のテスト項目が存在しますが、毎回全実施しているわけではありません。
アプリ毎に役割が決まっている為、実装箇所の内容に応じて必要なアプリの検証だけを効率よく行うようにしています。
もちろん、開発チームともしっかりと連携を取った上でテスト設計し、影響範囲を考慮した主要機能のリグレッションテストも実施しています。

もう一つはファームウェア検証です。
ファームウェアはドラレコ本体のメーカーから定期的にアップデートされてきますので、ファームウェアとアプリの組み合わせで正しく動作するかを更新内容に応じてリグレッションテストしています。

こんな検証してます!

ドラレコ本体の録画ボタンを押して、設定変えて、デバッグでイベント発生させて、、、といった作業を想像されるかもしれませんが、それだけではなく、ドラレコとPCを接続してコマンドプロンプト(MACならターミナル)を使用するのが基本スタイルです。

実装機能が仕様通りに動作してデータが作成されているか、サーバーへ送信されているか、サーバーからの命令を受信して処理できているか、といった「ドラレコの中身を確認する」検証が中心です。

以下、検証例1のように、運転中にドラレコの内カメラに顔を写すとドラレコ内に顔画像データが作成されてサーバーへ送信します。サーバーにデータが登録されるとドラレコ内のデータは削除されます。

指定された場所へ必要なデータが作成されているか、データの数と中身は正しいか、送信後に削除されているかはコマンド操作で確認していきます。

検証例1

他には、検証例2のようにサーバー側で指定した時間の動画取得リクエストを出した時、ドラレコ側で受信してサーバーへ動画をアップロードされること等、ドラレコの中をモニタリングしつつ、サーバー連携していることを検証しています。

検証例2

ファイル表示やログを確認することも多いので「ls」や「logcat」コマンドはよく使いますし、各種データを格納したり削除したり様々な用途でコマンド操作は必要になってきます。

実際に運転はするの?

いいえ、基本的にQAチームで車を運転することはありません。
「DRIVE CHART」はAIが映像を解析して危険運転を検知できるわけですが、流石に実際の運転で衝撃を与えたり交通違反するわけにはいかないですよね。

そういうケースはエミュレーションで動作させています。テストデータを配置してコマンドを入力すれば検知できますので、複雑な閾値の確認もこの方法で実施しています。

ドラレコのQAは難しいのか?

最初は仕様を理解するのに精一杯だったりコマンド操作などで少し戸惑うかもしれませんが、トレーニングを積んで慣れていけばできる内容です。
実際に私も含めてチームメンバー全員がドラレコQA未経験からはじめています。

もちろん、当社ではドラレコQAのトレーニングプログラムも用意していますので、検証方法の詳細やコマンド操作、ツールの使用方法まで熟練の先生(チームメンバー)が丁寧に教えてくれます。
一人前になるまで時間はかかるかもしれませんが、チーム全員でサポートしながら仕事を進めていけるのが私達QAチームの良いところでもあります。

最後に

ここまで当社でのドラレコのQAについて簡潔にご紹介したつもりですが、あまり詰め込み過ぎるのもよくないので今回はここまでとさせて頂きます。
まだまだ説明しきれていないところもありますので、詳細編として第二弾の記事も検討できればと思っています。
本記事でドラレコのQAについて少しでも興味を持ってくれたら励みにもなり嬉しいです。

最後になりますが、MoTでは私達と一緒にチャレンジしてくれる仲間を募集しています。
ご興味のある方は採用ページからご連絡くださいませ!

■株式会社Mobility Technologies 採用情報


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