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絵の上に色々やってみようの会

 せっかくアナログで絵を描くんだったらアナログでしかできないことをしたい(原画に付加価値を与えたい)……と思う欲張りさんなので、絵をキラキラさせたり立体的にするのが好きです。
 この記事はとりあえずメモ的に今までやってみたことを書き残しておこう!の回です。
 前提として、私は基本的に水彩で絵を描いています。なのであまりアクリルや油絵具には明るくありません。

 この記事を書き始めてから、なんか正直キラキラに関してはこちらのブログをどうぞ!という感じなことに気づいてしまいました。

 私の文章が好きな人はキラキラの項も飛ばさず読んでね。

キラキラさせたい

 やっぱキラキラのこと大好き!なのであらゆるキラキラを塗りたくる。

キラキラ絵具

 オーソドックスかつ取り入れやすい。が、キラキラ絵具というものは普通の絵具より粒子が荒い場合が多く、広い面積を塗るとムラになりやすいので、根気が必要。
 水彩は基本マットな仕上がり、アクリルは基本グロッシーな仕上がり。なので水彩の上にアクリルを塗る時は(逆は無理)、アクリルを塗った部分だけがツヤツヤすることを念頭に置く。それを逆手にとって濡れ感の表現に活かすのもアリ。
 以下キラキラ絵具の紹介・作例など。私が持ってるもの中心なので、全世界のキラキラを網羅しているわけではありません。

FINETEC(水彩)
 ホルベインが代理店なので割とどこでも買えるドイツのヤバい粉。お高めではあるがとにかく色数が多く、輝きは一級品。
 固形タイプのみで、オリジナル形状の黒いパンがかっこいい。が、当然専用ケース以外には納めにくい。しかし、専用ケースもかっこいいのであまり文句はない。

ターナー(水彩・アクリル)
 アクリルは和の色シリーズの玉虫カラー、通常色にもラメカラー・メタリックカラー・パールカラーがある。割とどこでも売ってる。

緑の部分が玉虫カラー

https://www.turner.co.jp/brand/acrylgouache/

https://www.turner.co.jp/brand/agj/ag-japanesque-2/

 水彩にも海外色にはキラキラカラーが結構ある。こっちは通販で買うしかない。ドットカードはAmazonや画材店で常時入手可能。

ホルベイン(アクリル・顔料・水彩用メディウム)
 アクリル絵具のイリデッセンスシリーズが良すぎるキラキラ偏光カラー。クロマパールとクロマシャインのネーミングめっちゃ逆だと思ってた。私はクロマパールだけ持ってる。ホルベインなので割とどこでも売ってる。
 既製品で手に入るのはアクリル。でも粉(顔料)の状態でも売っているので、アラビアゴムペーストを混ぜて気合で水彩も作れる。

 お手持ちの水彩絵具に混ぜてオンリーワンキラキラを生成したり、単体で塗ることもできる水彩用メディウム、イリデッセントメディウム。混ぜる量によってキラキラ度合をコントロール可能。パール系で割と細かいキラキラ。私は持っていないので使用感は書けない。後述するクサカベにも似た商品があります。ウィンザー&ニュートン(以下W&N)にもあります。お好みで。

SUPER VISION(水彩)
 分離色で有名なスパビ。なのでキラキラの分離色がなんと40色ある。規模がおかしい。
 中国メーカーなので通販で買うしかない。しかもセット売りしかない。変なにおいする。でも塗ったらかわいいので気になったら買うといいと思います。私は全然活用できていません。が、キラキラカラーを塗るとムラになるのを逆に分離色として活かそうという発想は天才過ぎて敬服。

キラキラの部分全部スパビ

 Amazonのリンク貼って終わらせたかったんですが、なぜか花火のみ商品がないので別で貼っておきます。↑がたしか日本での正規代理店です。

ピクシーパウダー&ピクシースパークルズ(水彩)
 あんまり実店舗で見かけないので通販のほうが確実かも。
 キラキラ絵具はムラになりやすいって書いたんですけど、これはムラになりません。すごいんだが? いや正確にはムラにならないというより、筆跡が出ない。これは粉ならではかも。
 ただ粉の状態でしか売ってない(まぁ商品名がパウダーだし)ので、こぼすと結構悲惨。水で溶いて塗るか、粉を出した上に水をスプレーして使う。

青緑の部分がピクシーどっちか。筆で塗り広げてる。

クサカベ(水彩・水彩用メディウム)
 固形タイプのシャインパールシリーズ。小粒ラメなのにしっかり輝く。これもあんまりムラにならない印象だが私はクリスタルしか持ってないので他の色は知らん。見てたら欲しくなってきた……。水彩では珍しい蓄光カラーも多数ある。
 割とどこでも売ってると言いたいが、ホルベインほどどこにでもはないかも?

 上述のホルベインとW&Nにも似た商品があるんですが、クサカベにも混ぜるだけでキラキラにできるキラキラの素たるメディウムがあります。しかもゴールドとシルバーの2色展開。たしかにシルバーに黄色を混ぜてもゴールドにはならなさそうだし、いろいろなニュアンスのゴールドをフレキシブルに作りたい人におすすめ
 粒は大きめというか、なんか不定形でシェル感がある。私は好き。そのまま塗るには結構粘っこく、絶対に固めないほうがいい。都度ボトルから出して使いましょう。

これはシルバーメディウムを直塗り

呉竹 顔彩耽美(顔彩)
 要は固形タイプで水で溶かして塗るやつです。水彩と同じイメージで使えます。割とどこにでも売ってる。
 6色セット販売のみのスターリーカラーズ・ジェムカラーズ・パールカラーズ・オパールカラーズがキラキラ。
 スターリーカラーズは金5色に銀1色のセットなので、持ってると何かと使える。いろいろなニュアンスの金が欲しいけど混ぜて作るのはめんどくせえや!という私のようなズボラさんに大変おすすめ
 昔はパレット宝石箱っていう12色セットのメタリックカラー顔彩があったんだけど、今は売ってないのかも。

ダニエルスミス
 高級絵具。憧れの先輩くらい高嶺の花。私はダニエルスミスは分離色数本しか持ってないのでキラキラについては何も知らないのですが、石をダイレクトに砕いて絵具にしましたというロマンある色がいくつかある、らしい。
 大きめの画材屋でしか置いてない。ドットカードあり。

Paul Rubens(水彩・水彩紙)
 シンプルなメタリックカラー。色を混ぜるんじゃねえ!という方におすすめ。私は持っていないので何も書けなくてすみません。

 絵具ではないんですが、そういうアプローチをとってるメーカーを他に知らないのでここに書いておきます。なんとキラキラの水彩紙です。
 私は持っていないので使用感は書けませんが、ポールルーベンスの普通の水彩紙はにじみが綺麗に出て好きです。丸い紙なんかもあります。面白いもの作ってるメーカー。

メディウム+ラメ(水彩・アクリル)
 いっそのこと自分で作っちゃわないか?キラキラ絵具をよ……。

 絵具とは顔料(色)とバインダー(接着剤)を混ぜ合わせたものなので、バインダーを用意して顔料をラメと読み替えれば、いくらでも絵具が作れちゃうってわけよ。でもラメは粒子が大きい分、水で濡らしても浸透していきにくい=溶けにくいので、基本的には都度作って使い切りがいいかと思われる。
 水彩絵具を生成するにはこちら。アラビアゴムメディウムだ。似た名前で似たような説明でウォーターカラーメディウムというのがあるので、買うときは注意。

 アラビアゴムペーストというのも同じ用途で使えるらしい。たくさんは要らないよ~という方はこっちがいいかも。

 アクリルで作るなら各種メディウムの中で乾くと透明になるもの(ジェルという名前がついている場合が多い)、お好きなものを使えばいいと思う。硬さや仕上がりも様々。ただホワイトオペークフレークやグラスビーズは既に混ぜ物がしてあるので、ラメ混ぜ用途には避けたほうが無難。
 リキテックスのページを貼っておくが、ホルベインやターナー、ペベオなどからも出ている。私は画材店においてあるメディウム塗り比べ見本が大好きである。あれほしい(作れよ)。

何に混ぜたか思い出せないが、アクリル系メディウムではある……はず……違ったかな……わからん……

マニキュア
 絵具ではないのだが、ラメ入りマニキュアを塗っちゃうのもそれはそれで手軽でアリ。ただ、かなりもっちゃりしているので細かく塗るのは至難の業。アクリル同様、塗った部分がツヤツヤします。

多色ラメが一個あると便利よね

キラキラペン
 絵具ではないのだが(2)、手軽にキラキラを取り入れたい場合に便利。細い線も描けるし。長いこと使わないでいるとラメが詰まって書けなくなるので、定期的に使いましょう。もったいながらずに……。

髪と帽子の輪郭部分がペン

カラーインク
 絵具ではないのだが(3)、液体のラメは実は非常に塗りやすい。つけペンにも使えるから細い線も引きやすい。

箔押し

 やっぱ面で輝かせたいよなぁ!という場合に視野に入ってくるのが箔押し。箔押しとは厳密には熱と圧力で箔を転写するホットスタンプのことをいうんだろうけど、近年では家庭でも手軽に使えるトナー転写タイプや、グルー転写タイプなどもある。それぞれ使い方が違うので、購入の際は注意。

THE 箔押し
 ホットスタンプのこと言いたかったのでTHE箔押しと書きました。家庭用箔押し機なるものもある(デザインごとに版の作成が必須)。
 版を作らなくてよいものとしては、カッティングプロッターの機能の一部としてホットスタンプできるものがある。現時点で観測できているのはシルエットカメオ5・シルエットポートレート4・シルエットキュリオ2。私はシルエットポートレート4が欲しい。絶賛ほしい。
 このタイプのいいところは同じデザインを何度も使える=量産ができるということと、箔の種類が圧倒的に多いということ。
 量産には不向きだが、手書きでホットスタンプができるホットペン(ヒートペン)というものもある。それハンダゴテじゃね?と思ったら温度が高過ぎて箔が溶けるらしい。そらそうか、金属を溶かすためのコテだもんな……。

トナー転写箔
 スタンピングリーフっていう商品名はこのタイプな気がする。
 上記のホットスタンプとは違い、版の代わりにレーザープリンターを用意する必要がある。まぁこれも印刷した分だけ量産できる。
 レーザープリンターで図案を印刷した紙に箔を重ねて熱を加えると、デザインを印刷したトナーが接着剤代わりとなって、箔が転写される。正直よくわかってない。だってレーザープリンターを用意するハードルがめちゃくちゃ高いから。コンビニにあるやろ言われても……コンビニのコピー用紙に箔押ししたいかっていうとしたくないし……。

圧力転写箔
 適切な名称がよくわからないが、カーボン紙のように圧力をかけた部分だけが転写される箔。煌葉とかがこのタイプ。ボールペンで箔の上から図柄を描いたり、両面テープで面に転写することもできる。あんまり種類がない。
 ただカーボン紙を使ったことがある人には伝わるだろうけど、傷がつきやすかったり、思ってもないところに転写される場合がある。
 Cricutで使えるのはおそらくこのタイプ。あんまり情報が無くてわからない。
 このタイプはカッティングプロッターを使わない場合は手書きするしかないので量産には不向き。

グルー転写箔
 ウチハクとかがこれ。たぶんこのタイプには箔裏に接着剤がついてないんだと思う。たぶんだけど。いやテキトー言ってたらすみません。
 このタイプはペンタイプののりや、両面テープで図案を作り、そこに箔を貼って剥がすと転写できるタイプ。一番お手軽だし、圧力転写箔に比べて「思ってもないとこに転写されてる!」という悲劇は少ない(知らんうちにノリが飛んでた場合を除く)。
 スキャンカットで使えるのはこのタイプ。
 グルーを印刷できるプリンター(そんなの持ってたらもう業者だが)があれば量産可能。
 スクリーン印刷ができる環境があればそちらでも量産可能+布にも箔押し可能。ただスクリーン印刷の場合は熱を加えないといけない模様。

グルーガン+ホイルフレーク
 手軽に立体的なキラキラを描きたいな……と思った際にどっかで見た。グルーを出したらすぐに箔をのせないとくっつかないので時間との闘い。なので普通のペラの箔よりフレーク状のものがおすすめ。貼れてない部分があってもデザインと言い切れるから。

狙ってると言い張れば誤魔化せそう

 グルーガンで直線を引くのはいいが、曲線はかなりコツがいるので我こそはというグルーガン猛者は頑張ってほしい。あと糸引きがすごい。でもこれマスターしたら絶対楽しい。

グルー+ホイルフレーク
 上述のグルーガンをグルーに置き換えたバージョン。立体感はないが、作業性ははるかに勝る。ただノリを塗ったのに箔がついてない部分があるとそこずっとベタベタなので注意。

あみあみの部分がホイルフレーク

立体感

 アナログならではといえばやはり立体感。質量で殴ろう。盛り上げメディウム系はアクリル用が主だが、水彩の上からでも使える(ツヤは出る)。水彩用の盛り上げメディウムも少ないがあるにはある。

クサカベ(水彩用)
 ウォーターカラージェル盛り上げ、といういかにもなネーミングのやつ。私は持っていないので何も書けない。すまない。20mlなのでおためしにもよいかも。

 動画見た感じ割と黄色い。が、ウルトラマリンには負けてるので混ぜる色には影響ないかな? 下地として塗って上から水彩をかぶせることもできるらしい。透明感のある下地として、後述のパルプベースと使い分けてもいいかも。上塗した場合に色味がどうなるかは要検証。

 不透明で白地の盛り上げができるパルプベース。紙じゃないものを紙にしてしまうという恐ろしいペースト。目の細かさも3種から選べる。一回しか使ってないのであれだが、水彩紙そのものを期待して使うとちょっと拍子抜けかも。でも商品としては面白い。

Winsor&Newton(水彩用)
 アクアパスト。大容量。ただしま~じで全然情報がない。水彩画を盛り上げたい人は案外少ないのかもしれない。全然情報がないならお前が充実させるんだよという感じなので、今度いろいろやってみるよ……。
 とりあえず初めて使ってみた記事はこちら↓。

割とマットな仕上がり

 クサカベのウォーターカラージェルに比べて(あくまで動画見ての印象)、不透明感が強く、粒子っぽい。絵具を混ぜると粒子感はなくなるんだけど、透明感が欲しい場合はクサカベのほうがいいかも。

 アクアパストの他にも、盛り上げとはちょっと違うがテクスチャーメディウムというのがある。要は砂。まぁそれは言い過ぎだが、ざらざらした質感をつけることができる。盛り上げと組み合わせたら自然を描くのにいいんじゃないんだろうか。

グルーガン(熱で溶けない下地なら何でも)
 痩せないという意味では最強なのではないのだろうか。水分を含むメディウムはどうしても乾燥すると嵩が減ってしまうが、熱で溶かし冷めて固まるホットメルトなら、固まっても体積は変わらない(厳密にどうかは知らない)ってわけ。
 しかも水分を含まないので、下の絵が溶けたりすることもない。これはかなり利点。まぁ溶けるのを活かして水表現をしてもいいのですが。
 ただかなり時間勝負なうえ、面塗りには向かない。点を打つのも難しい。直線か、緩やかなカーブ向き。
 接着用の半透明グルーの他、結構いろいろな色があるので直線を盛り上げまくりたい人にはおすすめ。

羽(羽ですが?)の部分がグルーガン

アクリル用メディウム(水彩・アクリル用)
 
キラキラ絵具の項でも書いたが、もとは盛り上げ用途のモノ。こちらで本領発揮していただきましょう。
 不透明な下地のモデリングペースト、透明な上地のジェルメディウム、混ぜ物がしてあるグラスビーズ等は主にパレットナイフなどで塗る。
 ストリングメディウムはゆるいグルーガンみたいな使い心地で、曲線も滑らかに引けるし点も打ちやすい。多少嵩が減ってもいいなら断然こっちのほうが使いでがあるだろう……。

 ジェルメディウムで盛り上げたあと上に紙を重ねておいたらバッチリくっついて取れなくなってしまった(↓写真左)ので保管の際は注意。これニス塗ったんだっけ……?

悲劇

 ↓の黄色い部分はパルプベース+水彩で着彩+ホワイトオペークフレーク+グラスビーズ。

盛りまくった作例

↓の花びらはブレンデッドファイバー、葉っぱはホワイトオペークフレーク、ピンクの部分はストリングジェルメディウムにアクリジョンを混ぜたもの。ラメは混ぜずに、乾く前に振りかけてる。

これもある意味盛りまくった作例

ペベオ(水彩・アクリル用)
 デコクリーム。私はOPP袋に塗るという、え?みたいなことしかしてないのですが、ちゃんと定着してくれてます。
 もしかして蓄光以外は盛り上げできないんだろうか? 蓄光しか持ってなくてすみません。メディウムって書いてあるし、盛り上げられるの蓄光だけかも……蓄光で盛り上げたい人はこちらをどうぞ。

電気を消したら骨になるハロウィン絵の仕掛けに使用。

 というわけでこんな感じでした。個人的に箔押しのところをまとめたかっただけなので私は満足です。

今後やってみること

・アクアパストの活用、いろいろ実験
・シルエットポートレート4がほしい(ただの願望)
・テクスチャーメディウムの活用
・スパビのキラキラもっと使おうと思った
・下地の盛り上げだけやって放置してるキャンバスでポーリングやってくれ

 次回の私へ期待!

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