見出し画像

『晩媚と影∼紅きロマンス∼』

『晩媚と影∼紅きロマンス∼』
原題:媚者無疆〈2018年〉

制作費が足りず、予定より話数は少なくなるし、途中で墨絵調の説明シーンが入っていたりと、華ドラとしては少々異色と言われる作品。
でも、この墨絵が案外にいい味出していたように思う。

主役の晩媚を演じる李一桐(リー·イートン)、とにかく可愛らしい。相手役の長安を演じるのは、屈楚蕭(チュー·チューシアオ)、ちょっとこう、特徴的なお顔だ。充分にイケメンさんではあるけど。


ただ、私が大変気に入ったのは、若様·ゴンズーである李嗣源を演じた汪鐸(ワン·ドゥオ)である。あの、もう、なんと言ったらよいのか、妖しげミステリアスな美形の若様に視線は釘付け。人物としても、演技も、とても魅力的であった。

父親に妓楼に売られてしまい、貧しい生活であるからなんの取り柄もないような晩媚が、護衛となった長安の指導と手入れで美人暗殺者にまず育てられていくが、心はまっすぐで芯の強い晩媚は、暗殺集団である姽嫿城の掟になじめない。そんな晩媚に、長安も若様も惹かれていくが、晩媚も好意を持った相手は長安。若様は、晩媚を好きではあっても、自分の大きな目的のためには晩媚をときに駒として扱ってしまうから、当然、何があっても自らを犠牲にしてまで晩媚を守る長安には、やっぱり敵わない。
晩媚と長安の、プラトニックで甘々になりすぎないやり取りも萌えるが、若様が晩媚をバックハグしたり、酔って晩媚にだけ弱さを見せてしまうところも、心が揺さぶられる。

このドラマですっかり汪鐸にハマって、ネットで汪鐸のことを調べまくったが、イケメンだし演技力もあると思うが、どうもあまり事務所の力がないところの所属らしく、次々仕事が決まる…という感じではないようだ。綾野剛が主演となり日本でも話題になったらしい中国映画「破陣子」に出演しているが、綾野剛の作品なのに、日本では公開されていないというのもまた残念だ。本国公開にすらなっていないのでは?とも聞く。若様、頑張れ。どうか良い作品に恵まれてほしい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?