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『花不棄∼運命の姫と仮面の王子∼』

『花不棄∼運命の姫と仮面の王子∼』
原題:小女花不弃〈2018年〉

 三生三世十里桃花で気になった張彬彬(チャン·ビンビン)の主演作ということで見はじめた作品。これで初めて華ドラで、ツッコミどころ満載、どうしても受け入れるのが難しい登場人物、理不尽……etcを全て経験した。


 また、華ドラは「配音」と言ってセリフは後から配音専門の声優メインに録音するため、俳優の本当の声でないことが多いこともこのドラマで知った。『小女花不弃』は多くの登場人物の声が、演じた俳優たち自身が録音した珍しいドラマなのだそうだ。
 


 主演カップルは、張彬彬が演じる陳煜という皇家の一員。主流ではないことから皇帝になる可能性は低いために監視が緩いのか、見事な武術の腕前を活かして『蓮衣客』という義侠(日本で言うところの鼠小僧)をしている、表と裏の顔をもつ人物。お相手は、林依晨(アリエル·リン)が演じる花不棄。命を狙われる生まれであるがために伯父と乞食のような生活をしていて、伯父が亡くなったことで、「本当は皇家の血をひく娘」とされて、有力者の家で暮らすことに。


最初、陳煜は父に「もう自分は長くなさそうだから、訳あって行方知らずな娘に会いたい」と言われ異母妹を嫌々探す過程で花不棄を見つけ出し、仕方がなしに相手をしていた。一方の花不棄は、陳煜とは気づかずに連衣客に恋し始めて…そうしたら、徐々に陳煜も花不棄が気になる存在となり。だが結局のところ、異母兄妹だからお互いに恋愛できない相手なのだと苦悩する。すったもんだした挙げ句、実は兄妹ではない、血のつながりはないと判明し、だがしかし花不棄は命が狙われる貴重な血筋の娘と知って…という展開。
張彬彬と林依晨は、実は林依晨のほうが10歳ほど年上。そう、役のうえでは張彬彬が兄となっており年上設定なわけだが、違和感は少ない(笑)   年の差があまり気にならないのは、本当に不思議だ。林依晨はお年の割に可愛らしさが失われていない年齢不詳な女優であり、張彬彬はもともと落ち着いて見える…実年齢より上に見られがちな俳優なので、見事に騙される。


だか、私がどうにもこうにも受け入れられなかったのは、男主2番手の東方炻。演じているのは、台湾の人気俳優らしい、林柏宏(リン·ボーホン)。東方炻は、花不棄を気に入ってグイグイ迫るのだが、嫌がることや困らせることばかりをするものだから、アナタそれじゃ相手に振り向いてもらえないし、完全に悪役じゃないか?!と。もう、嫌なヤツすぎて、仮にも男主2番手がこんな嫌なヤツってどうなのよ?と怒りがフツフツとするようなキャラであった。


また、ストーリー的にはどうにも納得いかないってことが多く…特にラストの強引さには本当にガッカリとしか言いようがない。何故に、こうも登場人物を死なせるの…?と。
とにかくもう、張彬彬のカッコ良さが救いだったかのようなドラマであった。蓮衣客モードのときのアクションがキレッキレで、花不棄とのシーンではコメディな演技も見せて、彬彬の活躍で楽しませてもらったようなものだ。

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