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『白華の姫~失われた記憶と3つの愛~』

『白華の姫~失われた記憶と3つの愛~』
原題:白发〈2018年〉

推しの羅雲煕が男主3番手。出演時間は少ないけれど、終盤、ガッツリと見せ場があり、そして迫真の演技で全てを掻っ攫っていった…

物語は、記憶を失った西啓の公主·容楽が、政略結婚で北臨に向かうのだが、結婚相手だったはずの皇子·無憂から結婚を拒否されて、結果、手柄をたてた将軍·傅筹と結婚することに。ただしその頃には、容楽が身分を偽って町中で開いていた茶楼で無憂と知り合い、お互いの素性を知らぬまま恋に落ちていた…という感じ。容楽は、嫁ぐ直前に記憶喪失になってしまった、というのがポイントだ。
女主の容楽を演じている張雪迎(チャン·シュエイン)は、とても知的な雰囲気のお綺麗な女優さん。容楽は、記憶喪失ではあるものの、聡明で情深く、人の上に立つ者の自覚をきちんと持っている女性。機転もきくし武術の心得もあるので、なかなかにアクティブなお姫様だ。


男主1番手は北臨の皇子·宗政無憂。演じる李治廷(アーリフ・リー)は、武則天で病弱の雉奴を演じていたのを見ていて、その時は武闘派に見えなかったのだが、無憂さんはアクションがスゴかった。そもそもがアクション俳優らしく、吹き替えのスタントなしで全て自分でこなしたのだという。馬上に立って弓をひいたり、剣技でも激しい立ち回りするし、アクションの見ごたえはバッチリであった。登場したときの、政治に全く興味なしの究極な女嫌いから、容楽が扮した茶楼の女主人·漫夭に恋をしはじめて、どんどんいい方向に変わっていった。すれ違いから恋人を手放し、そして国の為に動かねばならなくなってからの凛々しい皇子っぷりもなかなかであったが、何があろうと漫夭至上主義で行動するところは激しくヒーローであった。


男主2番手は北臨の将軍、傅筹。演じている経超(ジン·チャオ)は、身長185cmと存在感が大きい。本人及び周囲の色々な思惑から、急遽、西啓公主の容楽と政略結婚をしたわけだが、実は容楽に一目惚れをしたため、容楽からも愛してほしくて、まぁジタバタとします。ただ、傅筹には裏の企みがあるので、その謀のために容楽を危険に曝してしまったりするのと、冷酷な人柄を容楽には見抜かれてしまっていたので、とことん嫌われてしまう。穏やかな結婚生活シーンは、少なく、しかも離婚後の傅筹による容楽との思い出は、若干、脳内補正が入っている。昏睡する容楽の手をスリスリしたり、大きな目をキュルキュルさせてうなだれてみたり、ちょっとこう、母性本能がくすぐられてしまう報われない2番手であった。


男主3番手は西啓の皇帝、容斉。演じているのは、我が推し·羅雲煕(レオ·ロー)。1話目にガッツリ出演してからは要所要所でしか登場せず、やっと最後の数話で容斉兄上のターンになり、そして1番盛り上がるところで魅せまくった。視聴者の心を鷲掴みだ。そもそも1話目ラストで容楽を嫁がせる為の見送りのシーンでは、「いや、それは妹に対しての涙じゃないよね?!」と。その後の行動も謎だらけだし、容楽にわざと恨まれるようなことしていないか?、といった具合に、その言動が訳アリに見えて、兄上は一体容楽をどうしたいの?って思っていた。その謎が解けるのがラスト数話なのだが、ここからのストーリーは切ないし、なんと言っても、『玉座に座っているけど本当はもう亡くなっていた』なシーン。目を見開いたまま、揺さぶられようが抱きつかれようが、微動だにしないでいる、という迫真の演技にまず驚きだった。鳥肌たちました…。自らの命もかけて、愛する容楽をなんとしても守り、そして無憂さんに託すのですよ…生き方が紳士すぎる。


このドラマは、「王女未央」の制作スタッフの作品。物語の破綻がなく、次々と『伏線を張って回収』を繰り返すので、とても見やすく先が気になって…という実によくできた作品だ。プロデューサーはキャスト選びにとても苦心したそうで、結果として男主の3人それぞれがとてもはまり役だったなぁ、と思う。

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