増産投資後も需要に供給が追いつかない可能性
育ての親インテル
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1912年に設立し、岐阜県大垣市を中心に事業を展開するイビデンがICパッケージ基板メーカーとしての存在感を高めたのは、93年に共同開発を始め、96年に量産を始めた米インテルとの取引がきっかけだった。当時米国に駐在していた河島氏はインテル本社に日参し、守衛室の横で社員をつかまえてはフィードバックを聞き取ってきたという。
インテルは足元で製品の需要が落ち込み、パット・ゲルシンガー前最高経営責任者(CEO)が今月、事実上解任されるなど経営の混乱も続く。イビデンの4-9月期営業利益はAIサーバー向けの需要増で前年同期比約2割の増益となったものの、今期(2025年3月期)営業利益計画は汎用(はんよう)サーバー向けの需要減が響き、10月に下方修正した。
かつてはICパッケージ基板の売り上げにおけるインテル向けの比率は7-8割だったが、24年3月期には約3割まで低下した。河島氏はインテル以外の顧客を拡大する必要性がある一方で、「インテルに育ててもらった。そういう意味ではインテルを大切にしていきたいし、本当に重要なお客さんであることはずっと変わらない」と力を込める。