どうして妄想した物語を形にせずにいられないのか


imiさん初めまして。 作品の持つ優しくて奥深い世界観が大好きで、Twitterやpixivをフォローしている者です。 つい最近imiさん のnoteの存在を知り、記事を一つ一つ興味深く読みました。特に「Twitterを見ない方法」については、 > 案外人間って繋がりすぎてるとダメなのかも…ってのが私の所感です。 > 静かにしていたいな…って「動機」から世界から離れていたいなって思ってます。 という文で、心の中で何度も首を縦に振りました。 この時点で私はimiさんに勝手にシンパシーを感じていたのですが、後に続いた文章でまたも勝手に衝撃を受けてしまいました…… >ある特定の人を振り向かせる…ってめちゃめちゃ苦しい闘いなんですよ > 人は感情を揺り動かされたくないと思っているので… の部分です。 衝撃と言っても、どういうこと!?という新鮮な驚きという意味です。念のため…… まず私は語彙力も発信力もない、馬力もなければ筆も遅い、界隈の流れからは置いていかれてる字書きです。 とある新興CPの一作目をあげたときは反応をいただけたこともあったのですが、その後納得いく作品ができず、界隈で流行っている解釈にものれないまま知らない間にお気に入り同士でグループができて孤立した感じです。 CPのタグ検索する人も減ったような気がします。色々な作品にふぁぼりつして界隈を盛り上げていた人が途端に大人しくなって、お気に入りの人にだけ長文感想を送るようになったので。 雑食です。飢えてるので何でもくださいと言っている人の目にもとまってません。 私は人に期待されないこと、それだけの努力ができないこと、コンテンツになれないこと、忘れられること、誰?と思われることがとても悔しくて恐ろしいです。 他人のためじゃなく、自分のために創作をしろ、というメッセージはよく見るのですが、imiさんの考え方は新鮮すぎました。(批判じゃないです、本当に…) けれど人が感情を揺り動かされたくない生き物なら、世の中の娯楽や創作はなんのためにあるんだろう?と考えてしまいました。 imiさんが創作を公開する理由はなんでしょうか。どこかでお話しされてたらすみません。 過去のnoteを読んで純粋に驚きと疑問が湧いたので送らせていただきました。お忙しい毎日と存じますが、どうぞご自愛ください。


Twitterそしてpixivから作品を閲覧してくださりありがとうございます!
うれしいです!

たまに腰を据えて回答したいなと思う質問やお悩みを頂くのでnoteを通して回答しています。
もしかすると後から私の書いた記事に辿りついて悩みを少しだけ和らげる人がいるかもしれないなぁと思いそのまま文章を残しながら細々と続けております。

さて今回は「人は変わりたくない生き物だと分かりながらどうして物語を描くのでしょうか」という問いです。

実は二次創作を通してではありますが以前「人間はなぜ嘘だと分かりながら物語を楽しむのか」について向き合って描いたことがありました。個人的にはいつも漫画を描く時自分に問わずにいられないテーマでもあります。
このテーマに答えを出さずして何か漫画を描く…という事は私にはできないかもしれません。

ちなみに「妄想を形にしないでいられないんです!」というシンプルな動機だけで最後まで描ききれる程私はストイックではありません。
「やる気」というのはあくまで「一瞬」の気分のムラによって発生する秒単位のバフでしかありませんので気まぐれな「やる気」だけに頼ることはできません。
そこから最後まで走り切ることが1番の難所だと毎回毎回真っ白な原稿を見つめる都度思います。

私は優柔不断な上に気弱なので「これ埋められるのかな…」って新しいページにペン入れ入る度に弱気になっています。
多分この真っ白な原稿を前に少し途方にくれるという現象自体は原稿を目の前にしたことがある人なら何人か経験したことがあるのではないかなぁと思ったりします。

「他人のために創作をするな、自分のために創作をしろ」という言葉はよく聞きますよね。でもそれは無理な話だよと私は思います…
他者という存在なくして社会は成り立ちませんからね

確かに評価のためだけに何かに向かって頑張る…というのは私にはできない努力なので私はこの点においては自分のために創作している人間ではあります

一方で私は何度も何度も孤独な夜を物語に助けて貰った恩があり物語から貰った感動を物語を通して誰かに返して行きたいと思っているから漫画を世界の端っこで細々と描いているわけです。その事を意識する時の私は確かに「他者」のことを意識しています。

私は物語の力を人一倍信じていると思います。
だからこそ物語が時に凶器に変わる事を理解しています。何かを作るという行為は誰かを傷つける可能性があることも理解しています。いつもある程度他者にとって攻撃になってしまうかもしれない…と覚悟を決めて描いてます。

二次創作をする以上元の作品に対してせめて誠実でありたいと思っています。

それでも描いてしまうのだから随分と身勝手かつ傲慢な理由で描いてたんだなぁと自分でも文章にすると呆れる程です。

これが私が妄想を漫画にしてしまう理由です。

話は変わってなぜ人間は変わりたくない生き物なのかという理由ですがこれは
はっきりとした理由が解明されています。
人類は哺乳類ですので「恒温動物」です。
恒温動物は血糖値や体温を一定に保とうとする性質を持っているので夏でも冬でも活動できるわけですが一方で「変わろう」とする気持ちさえも一定に保とうとするので何か生活環境に変化があると「嫌悪感」「抵抗感」が産まれるのはこの性質の影響だと言われています。
本能的に現状維持したほうが生存率が上がるし未来に対しての不安を抱くこともありませんね
こういった認知を「現状維持バイアス」と言ったりします

しかし人間は矛盾がある生き物なので無意識に現状維持をしていても「暇だな〜」という気持ちには勝てず自分の価値観を揺るがすようなそれでいて探し求めていたおもしろさや時間を忘れさせてくれるトキメキによって気持ちが変わる事があります。
この体験が人生を楽しくさせてくれたり、少しだけ生きづらさを和らげてくれたりしてくれると私は思います。

「特定の人の気を引こうとする創作は難しい」と言ったのはこういった考えからでした。

確かに物語は嘘でできてますがその物語の中に救われる瞬間があるならそれは本物になると思いませんか?

だから娯楽はしっかり求められていると信じています。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?