一瞬一瞬が「プロジェクト」のTodo

こんにちは。

「日々の学びを、より多くの人に分ける」を
些細な目標にして始めたブログ。初投稿です。

今日は、大切な人の話をしようと思います。
私のボスのことです。

今年37歳の私のボスは、メガバンク、
大手コンサルティングファームでの経歴を経て、7年前に今の会社に転職。
2年前に、最年少で会社の重役に抜擢され、今は社長の右腕として活躍しています。

そんな彼とは、ちょうど3年前に初めて出会いました。
当時、社会人3年目の私は、
朝から晩まで目の前の仕事に忙殺される日々を過ごしていました。

今思えば、自分のやり方次第でもっと面白さも発見できたはずですが、
当時はとにかく決まっていることを決まった通りに
こなすことに精一杯になり、帰宅する頃は疲れて頭はぼおっとしている、
そんな日々を過ごしていました。
今日は何が楽しかったか、どこが成長できたか、誰の役に立ったのか、
などといったことをふと思う瞬間はあるけど、どこかで皮肉な自分が現れ、
「仕事だから。ワクワクなんて綺麗事を言ってもしょうがない。」
と自分に言い聞かせていた気がします。

そんなある日、偶然、学生時代に書いてた日記を見ました。
就職活動が終わり、今の会社の内定が決まり、
これから始まる社会人生活に向けて大きな夢を描いていた私。
どんな社会人になりたいか、どんなことを実現したいか。
特に企業説明会で偶然知ったM部への憧れが書かれ、
まるで別の世界の物語のように思える自分の姿がそこにありました。

「遠い昔のような話だなあ。」静かに日記を閉じ、
また翌朝に向けて横になりましたが、なんだか虚しい気持ち。
ただ、そんな自分に素直になれる勇気もなく、1週間ほど経った頃、
会社で半年ごとに行われていた社内公募の連絡が来ました。
憧れのM部も新メンバーを募集していました。

いつかM部で仕事をしてみたい。
でも、今の自分でこれも足りない、あれも足りない。
しかも落ちたら恥ずかしいなぁ~なんてことを考えるうちに、
応募期限が迫り、残り1日となりました。
どうしよう。
どうしよう。。
迷った末に、今のままではきっと3年後も5年後も変わらないであろう
自分の姿が容易に想像でき、新しいチャレンジをしてみることにしました。

そして面接の日、当時、M部の部長だったボスに初めて出会いました。
明るく人当たりが良く、品の良い好青年の印象でしたが、面接が始まると質問一つ一つがとても深く、いろいろ考えさせられる。いつの間に「面接」という(自分を如何によく見せるかで勝負が決まる可能性がある)場だということを忘れ、私は素直に自分の心に問いかけ、一つ一つの質問に誠意を持って率直に答えていました。
数日後、「合格」の連絡があり、そこから2ヵ月後、私はM部でボスと共に働き始めました。

大人しそうな顔立ちとは裏腹に、実際接し始めると、
実は人間ではなかったんじゃないかと時々感じてしまうほど、
365日24時間スーパーサイヤ人並の戦闘力(エネルギー)の持ち主。
仕事ができるのは言うまでもなく、熱意と男気溢れ、
時には大きな器で人を受け入れたり、
時には些細な気遣いで人を感動させる優しさもある。
スマートだけど、とことん少年ぽく、ピュアさのある彼は、
私は面接で初めてお会いしましたが、
既に会社の中で多くの社員の憧れ&人気者のような存在でした。

そこから共に仕事をした3年間、数え切れないほどのことを学び、
数え切れないほどの大切なことを気づかせてくれました。
その中で、一つ彼から教えてもらったとても大切なことがあります。

日頃、仕事の話のみならず、普段考えていることなど様々な話をしますが、
ある日、昼食を一緒にとり、ちょうど私の誕生日の日でもあったので、
自然と、どんな1年にしたいかという話で会話をしていました。
そして、どんな人生を歩みたいかと聞かれ、
私はちょうどその時期に何かの本で読んでいて、
いつかこんなことができたらとても素晴らしいなあと思っていた
「Be Inspired, Inspire Others, Inspire the World」を伝えました。

一人でも多くの人が夢と希望を持ち、
それを実現できるようなInspirationを与えられる人でいたい。
その為に広い世界で多くのことを経験し、学び、人に分けていきたい。
学生時代から思い描き、今の会社に就職した理由のひとつでもありました。

そして、ボスはどう思うかについて質問をしました。
その時のボスの回答が、夢や目標や志といったことに対する
私のそれまでの概念を覆してくれるようなことでした。

「僕もそうだ。世の中を1ミリでも良い方向に導きたい。
人の人生を1ミリでも幸せな方向へと導きたい。
その為の仕組みを作りたい。
そんな思いで大学生の時はボランティア活動をたくさんしてきた。
海外の子供たちを助けようと、現地で学校を建てたり、様々なことをした。
その中で、気付いたことがある。ボランティアでは、
人の人生を本当の意味では助けられないのではないか。
もしくは限界があるのではないか。
なぜなら、結局のところ、人は、
自らの手でしか自分を「助ける」ことができない。

自ら努力し、自分の人生をより良くしよう(自分を助けよう)とした時、
初めて本当の成長があり幸せがある。
そのことに気付き、僕は人の心に火を点け、自ら成長し、人生の幸せを導ける人を増やそう、そんな仕組みを作れる人になりたいと強く思った。

僕は、人生を一つ大きなプロジェクトだと考える。
成し遂げたいことは「世界(人の人生)を1ミリでも幸せな方向に導く」という志である。
そのプロジェクトを完成させる為に必要なことを常に考えているが、
結論は、日々の仕事にせよ、プライベートにせよ、
目の前の一瞬一瞬がこのプロジェクトの一つ小さなTodoである。
会社の重要な戦略について議論する時間もそうだが、
部下や、周りの一人ひとりと対話し過ごす些細な一分一秒が、
すべてプロジェクトの一つの大切なプロセスである。

結局、どんな大きな夢や志であっても、
すべては一瞬一瞬が集まって成すもの。
今日この瞬間、部下一人の人生を助けられない人が、
ある日、何か立場や役職が与えられたからといって、
突然人の人生を変えられるようにはならない。」

なるほど。とても大きく感銘を受けました。
確かに自分自身を振り返っても、
良い影響を与えられる人でいたいと思いながらも、
そこには無意識のうちに、「いつか」という修飾語をつけていました。
「いつか◯◯になったら、いつか◯◯というキャリアを歩めたら、
こんなことをしよう。こんなすばらしい人でいよう。」と。
その代わり、目の前の一瞬一瞬には目を向けられていなかったのです。
日頃の仕事や生活を通じて、自分と回りの人に
どれほど良いエネルギーを与えられているのか。
肝心な目の前の「今、ここ、この瞬間」と、その積み重ねには目が行きませんでした。

日常の瞬間が集まり、大きな流れになっていくものです。
夢や志を「いつかくる遠い未来の夢や志」として終わらせない為に、
それを大きなプロジェクトだと例え、
私は今日、確実にそれに向けたTodoを実行しているかと問い掛ける。
もしかすると私を含む多くの人が
「夢」、「志」、「望む人生」といった類の話をすると、
思い出すのは、追いかけるものだったり、
いつかやがて実現するものだったり、
というふうに、今ここにないものとして考えがちかも知れません。

ですが、実は「今この瞬間」が
すべて夢や志に繋がるTodoだという視点でみれば、
実は今できることは山ほどあり、今いるこの場所での一瞬一瞬が、
すべて夢や志の実現そのものなのです。
この大切なことに気がつきました。

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