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“踊れない”アイドル・折坂心春がNMB48から卒業。コロナ禍で築いた己の立ち位置

NMB48の7期生・折坂心春(こはたん)の卒業公演・セレモニーが1月31日に行われました。こはたんは2020年9月に7期生として加入、わずか1年半という短い期間で活動を終えることになりましたが、決してネガティブなものではありません。

2020年元日に募集開始となった7期生。2~4月にオーディション、5月にお披露目…というのが当初のスケジュールだったと思いますが、コロナ禍で延期。約4ヶ月遅れて、9月に晴れてお披露目となり、こはたんも7期11人の一人として加入することになりました。

10月の10周年コンサートを経て、2020年11月21日に研究生(7期生)による公演「Will be idol」が開幕。7人での公演となるため、4人はステージに立つことはできません。こたはんも、ステージに立てない1人でした。

2021年元日、メンバーを6つのグループに分けてバトルを繰り広げる「NAMBATTLE」の開催が発表され、こたたんはBグループ「みっくすじゅーす」のメンバーに。1月31日、みっくすじゅーすの公演にて劇場デビュー。やっと、NMBの原点である劇場のステージに立つことができ、こはたんのアイドル人生も本格的に始まっていく…と思っていました。

2月22日。自身のshowroomにて、循環器系の持病が発覚したことを発表。激しい運動ができない、すなわちダンスパフォーマンスは行えないことになってしまいました。

…。

アイドルと言えば歌とダンスによるパフォーマンス。
NMBと言えば劇場公演。

せっかく狭きくて険しい門をくぐり抜けてNMB48の一員となったのに、その主となる活動ができなくなってしまったのですから、そのときに彼女がどんな気持ちになったのか、俺らは想像することすらできません。ここでそのまま活動辞退、となってしまってもしょうがない、とも思っていました。

でも彼女はそこから1年間、活動を続けていくことになります。
ダンスはできない、でも激しい動きのない楽曲なら歌で参加できる。MCもある。幸いなことにNMBには新YNNチャンネルという配信プラットフォームがあり、そこでキャラクターを発揮できる場所がある。

そして、このコロナ禍だからこそ始まった、「アンコールガール」というポジション。公演本編のあとにアンコールを発動する際、当然ファンは声を出したりできない、手拍子をするにしろ揃えるのは簡単ではない。そこで、メンバーが1人出てきて簡単なトークを繰り広げたあと、アンコールをけん引するというポジションが作られました。

こはたんは、そこで自分の立ち位置を見つけていくことになります。おっとりした雰囲気と独特の声と不思議なキャラクター。こはたんが現れると、なぜかファンはみんな笑顔になれる。あの空気感は、NMBにおいては唯一無二。

2021年夏に行われた次世代メンバーによるライブでは、大阪城ホールで同じくアンコールガールとして登場。このライブ後、反省会の一部を17LIVEで一般公開するという試みをしたわけだけど、その中でプロデューサーの剱持氏からも、「折坂がNMBにいることは、本当に誇りに思う」という声ももらっていました。

ダンスはできなくても、アイドルとして輝くことはできる。そんな素晴らしさを体現してくれたのがこはたんであり、NMB48というグループの素晴らしさだと思いました。

2022年1月13日、自身のshowroomで卒業を発表。メンバーの誰にも知らせていなかったようで、発表を聞いた同期のメンバーが集まり、壇上を埋めたのは微笑ましい光景でした。今後は、4月から大学3年生になるとのことで学業を中心に頑張っていくとのこと。活動期間は短かったけど、大きなインパクト、そしてアイドルとしての新しい可能性を見せてくれた折坂心春さん、NMB48に入ってくれてありがとう。みんな、あなたの存在は絶対に忘れることはないでしょう。

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