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vrchatを始めるならQuest2、Quest3、PICO4どれを買えばいいのか

おすすめの選び方

  • 最高の性能を求めるならPimax Bigscreen Meta Quest 3

  • コストパフォーマンスや長時間のプレイを重視するならPico 4

  • とにかく安く抑えたいなら中古のMeta Quest 2

VRChatについて

ここだけの話なんですが実はVRChatはVR機器がなくてもプレイできます。


vrchat向けのVR選びにおいてどうでもいい要素

VRで多くの情報が錯綜していますが、実際にはそれほど重要でない要素を説明します。

マイク性能

Twitterなどで特にPICO4マイクの性能が悪いという噂が時折流れますが、声のでかい少数派の意見が目立っているだけです。実際にはマイクが高性能すぎて音量が大きすぎることが原因で音質が劣化している場合があります。ゲイン調整を100%からご自身の声量に合わせて下げることで非常に良い音質が得られます。正しい設定でマイクを使用してください。

正しく設定すれば、PICO4やQuest 2、Quest 3のマイクの音質は良いです。VR向けマイクを購入する前に、まずはノイズキャンセリング機能が正しく動作しているかなど、設定を見直すことをおすすめします。

そもそも、Quest 2、3もPICO4もスピーカーの音質があまり良くありません。
つまりマイク性能にこだわっても、フレンドのVRが出力する音質が悪いのでマイク性能に拘る意味がほぼないんです。

スピーカー性能

音質にこだわるならHMDではなくイヤホンを買う方が簡単です。

少し脱線してしますが、VR向けイヤホンとされる商品は、オーオタから見れば詐欺まがいのぼったくり商品が多いです。
おすすめのイヤホンの選び方は、家電量販店やeイヤホンなどの専門店で自分の耳に合うものを実際に試してから購入するのが一番です。何百時間も使うものなので、ネット上のステマや案件を鵜吞みにせず、自分の耳でしっかり選びましょう。

フレームレート上限

RTX A6000やRTX 4090でない限り、120fpsどころか90fpsを維持するのも難しい場合が殆どです。よほどVR酔いしやすい人でない限り、画質設定を下げてでもfpsを優先する必要はないので、フレームレートの上限にこだわる意味はあまりありません。

映画館のような没入感で映像の視聴ができる

よくVR系の記事で「巨大スクリーンで映画館のように動画が見れる」と書かれていますが、実はこれ全くおすすめできません。pimax8Kのように画質が飛びぬけて良いVRならともかく、Quest 3やPICO4の片目2K程度の画質では、視界の半分~2/3程度がスクリーンとして見えるとして、スクリーンが1.5K程度の画質にしかならず、画質が悪いです。映像再生機器として使うのが主な目的なら、4Kの50インチ以上のモニターやテレビが5、6万で売っているのでそちらを購入する方が満足度は高いです。

AV1コーデック

圧縮率は劇的に良くなりますが、100MB越えのビットレートで通信すればそもそも圧縮する必要がないので実際の画質の差は殆ど出ません。
カテゴリ7のlanケーブルのように限定的な環境でのみ優位性があるという程度の話なので期待しすぎないようにしましょう。
具体的に言うと「Virtual Desktopで出先から自宅のPCにリモート接続してプレイする時」にAV1コーデックが使えるなら画質や遅延がかなり良くなります。

$$
\begin{array}{|l|l|l|l|}\hline
a&Meta Quest 2&Pico 4&Meta Quest 3\\ \hline
税込み価格&47,300円&49,000円&74,800円\\ \hline
ディスプレイ&LCD&LCD&LCD\\ \hline
レンズ&フレネルレンズ&パンケーキレンズ&パンケーキレンズ\\ \hline
解像度(片目)&1,832 x 1,920&2,160 x 2,160&2064x2208\\ \hline
視野角&90度&105度&水平110度 / 垂直96度\\ \hline
IPD(瞳孔間距離)&58mm, 63mm, 68mm(選択制)&62~72mm(無段階)&53~75mm(無段階)\\ \hline
パススルー&モノクロ&カラー&カラー\\ \hline
リフレッシュレート&60Hz, 72Hz, 90Hz, 120Hz&72Hz, 90Hz&60Hz, 72Hz,80Hz 90Hz, 120Hz
\\ \hline
プロセッサー&Snapdragon XR2&Snapdragon XR2&Snapdragon XR2 Gen 2\\ \hline
メモリ&6GB&8GB&8 GB\\ \hline
バッテリー容量&3,640mAh&5,300mAh&5,060mAh\\ \hline
重量&503g&588g&515g\\ \hline
イヤホンジャック&あり&なし&あり\\ \hline
\end{array}
$$

Meta Quest 2

新品 定価39,600円、セール価格31,900円、中古25000円前後

メリット

  • 価格が安い:Meta Quest 3の登場により非常に安価で手に入る。

デメリット

  • 重量バランス:重心が顔側に偏っているため、長時間の使用が不快。

  • コントローラー:極めて壊れやすく、スティックのドリフト問題が発生しやすい。

  • 全体的な性能:画質、視野角、装着感、IPD、パススルーなどのほぼ全ての点で、Quest 3やPico 4に劣る。

性能面で上位機種に劣る型落ちの機種の購入はおすすめしませんが、コントローラー以外は問題なく普通に使えます。
セール価格で31,900円、中古で25,000円強で購入できるため、壊れやすいコントローラーに目を瞑ればコストパフォーマンスは非常に高いです。

ドリフト現象

Meta Quest 2コントローラー 片方 ¥9,890
Meta Quest 2 Touchコントローラーは別売です。右コントローラーまたは左コントローラーを選んでカートに入れてください。ストラップを含みます。別売のMeta Quest 2ヘッドセットが必要です。

https://www.meta.com/jp/quest/accessories/quest-2-controllers/

問題の壊れやすいコントローラーですが贔屓目に言っても過半数以上の割合で壊れると思った方が良いです。
酷い故障率なのに修理は正規店の購入から一年以内のみで一年後は不可能で上の1万弱で新品のコントローラーを購入する羽目になります。
初期投資は良くてもランニングコストで高くつくのでQuest2の購入は全くオススメしません。
互換パーツがアリエクやアマゾンで数百円で入手できるのでスマホのバッテリー交換を自分でできるくらいの工作力があるなら自力で修理できます。
コントローラーを自分で修理できる方であれば選択肢として大いにアリだと思います。

MetaQuest2の視野角のついて

Quest2の視野角について「視野角は公表されていない」「100度程度」「110度」などと情報が錯綜していますが
公式サイトで視野角90度と公表されています。(水平97度、垂直93度が実際に測定した視野角らしい)

VR機器に関する記事を読む際は"Quest2の視野角を正しく書けているか"を真っ先に見ることで
その記事がちゃんと調べて書かれた信頼できる記事なのかを瞬時に見分けることができます。

PICO4

PICO4の定価49,000円、セール価格39,200円、中古35000円強

セールは稀にしかやっておらず機会を逃すと数か月先とかになるので買える時に買っておいた方が良いです。

メリット

  • 装着感:非常に良好で、長時間のプレイでも快適。

  • 画質と視野角:Quest 2よりも高画質で、視野角も広い。

  • 内側の視野角:両目で見える範囲が広く、近くの物が立体的に見える。

  • コントローラーの信頼性:スティックのドリフトが全く発生しない。

デメリット

  • パススルーの出来が悪い:カラーパススルーが使い物にならない。

  • スティックのタッチセンサーのバグ:帯電現象でバグが発生することがあるが、簡単に対処可能。

装着感

Quest2、3が外国人向けに丸く作られているのに対して、
PICO4はアジア人向けに平たく作られたフェイスパッドを採用しており、顔にフィットしやすいです。
また、バッテリーが後頭部に配置されているため、重量バランスが非常に良く、長時間プレイするVRChatでは装着感の良さが非常に大きなメリットとなります。

画質と視野角

既存のVRにはほぼ勝る程度には画質が良いです。
パンケーキレンズとフレネルレンズの差が大きく出ていて、視界の中心点以外もくっきり見えるのが特徴的です。

実際につけ比べないとわからないので比較動画などはないのですが
Quest3に比べ内側に対するの視野角が広いため両目で見える範囲が広く、近くの物が立体的に見える範囲が広く没入感が高いです。
可愛いアバターを近くで見ることが多いvrchatでは大きなメリットだと思います。

パススルー

パススルーはカラー対応ですが、画質が悪い上に歪んで見えるため実用性はありません。鼻の間から確認するかVRを上げておでこに引っ掛ける場合が殆どでパススルーは全く使いません。

帯電現象によるスティックのタッチセンサーの誤作動

Quest2のドリフトほど深刻ではありませんが、高確率で発生します。スティックのタッチセンサーがバグることがあります。しかし、SteamVRのコントローラーバインドでスティックのタッチセンサーをOFFにすれば対処できます。unityからアバターをアップロードするよりも簡単なので、詳しい修正方法については以下を参照してください。

充電端子の故障

充電端子が壊れて充電できなくなった事例が数件ありますが、これは主にVR睡眠をしている人が多いです。USB端子を持たずに紐を無理に引っ張って抜く、充電しながらV睡やダンスなど、端子に負荷がかかる行為は避けましょう。

MetaQuest3

MetaQuest3 定価‎74,800円、セール価格63,800円、中古65000円前後

セールは稀にしかやっておらず機会を逃すと数か月先とかになるので買える時に買っておいた方が良いです。

メリット

  • 画質と視野角:Pico 4やQuest Proよりも画質が良い。視野角はPICO4と同等。

  • 実用レベルのパススルー:カラーで歪みも少なく実用性が高い。

デメリット

  • 価格:PICO4に比べて高価。

  • 重量バランス:Quest 2よりはやや改善されたが、依然として顔側に偏っているため長時間の使用には不向き。

画質の比較

画質は明らかにQuest 3の方が優れています。外側の視野角についてはQuest 3とPICO 4でほとんど違いはありませんが、内側の視野角にかなり差があり立体感が劣ります。

ただし、画質にこだわるなら、Big ScreenやPimaxなどのハイエンドモデルの方が圧倒的に画質が良いので、Quest 3よりもそちらを選んだ方が良いでしょう。

実用レベルのパススルー

Quest 3のパススルーは非常に鮮明で、スマホやパソコンを操作する程度なら十分に見えます。そのため、VRChatをプレイしながら他の作業も並行して行うことができます。

重量バランス

パンケーキレンズになりQuest2に比べて顔に重心が近づいたので、Quest2と比較するのであればマシになっています。
しかし、それはどんぐりの背比べ程度の差でしかなく、顔にペットボトルを縛り付けているかのような装着感の悪さは全く改善されていません。

要求スペック

画質や視野角が向上した分、要求されるスペックも当然上がっています。
古いグラフィックボード(GTXやRTX 20シリーズ)やRTX 3060以下の低スペックなグラボを使用している場合、無理してQuest 3を購入するよりも、PICO 4やQuest 2にして、より高性能なグラボに買い替えた方がコスパが良いと思います。

ドリフト現象

Quest 3でもドリフト現象が報告されていますが、発売から間もないため、報告の数は数人程度です。Quest 2と比べるとはるかに壊れにくなっており、稀に起こる程度と考えて良いでしょう。
ちなみにですが、Quest 3よりも分母が少ないであろうPROコンの方が、3コンよりもドリフト症状を訴える人が多いです。
ドリフト症状を理由にPROコンに買い替えるのはやめたほうがいいと思います。

総評

少しでも画質を重視したい、パススルー機能やスタンドアローンのゲームがやりたい、AV1コーデックを使いたいなどはっきりとした目的があるならQuest3一択ですが
装着感や立体感が優れているpico4の方がvrchatに向いているので、特にVRでやりたい目的はないけどvrchatを遊びたいならPICO4の方がオススメです。
またQuest2も現行機に比べれば劣るというだけで、今でも十二分に使えます。
懐事情と相談しながら検討しましょう。

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