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【CHC】2023トレードデッドライン考察 1日目

お疲れ様です、イサシキです。

端的に申し上げますと、今年のシカゴカブスは正直言ってどっちつかずのトレードデッドラインを迎えることになるでしょう。

日本時間7月19日現在で44勝50敗のナ・リーグ中地区3位首位ブルワーズとは7.5ゲーム差を追っている状態です。今オフにはダンズビー・スワンソンらを大型補強を敢行し、ファン待望のフランチャイズプレーヤーとのエクステンションとなったニコ・ホーナーとイアン・ハップを引っ提げて脱リビルドモードを目指した今シーズンでしたがなかなか結果が伴わず得失点+33はナ・リーグ中地区でも唯一のプラス指標ですがチームの好不調の波がかなり激しく、踏ん張りどころで勝ちきれない場面も目立ちました。

カブスのオーナーであるトム・リケッツ氏、編成総責任者のジェド・ホイヤー氏らもそんな現状を憂いている中での決断をするとなれば、かなり難しい判断を迫られることになるでしょう。実際に今回ばかりはホイヤー氏も頭を抱えているようです。

ということで様々な観点から、カブスが今夏に迎えることとなるであろう事の顛末を予想しようと思います。

筆者は”Seller”寄りの考え

まず「買い手」になったところでカブスに残るものは何でしょうか?

首位から離れた位置でシーズンを過ごしているカブス。確かにまだ勢いに乗ればブルワーズやレッズを追いかける力はあるように思います。
現在カブスの中でも弱点となっているクローザーとブルペン陣、そして長打力のある選手を2~4人加えればおそらく戦える陣容になって首位争いを目指すことはできるでしょう。大逆転ディビジョン制覇もあり得ないことはありません。

しかし現状MLBでも力が劣るとされているナ・リーグ中地区で、あわや2ケタの借金を作るようなチームがどうやってその先のポストシーズンを勝ち上がるというのでしょうか?本当に今のメンバーでワールドシリーズ制覇を目指せるのでしょうか?

私の答えは残念ながら「否」です。決して選手たちや首脳陣を責め立てるつもりはありませんが、まだそのようなコンテンダーになるには足りないものが多すぎるように感じます。

思えば世界一に輝いたチームを大解体してリビルドに突入したのは2021年。チームの顔であったアンソニー・リゾ、クリス・ブライアント、ハビアー・バイエズらをトレードで他球団へと送り出し、現在ではその見返りとして獲得したピート=クロウ・アームストロングやケビン・アルカンタラらも順調に成長を重ねている現状。また昨年はレンタルリリーバーとして復活させたデービット・ロバートソンでベン・ブラウンを獲得する好ムーブを見せるほど将来に向けての蓄えをカブスはしていたはずです。
ですがそのプロスペクトたちが成長してくるのはどの球団も同じです。現にレッズはエリー・デラクルーズらの台頭によって勢いあるコンテンダーへと変貌を遂げ、ブルワーズやパイレーツには粋の良いMLB Readyの選手たちが多く戦力の底上げも可視化できる状態に。現在こそ沈んでいるカージナルスも主力選手と若手の融合が両立しやすい球団体制になっているように感じます。

プロスペクトが育つことはもちろん良い事ですし、トップチームにスワンソンのようなスター選手が入ってきた事もプラスですが、今年は頑張ってもワイルドカード争いに加われるかどうかが関の山。しかもそこに到達するには激戦区の東地区と西地区のコンテンダーと同等の成績を残していかなければなりません。となればこの夏は「売れる選手を売り、買える選手を(出来るだけ対価を抑えて)買う」という両面的なムーブメントが必要になるという結論に辿り着く方が出てきてもおかしくありません。

ということで私は言いたいことを言い切りました。ここからは各メディア等の報道も照らし合わせながら、トレード候補になり得る選手や予想される対価、売られそうな選手に関しては予想移籍先を記していきたいと思います。

また、トレード市場はもちろん1日で大きく動くこともありますので、今日からは1人ずつ紹介したいと思います

今日の候補はこの人!

Cody Bellingerコディ・ベリンジャー(CF/1B) 残り半年(2024:Mutual$25MM)
ノンテンダーFAから見事なバウンスバックを果たした19年ナ・リーグMVP受賞者。ダスティン・ケリーをはじめとしたコーチ陣との打撃改造で掴んだグリップの位置を高くしてボールの軌道に合わせるスイングが功を奏してゾーンコンタクト率を77.5%→83.1%と自身最高のコンタクトスキルを手に入れた影響でソリッドなプレーヤーへと大転身。走塁や守備面でも何ら問題はなく、攻守におけるピンズドな補強も求める球団にとっては紛れもない「救世主」となれるポテンシャルを秘めています。アストロズ戦で魅せたスーパーキャッチの代償として1か月ほどのIL入りを余儀なくされる間にチームが低迷したころからトレード話が過熱。ILから復帰後も打ちに打ちまくって自ら燃料を投下している現状です。

近年のOF市場、とりわけCF部門はその希少性もあってかチーム内での囲い込みもありかなり過疎化しているだけあってベリンジャーのトレードバリューは高いものとみられます。しかし来季がMutualオプションであることに加え、それを破棄した際には所属球団がバイアウト分の$5MMを支払う羽目になります。市場規模の大きいチームならいざ知らず、バイアウト分だけで複数人の選手を雇えてしまうようなペイロールを捨ててまでもベリンジャーに特攻するスモールorミドルマーケットのチームがどれだけいるかがベリンジャーの行先を決める重要なポイントになると予想しています。

<予想>
①フィリーズに移籍して、3~5年規模のエクステンションを結ぶ
実現度☆☆☆

外野を埋めることによってニック・カステヤノスとブランドン・マーシュの負担を和らげることができ、打線の穴埋めもできてどこからでも得点の期待できる打線になる。
・ハーパーが1Bを務める機会も増えてきているが、ベリンジャー自身の流動性もあるため、ポジション被りが起こる可能性は低め。
・ペイロールがキツくても、2~3年後にオプトアウトの権利をつければやりくりは可能。
・何より編成責任者のデーブ・ドンブロウスキー氏が好きそうなムーブメント(大物獲りに関して)のようにも思える。
カブスとしては絶対必要な選手ではあるものの、ここまでエクステンションの話は一切出ていないことを考えると今夏での放出はほぼ決定しているようにも思える。来季以降はCFにプロスペクトのアームストロングが上がってくる予定のタイムスケジュールを考えても、残すとすれば1Bとしてのオファーになるため契約規模で他球団に負ける可能性は高め。であれば売るのも当然選択肢に入ってくる状況。

<見返り>
球団傘下TOP30位以内1名+40人枠1名or$5.5MM年俸負担(バイアウト分)

アーロン・ノラとのエクステンションが先とか投手補強が先とか3Bどうにかしろとかそういう正論は言わないお約束

➁ドジャースに出戻るが、エクステンションは夢のまた夢 実現度※
自分をノンテンダーにした球団との関係性を考慮(ここ重要)。
・現在ジェイソン・ヘイワードやデービッド・ペラルトらの渋い活躍もある外野陣ですが、ここにベリンジャーが加わることによってどちらかをデプス要員にすることが可能→戦力層の厚さが増す。
・成績が尻すぼみしているジェームズ・アウトマンに良い影響を与えてくれる可能性も?
・大谷翔平獲得に向けてお熱との報道もあるため、ベリンジャーにまで気が回るかは正直微妙なところ。

<見返り>
球団傘下TOP30位以内の投手1名or30位外のプロスペクト2~3名

(※一応候補にはしましたが、ほぼ100%ドジャースには戻らないものと思って書いています)

➂ヤンキースに移籍するが、年俸負担は必須状態 実現度☆☆☆
左打者不足の状況において、またアーロン・ジャッジを怪我で欠くヤンキースにとってはこの上ない攻守のニーズを持っている。
→但し年俸負担がないとぜいたく税を超えるペイロールになるため、いくら過酷なア・リーグ東地区で戦っているとはいえワイルドカード争いに暗雲が立ち込めている現在のチーム状況でベリンジャー獲得に動くのはなかなかにリスキー。
べリンジャー獲得そのもののメリットは29球団の中でもドンピシャに近いフィット感を感じるため、あとはチーム状況を鑑みて首脳陣がどのような判断をするかに委ねられそう。

<見返り>
球団傘下TOP30位以内プロスペクト2~3名(年俸負担アリの場合)
→ナシの場合は同様のプロスペクト1名+αが妥当か


<その他候補>
①アストロズ 実現度☆
・ナイチンゲール魂の取材がなければ候補にも挙げていなかった球団。ユニフォーム似合いそうだけど、本人はあんなことやこんなことがあったアストロズに行きたいのだろうか…?

➁ジャイアンツ 実現度☆☆ 
・外野手のやりくりは大変になるが、ドジャース時代をよく見ていた編成責任者のファーハン・ザイディ氏にとってベリンジャー獲得はこの上ない至高なものであるとの判断を下しとも何らおかしくはない。
・プロスペクトのルイス・マトスとかを出してくれるならカブスさんガッツきそうだけど、そんなに甘いものではないので優先順位は低そう。

➂エンゼルス 実現度☆☆
・???「すべてを捨てて戦う覚悟はあるんだろうな?」
・補強ポイントとしてはイマイチフィットしないが、ブランドン・ドルーリーやマイク・トラウトのIL入りによってありえなくもない話にはなりつつある。
・OF候補はいっぱいいるが、1Bはすっからかん。…え、マイク・ムスタカスやエドゥアルド・エスコバーがいるじゃないかだって?あはははははは。
・チーム成績や置かれている状況はカブスと同じような立ち位置だが、オールインする姿勢は貫くと予想。てか貫かなければいけない年です。

明日はこちらも市場をにぎわしている「あの投手」について予想します!

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