【CHC】ありのままに願望を語る今オフの補強ポイント
お疲れ様です、イサシキです。
オフシーズンが始まっちゃったので、取り急ぎ今オフの補強ポイントとその候補選手を願望と欲望のままに挙げていきたいと思います。
補強ポイント
Ⅰ:エース級のSP(ダメならローテ2~3番手のSP)
Justin SteeleのブレイクやMarcus Stromanの前半戦のワークホースぶりもさることながら、シーズン後半にはJavier AssadやルーキーのJordan Wicksらのローテ定着が光る明るいシーズンだったのも束の間でした。
行使可能性が高いと目されていたStromanが、来季プレイヤーオプション$21Mを破棄してFAになったことによって先発事情は一気に不安定なものに。べスティングオプションからクラブオプション$16Mに変わったKyle Hendricksが残留したとは言え、「Steele、Hendricks、Jameson Taillonの3本柱がウチの先発陣です!」とは声高らかに宣言できない陣容でしょう。
今後MLBへの昇格が期待できるBen Brown、既にデビューを果たしているCaleb KilianやHayden Wesneskiらが控えていますが、いずれも戦力の上積みになるかと言われれば全くの未知数であり、既に今季途中からリリーフへと配置転換をされたDrew Smylyがローテーションへと戻ることは起こりにくく、現時点でStromanの穴を埋められるとは到底思えません。
となると、少なくとも後述のリリーバー不足も踏まえてStromanクラスのワークホースは確実に1枚補強したいところ。加えて、いくらチームの功労者で必要不可欠な存在とはいえ、Hendricksの$16Mは個人的には高すぎてペイロールの圧迫につながりかねないと思っているので、できるだけ安価で済ませることができれば、プロスペクトとの共存や中長期的チーム運営においてメリットをもたらすかなあと考えています。
候補選手
Corbin Burnes(ブルワーズ) 残り保有1年(Arb3)
筆者が第一候補に挙げる選手とすれば、やはり同地区のCY受賞投手を引き抜くという結論にたどり着きます。
Burnesはコンパクトなフォームから繰り出される球界最高クラスのカッターと、低めへ丁寧にコマンドされるカーブとチェンジアップを軸に奪三振を多く奪うパワータイプの先発投手。ここ3年間で562.2IPを消化するワークホースぶりも魅力の1つで、その契約期間やブルワーズのチーム状況から、既に昨季より多くのチームが関心を寄せています。
来季Arb推定額は$14.1MとBurnesクラスの投手であれば勿論お買い得。そしてこの手のタイプの先発がいないカブスにとっては、グラウンドボーラーの多いローテーションへのアクセントを付ける良い存在になると思います。そもそもBurnesも平均GB%が47.1%なので、グラウンドボーラーと言っても間違いではないですしね。
また獲得となればそれ相応のプロスペクトが必要になりますが、現状カブスのファームシステムは飛躍的な進歩を遂げており、現在Fangraphs算出のファームシステムランキング(Value換算)ではMLB1位との評価もされておいます。特に数年後のやりくりが不透明な先発投手に関してはブルワーズに魅力的なパッケージを提示できる可能性も高いでしょう。
そして何より、彼がMLBに出始めた頃のこの姿。あれ、このメガネ姿はどこかで...
だからきっとカブスのユニフォームも似合うと思うんだ!
という中南米系ジョークはさておき、Craig Counsellをブルワーズから引き抜いたことやよく知る同地区間での移籍など、来季カブスの浮上を占う上で同地区のライバル球団から主力を獲得して戦力をそぎ落とすことは理に適った補強と感じています。
ただし、今季全球種で平均球速が1~2MPH低下していることや徐々にウェポンであった制球力が悪化してきていること、そして何より今季のBABIP.244は、3人のゴールドグラバーを輩出したカブス守備陣の恩恵を受けにくいかもしれませんので、完全にカブスにフィットしているかと言われれば微妙なところでしょう。
さらに彼の代理人はお馴染みScott boras氏なので、トレードでの獲得後にExtensionを画策しようものなら…なんて想像も容易です。
それでもBurnesは残り1年というコントロールしやすい立場にあることや、いくらスタッツが全盛期を過ぎ去ろうとしていてもその能力が未だMLB屈指の先発投手であることを示している以上、カブスにとっては非常に大きな補強となることに間違いありません。
獲得となればBurnesとの来季契約が交わされてから。既にTenderされたBurnesの利確がとれた段階で強くアタックしてほしいなあと思います。
Ⅱ:ハイレバレッジでの登板可能なリリーバー
純粋なリリーフERAは3.85とリーグでも上位~中位に位置しますが、ナ・リーグ最高のK/9である9.88に対してBB%は11%とナ・リーグワースト。一芸に優れた力のあるボールで打者を制圧する反面、勝手に制球を乱して自滅する、または手痛い一発を喰らういつものシーズンだったのが今季のリリーフ陣です。また、監督解任となったDavid Rossの偏りが激しく、かつ不可解な投手起用もリリーフが苦しんだ一因ではないでしょうか。
それを象徴するかのように、今季カブスリリーフ陣のHardhit%は39.9%とリーグワースト4位の数値をマークしており、見ている方からすれば本当に誇張抜きで胃薬が手放せないスリル満点な毎日を送る内容と言えるでしょう。
また、他球団と比較してネームバリューに乏しい陣容ともいえます。今季チームトップの22セーブを挙げてリリーバーとしての才能を開花させたAdbert Alzolayをはじめとして、高出力な球種で見事なバウンスバックを果たしたJulian Merryweatherやスプリットに活路を見出したMark Leiter Jr.は他球団から見てもリプレイスメントレベルを上回る選手かもしれませんが、はっきり言ってその他の投手はMLBレベルかすら怪しい段階の投手も多いです。戦力として期待していたMichael FulmerやBrad Boxbergerらが通年で機能しなかったのも影響がありそうですね。
来季はDaniel PalenciaやLuke Littleといった若手リリーバーの定着が見込まれている状態ですが、正直陣容としてはまだまだ弱く、先述のMerryweatherやLeiter Jr.が今季のような活躍を魅せてくれるかと言われればそうは思えず…。
とにかくシーズン後半に起用が集中した先述3人の負担が軽減できる、そしてハイレバレッジでの登板もこなせるリリーバーが欲しい状況に変わりはありません。
候補選手
Joe Kelly FA
カブスへのフィット感があるということであれば、個人的にはこのKellyが適任ではないかと思います。
Kellyは年齢を重ねても衰えない平均100MPH近いツーシームと昨季被打率が.095であったスライダー、そして落差のある90MPH近いカーブを武器に、長年各MLBの球団で重宝されてきたリリーバーです。
ここ数年は怪我の影響もあってなかなか登板数が増えませんが、投げているボールの質や球威はまだまだMLBでも上位クラス。さらにキャリア通算でGB%52.4%をマークするグラウンドボーラーであることも、カブスの長所である守備力を活かせる投手である証拠かもしれません。
ホワイトソックスと2年契約を結んだ昨季はERA6.08で不振に陥ったかと思えば、その年のFIPが3.06。今季もドジャースへ出戻りした後のパフォーマンスも含めてERA4.12に対してFIPは2.72と、もはやFIPの申し子並みに持っているスペックと成績が噛み合わない2年間を過ごしているので、コマンドを考えるとリスキーな部分もありますが、個人的には制球面に優れるAlzolayを補完しつつハイレバレッジな場面での支配的な投球を期待できる存在だと思います。
ただ先述の通り、稼働率やコマンド面での不安は拭えないので、もしKellyの獲得が現実に起こったら、もう1枚実績のあるリリーバーを獲得する必要性は出てくるでしょう。
契約面も、リリーバーへの巨額投資を渋るHoyerにとってリーズナブルに済みそうなのは好都合。来季のクラブオプション$9Mを順当に破棄されてバイアウト$1Mをもらった状態での市場参入ですので、1年$4~5M前後+1年目の契約額と同額のクラブオプションを付ければ獲得できそうだと感じています。もし稼働面に不安があれば登板数に対するべスティングオプションやインセンティブを付与するのもアリかなあと思います。
Ⅲ:Bellinger(2023Ver.)の穴埋め
ここ数シーズンはケガの影響もあって不振を極めていたCody Bellinger。今季は打撃コーチのDustin Kelly氏やドジャース傘下時代にBellingerの礎を二人三脚で築いたJohnny Washington氏(カブス時代は打撃コーチ補佐:来季よりエンゼルスの打撃コーチ)の力添えもあり、見事に復活。MVPを受賞した2019年ほどのバウンスバックとは言えませんが、ドジャースをノンテンダーされて1年契約でまた大型契約を狙える活躍を示したことは、カブスにとっても本人にとっても良かったのではないでしょうか。
また、守備にも優れるbellingerが抜けてしまうのは大幅な戦力ダウンにもつながりかねません。特にセンター/ファーストでの安定した守備力は本当に魅力的で、幾度とチームの窮地を救ってくれました。
そんな選手の穴埋めは非常に難しいです。仮に守備だけであればセンターにはカブスナンバー1プロスペクト:PCAことPete-Crow Armstrongを通年で起用すれば大幅なプラスを生み出してくれるでしょうし、ファーストもMatt Mervisやコンバート案が浮上しているChristopher Morelを中心とすれば何とかやっていける範疇には収まるでしょう。しかし打撃面ではそうもいきません。今季OPS.881、wRC+134、そして「20-20」を達成した主力打者となれば、来季チームにも残る選手の中で期待できるのは鈴木誠也くらいしかいませんし、なによりクラブハウス内でも影響力の大きかったBellingerが抜けるのは耐え難い部分もあります。
とはいえ打球速度やbarrel%が軒並みMLB下位となると、今季のバウンスバックがまぐれだったのでは?という観測も出てきておかしくありません。正直な話、筆者もファーストとして3年規模のExtensionでないと許容しにくいという非常に危険な香りがするなあと感じるのもまた事実。そのため、安定した打撃ができる選手で、今オフ移籍市場の目玉ともなるようなクラスの選手を獲得することも厭わない可能性があります。
BellingerのExtensionを優先するか、はたまた「新たな顔」を獲得するか…。その可能性は50-50だと思っています。
候補選手
Rhys Hoskins FA
今季はST中に負ったACL断裂でシーズン全休を余儀なくされたHoskinsでしたが、その打棒と守備位置はカブスにとって魅力的です。
Hoskinsはシーズン30HRを狙える長打力を有しながら、卓越した選球眼を誇る点も良いと思いますし、大幅なマイナスを叩き出している守備走塁を補う打撃能力があるのも今のカブス打線にとって強いアクセントを生み出してくれるでしょう。
逆にディスアドバンテージとなっている守備走塁の重要性はHoyer氏が最も意識している部分でもあり、喜んでHoskinsに飛びつくかどうかと言われれば疑問符はつくでしょう。また、やはり怪我が怪我だけに来季のパフォーマンスにどのような影響を与えるかも未知数なので、ギャンブル要素を併せ持つ選手とも言えるでしょう。
Ⅳ:内野手のUT
とりわけリリーフ陣の酷使具合が酷かった今季のカブスですが、実はスタメン野手の酷使っぷりも見て耐えられないものがあり、IL明けのBellingerがずっとスタメン起用されたり、Swansonが踵の痛みに耐えながら通年プレーをし続けるほど、ユーティリティプレーヤーや野手層の厚さに課題を抱えています。
現在のユーティリティ枠はMiles Mastrobuoniですが、もし彼がここからBen Zobrist氏のようになるには膨大な時間がかかるでしょうし、そもそもの打撃力もMLBに適応できるかどうか怪しい所。そうなると試合途中でゲームチェンジャーとなり得る起用法にふさわしい選手や複数ポジションをこなせる選手は必要になってくるでしょう。
候補としては、カブスに在籍経験のあるTony KempやベテランユーティリティのDonovan Solanoなどが挙がるでしょうか。
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?