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29話*ボンさんの異変

我が家に突如、彗星の如く現れた2匹の子猫との暮らしがアレヨアレヨと始まった。

初めてのイチとシバとの生活にいっぱいいっぱいになり、ボンさんへの執着が薄くなり始めた。

それに淋しさを感じつつも、少しボンさんも気が楽になったんではないかな、とも思った。

それでも、勿論ちょくちょく真夜中にボンさん達に会いに行った。

私達にはイチとシバが、ボンさん達には子猫兄弟が家族になり、それぞれ丸く収まったような気がした。

1ヶ月くらいたった頃、少しずつボンさんの顔に違和感を覚えるようになった。

(あれ?顔がなんだか、変わった、、、?)

なんか、めっちゃ人相が悪くなったというか……笑

なんだか怖い顔だ。どうしたんだろうと思っていた。

それが日々酷くなって、完全にヤ◯ザな顔になっていた。

体調もおかしいみたいだ。

風邪の症状はないのに、日に日にボンさんは明らかに弱っていっていた。


でもボンさんは私達にいつもと変わらない感じで遊んでくれる。

ボンさんに何が起こっているか分からないけど、治る気配もなくどんどん弱っていくボンさんが怖くなって私達は病院に連れて行くことにした。

迎えに行った時は、寒い冬、、、体調が悪い中冷たいコンクリートで眠っていたボンさん。

かなり弱っているけど、私達が行けば『やあ!』と出迎えてくれる。

いつものように私達を温かく迎えてくれるボンさんを撫でながら、

『ボンさん、病院行こう』と、言った。

私達はボンさんを篭に入れ、近くの病院へ行った。


ボンさんの検査結果が出るまで時間がかかるため、私は仕事があったので検査結果をTに任せ、病院が終わったらボンさんを家の土間に保護するように頼み、泣く泣く仕事へ行った。


そして、仕事中にTからメールが来た。



検査結果は、予想だにしない結果だった。


疥癬症と白血病、猫エイズを発症。


医者は『助かる見込みはないよ』とのことだった。







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