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【東京六大学野球】2022年春季リーグ戦(個人的)注目ポイント①

2022年の東京六大学春季リーグ戦が4月9日に開幕します。ここでは、各大学の(個人的)注目ポイントを挙げていきます。これも当初の想定以上のボリュームになったため、2本立てにします。前半は昨秋に最後まで優勝を争った慶大・早大と、今季こそ最下位脱出を目指す東大です。

【こちらもご覧ください】各大学の投手陣について、昨年の成績を振り返った記事です。今季に向けての内容も多少書いています。

慶應義塾大

 慶大は公式HPで出場メンバーをはじめ、結果を詳細に公開しているので、オープン戦をどのように戦ってきたのかがある程度しっかり分かり、ファンとしては非常に助かります。

注目ポイント①:正捕手争いは宮崎が一歩リードか

 今季の注目ポイントの1つは前主将・福井章吾(トヨタ自動車)のあとの正捕手を誰が務めるか、でしょう。昨年のベンチ入りやオープン戦序盤を見ていると、その筆頭は善波力(③慶應義塾)かと思いましたが、足元では宮崎恭輔(③國學院久我山)が一歩リードのようです。3番手として、昨秋は三塁手登録の本間颯太朗(②慶應義塾)がベンチ入りすると予想します。
 また、緊急時のオプションとしては古川智也(④広島新庄)朝日晴人(④彦根東)もありうるでしょう。もっとも朝日はショートでのスタメン出場が確実でしょうし、古川も直近ではファーストでのスタメン出場が多く、宮崎と善波を競わせながら今季を戦うのが基本線と見ています。

注目ポイント②:読み切れない2回戦の先発投手

 これまでの実績も加味すれば、1回戦の先発は増居翔太(④彦根東)で文句なしでしょう。一方で、2回戦先発の席は空いている状況です。ここに食い込むは橋本達弥(④長田)谷村然(③桐光学園)森下祐樹(③米子東)あたりでしょうか。生井惇己(④慶應義塾)の抜擢もあるかと思っていましたが、オープン戦での起用を見る限り、今季もリリーフ中心となるでしょう。
 個人的に2回戦先発の筆頭候補は橋本達です。昨年までリリーフでの実績は十分で、先発での可能性を探る意味でも先発転向に期待しています。報道によればプロ入りを希望しているようで、先発でも結果を残すことができればさらに評価を上げられるでしょう。

注目ポイント③:セカンド廣瀬・サード下山?セカンド下山・サード廣瀬?

 昨今は複数ポジションを守れるのは当たり前ですし、その意味では取り上げるような内容でもないかもしれませんが、個人的に気になったのが「セカンド廣瀬・サード下山」なのか、「セカンド下山・サード廣瀬」なのかです。少なくとも素人目には両選手ともどちらのポジションも問題なく守れるように見えますし、オプションとしての選択肢は多い方がいいのでどちらもアリでしょう。オープン戦当初は前者でしたが、直近では後者のオーダーとなっています。
 しかし、下山が5試合ほどスタメン漏れしていた時期があり、復活したのを機に後者のオーダーに変わったことが気になりました。もしかしたら下山にアクシデントがあり、スローイングの距離が短いセカンドの方が都合がよかったのか、あるいはそれはただの邪推で戦術的な理由なのか、いちファンには分かりかねますが、いずれにせよ3月26日の社会人対抗戦(対三菱重工East)では安打も放ち、元気にプレーしているように見えたので一安心です。(ちなみに3月30日の対JR東日本東北ではまた前者のオーダーに戻り、しかも下山が4番に入りホームランを放っています。余計な心配だったようです。)

早稲田大

 慶大と立大以外はオープン戦の情報があまり開示されていないため、各大学のスポーツ新聞やネットニュースに加え、3月25~27日の社会人対抗戦での結果などを参考にしています。

注目ポイント①:誰が先発してもリーグ戦初先発

 早大の大きな注目ポイントの1つは、誰が先発を務めるのかでしょう。昨年は2回戦制、延長戦なしといったルールも影響し、徳山壮磨(DeNA)、西垣雅矢(楽天)がほぼすべての試合で先発しました。そのため、今季の早大は「誰が先発してもリーグ戦初先発」という状況にあります。
 その中で、先発の筆頭候補は齋藤正貴(③佐倉)でしょうか。ただ、3月26日の社会人対抗戦(対明治安田生命)では先発を任されるも、初回に6失点と大崩れし、不安の残る結果となってしまいました。また、ここまでのオープン戦では加藤孝太郎(③下妻一)中森光希(②明星)も先発していますし、思い切ってルーキー伊藤樹(①仙台育英)の起用もあるかもしれません。いずれにせよ、今季は投手陣の出来が大きな鍵となるでしょう。

注目ポイント②:野手陣では野村の復活を期待

 野手陣ではドラフト上位候補の蛭間拓哉(④浦和学院)が4番に入り、今季も勝負強い打撃を見せてくれるものと期待しています。一方で、昨年のスタメン野手の多くが卒業したため、新戦力の活躍が必須となります。
 注目は右の主砲候補の野村健太(③山梨学院)です。1年秋にはレギュラーとして打率.286を残しましたが、昨年は不調や故障の影響でわずか1安打に終わりました。社会人対抗戦でも2安打と結果を残し、順調にオープン戦をこなしているものと思われます。クリーンアップでの活躍を期待したいところですが、生沼弥真人(③早稲田実業)吉納翼(②東邦)も好調なようで、ひとまずは7番あたりでの出場となりそうです。

注目ポイント③:主将・中川卓にアクシデントか

 前述の通り得られる情報がかなり限定的なので憶測となってしまいますが、主将・中川卓也(④大阪桐蔭)の状態が少し気がかりです。確認できたところでは、3月1日の対DeNA2軍と3月3日の対日本ハム2軍では2番セカンドで出場していましたし、3月14日の対東京ガスでは満塁弾を放つなど、リーグ戦に向けて順調に調整が進んでいるものと思っていました。しかし、社会人対抗戦ではベンチ入りからも外れており、何かアクシデントでもあったのか、少し心配なところです。

東京大

 東大は試合結果のスコア以外、まったくと言っていいほど情報がないので、昨季までの結果と3月25日の社会人対抗戦(対SUBARU)を参考に書いています。

注目ポイント①:投崩を立て直せるか

 今季こそは最下位脱出を目指す東大ですが、昨季の早大戦では2戦合計で42失点するなど、投手陣が大崩れしました。その投手陣の中心は今季もエース・井澤駿介(④札幌南)でしょう。社会人対抗戦では先発し、5回3失点と社会人相手にまずまずの投球内容でした。1四球にとどめたのも評価できるでしょう。
 しかし、課題は井澤以外にどれだけ計算できる投手を揃えられるかです。昨年までの実績で見ると、2回戦先発の筆頭候補は昨年4先発の西山慧(③土浦一)でしょうか。また、鈴木健(③仙台一)松岡由機(③駒場東邦)も昨年は先発を経験し、今季もフル稼働が期待されます。さらに社会人対抗戦では、リーグ戦登板なしの齊藤祐太郎(④筑波大附属)小髙峯頌大(④筑波大附属)が1イニングずつ経験しており、新戦力として期待できそうです。

注目ポイント②:現実的には2勝1敗での勝ち点奪取が基本線か

 今季から従前の2勝先取の勝ち点制に戻ることが発表されており、3回戦以降にもつれ込むことも想定した試合運びが必要となります。その中で東大が勝ち点を上げ、最下位を脱出するためには、「エースが登板する1回戦を取り、2回戦は落としたとしても、再びエースが登板する3回戦で何とか勝って、2勝1敗での勝ち点を積み重ねる」といった展開になるでしょう。もちろん2連勝でなく2勝1敗でも勝ち点1には変わりないので、この展開でも問題はありません。
 しかし、この展開では昨季以上に投手陣への負担が懸念されます。特にエース・井澤の大車輪の活躍が前提条件になりますが、井澤にはこれくらいしてもらわないと最下位脱出は厳しいでしょう。

注目ポイント③:今季こそ中井がショートに定着できるか

 昨年の東大はショートを固定できず、内野守備がバタついたように見えました。投手陣を立て直すのみならず、守備の安定感を高めることも必須で、その意味では内野守備の要・ショートを固定する必要があるでしょう。
 社会人対抗戦では中井徹哉(④土浦一)がショートでスタメン出場しました。中井は昨春の開幕戦でもショートでスタメン出場するなど、外野からのコンバートに挑戦しました。しかし、不慣れなポジションで負担も大きかったのか、次第に外野での出場に戻ったり、打撃でも思うように結果を残せなかったり、不本意な1年だったでしょう。最下位脱出には堅守のショートの存在も不可欠で、中井の成長に期待です。

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