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銀木犀での日常③

こんにちは.今日は、介護施設での日常③というテーマで、私が体験した面白いエピソードをご紹介します。

ある日の午後、私は利用者のAさんの部屋に行きました。Aさんは、いつも笑顔で明るい方で、私とも仲良くしてくれます。その日も、私が部屋に入ると、「こんにちは!」と元気に声をかけてくれました。

私は「こんにちは、Aさん。今日はどうされましたか?」と聞きました。すると、Aさんは「実はね、今日は特別な日なのよ」と言って、ベッドの下から何かを取り出しました。それは、大きな段ボール箱でした。

私は「えっ、何ですか?それ」と驚きました。Aさんは「これはね、私の宝物なのよ。今日はゆきちゃんに見せてあげることにしたの」と言って、箱を開けました。

中には、色とりどりの石や貝殻がたくさん入っていました。Aさんは「これはね、私が若い頃に旅行したときに集めたものなのよ。世界中のいろんな場所に行ったんだからね」と誇らしげに説明しました。

私は「すごいですね!どこに行ったんですか?」と興味津々で聞きました。Aさんは「えーとね、ここはハワイでね、ここはエジプトでね」と一つ一つ丁寧に教えてくれました。

私はAさんの話に夢中になりました。Aさんは本当に素敵な人生を送ってきたんだなと感心しました。そして、私もいつか世界を旅したいと思いました。

Aさんは「あなたも旅行好き?」と聞きました。私は「はい、大好きです」と答えました。すると、Aさんは「じゃあね、これをあげるわ」と言って、箱から一つの石を取り出しました。

それは、青くてキラキラした美しい石でした。Aさんは「これはね、ターコイズっていう石なのよ。トルコで買ったのよ。トルコはとっても美しい国だったわ」と言いました。

私は「えっ、本当ですか?ありがとうございます!」と感激しました。Aさんは「どういたしまして。これを持っていれば、あなたも幸せになれるわよ」と笑顔で言いました。

私はAさんにお礼を言って、石を大切に持ち帰りました。それからというもの、私はその石を身につけています。Aさんの優しさと元気を感じるからです。

銀木犀で働くことは大変なこともありますが、こんな素敵な出会いがあるからやめられません。次回も、介護施設での日常④をお届けします。ではでは!

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