見出し画像

曲げた諭吉で明日も博打

 勝ち取った金を鷲掴みにするのって、「俺は間違って無かった」と再確認して次へ繋げるための大事な作業なのかもしれない。

 朝から優雅にコカ・コーラプラスを飲みながら、昨晩から時間をかけて予想した競艇のレースを眺めていた。金曜という平日が急に休みになった所で特にすることも無く、俺にはギャンブルしか無い。全くもって寂しい32歳な訳だが、何処か自分自身「このままで居たい」と願っている気もするし、それ自体が強がっているだけなんだろうとも思う。

 数時間もかけて予想してみた所で全部ダメな時だってもちろんある。今日がそうだ。まともに的中したのは1Rのみ。次へ転がしてみてもあっさりハズレ、また一から。マーチンして取り戻そうとするもスカる始末。ほぼほぼストレートで25,000円を失う。

 風下の人間は何やっても無意味に等しいから流れを変えたくてパチンコ屋へ移動することにした。寒い。今まで特に気にもしていなかったが、寒くなった。もう12月になろうとしてるのか。思えば街中の景色もクリスマスっぽくなって来ている。もちろん俺には関係無い事なのだけれども。

 スロットコーナーを覗くも、これと言った台も無く、新台入れ替えで導入されてた烈火の炎を打つことに。釘はギリギリ。打つ価値は正直無いが、ただ時間が経って欲しくて着席。が、だめ。ストレート12,000円。此処までで-37,000円行かれてる。ソープに行けたじゃねーか!

画像1

 そこに後輩が現れて、「俺の隣のマイジャグの良さげなの空いてますけど打ちません?」って言うんで見てみると上のデータ。悪くは無い。が、この程度の数値から一気に設定3くらいまで落ちる事だって良くある話だし、ホールの設定状況から考えてもそれが当たり前な世界な訳で。でもよ、何か物寂しそうにこっちを見つめるコイツが無性に愛おしく見えちまってさ、「本当はまだやれるのに」って訴えかけるコイツをさ、今日ボートでやれなかった自分と重ねてしまって、同情半分で座ってやることにしたんだよ。

 「もうよ、やめにしようぜ俺達。そんな目でこっち見るんじゃねーよ。今日だけ温めてやるから朝になったら帰れよ」って意気込みで触ってやる事に。

画像2

ずっと150回転以降でズルズルと出玉を減らす時期だってあった。正直見捨てようと何度も思った(腰も痛かったし)。でもよ、自分が、いや俺達がやって来た事ってのが間違いじゃ無いって事を証明するために回し続ける。

画像3

 ここで閉店。そうだよな。辛い時期を越えてこそ報われるんだ。これからも何度も壁にぶつかって、それでも「前へ」って気持ちで歩き続ける事が唯一の道なんだよな。悪いけどさ、こういう生き方しかもう出来ないんだ。明日も打つよ博打。勝ち続けるんだよ灰になるまで。

画像4

本日全ての博打の合計
総投資 40,000円
回収  61,000円
収支̟   +21,000円

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?