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今週の映画とわたし 2020/1/1~1/11


マッドバウンド 哀しき友情 2020/1/1

2020/1/1鑑賞。年越しの瞬間にこんなにキツいもの観ますか、と自分でツッコんだ。ナチを倒して二次大戦から南部に帰ってきた二人の若者を襲う悲劇。南部の人種差別の苛烈さに、人類が抱きうる憎悪の強烈さに、目の前が真っ暗になる。撮影監督が女性で、オスカーノミネートされているはずだけど、暗くて色の抑制されたルックが、戦後の退廃と、南部の偏狭さを濃密に匂わせる素晴らしい画だった。しかしまあ目の前が真っ暗になるような思いで新年を迎えました。

ザ・ランドロマット 2020/1/4

" First, you must ask yourself."Are you wealthy?" " 

富むものがさらに富むと言うカラクリの世界を盲信して私たちはこの21世紀を生きています。金持ちのレベルが違いすぎるし、パナマ文書のカラクリは全然よくわからなかったけど、ゲイリー・オールドマンの嫌味ったらしいアクセントが逆に爽快だったのと、流石のメリル・ストリープ。最後のシークエンスの堂々たる語り部ぶりよ。

メッセージ 2020/1/10

今、絶賛テッド・チャンブームが吹き荒れている。個人的に。新刊「息吹」が早川書房から出たばかりで早速読破してしまい、あまりの面白さに過去作品も全部手を出すことにして、メッセージの原作「あなたの人生の物語」に行き当たった。

時制を超越して使いこなす原作、文学的にもおそらく科学的にも(SFと言う見地でも)卓越しすぎていて、映像化なんて尻込みしてしまいそうだけど、我らがドゥニ・ヴィルヌーヴ監督ですよ。ヘプタポッドが使う表義文字のビジュアルが美しくてため息が出た。あんな文字を使う知的生命体が本当にいたら。ああ。テッド・チャンもドゥニ・ヴィルヌーヴも最高・・

パディントン2 2020/1/10

もうほんとこう言うの感動超大作って呼ぼうぜ。全てが詰まってるんですよ。”お話”の素晴らしさ、ユーモア、ヒューマニティ(クマだけど)、スリルとエンターテイメント。泣けたし大笑いもしたし、胸キュンもしたし。マーマレードサンドとスコーンと紅茶と、ユーモアの英国。こう言うバージョンの英国だとすぐにでもロンドン行きたくなるよね。

やっぱり1週間会社行って疲れ切ってたんだろうな。何しろ正月太らなかったのに一気に2キロ太るくらい食ったしね。パディントン見たらもっと食いたくなるわ。マーマレード〜〜〜

フォードvsフェラーリ 2020/1/11

いっやーこれはよかった!!!疲れるほどのスリル、身体に響くエンジン音、耳をかすめるスピード感・・ル・マンのこともレーシングカーのことも何にも知らないわたしが、まるでレーシングカーの中に座っているかのような錯覚に、文字通り息が止まったよ。これはIMAXと言う技術に感謝したくなる作品だ・・・filmarksのレビューで池袋のScreenXで観たらまじで凄かったと言うレビューを見たが、池袋でもう一度観ようか・・と思うくらい、すごいレース映像だった。過去最高だと思う。

もちろんそれだけではなくてマット・デイモンとクリスチャン・ベイルの最早円熟ともいえる素晴らしい演技と、それにストーリーテリングもよかった。ドラマタイズされすぎていなくて、スロウで、レースシーンとの緩急があって、リアルだった。それにしても、7:3分けでスーツのジョン・バーンサルには意表を突かれたわ。いつか脱ぐか吠えるかするのだろうかと思ってたけど、そんな場面はなかった。

まとめというか日記

見たかったドラマも一段落して今週は映画ウィークだった。基本的にわたしは、現実逃避として映画やドラマを使いたくない人で、見てみぬふりをしている現実を突きつけられるために映画やドラマを見ている人ではあるんだが、あまりにも仕事が退屈で、今週は映画に逃げ込みまくったのである。今週後半バージョンも書こう。後で。

配信ドラマばっかり見ていると、家で映画を観る時、2時間、集中力が持たないことが増えているのに気が付く。ドラマって、確かに5,6時間ぶっ通しでみたりとかするけど、なんだかんだちょくちょく一時停止してトイレ行ったりなんか食ったりお茶入れたりする余白があるからね。エピソードとエピソードの切れ目は目が離せず、逆に、エピソードの冒頭から1/3くらいに小休止ポイントがあるように作られていると思う、最近の配信ドラマは。そんな配信の作劇に身体が最適化されつつある。なので、こんなに家で映画を観たのは結構久しぶりだった。

しかし、年始早々こんなにいい作品ばかりに行き当たるって言うのはなかなかいい年始だな。どれも力のある作品ばかりじゃないか。映画っていいな、そして映画館っていいなと改めて思う。ああ。仕事めんどくさい。


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