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催花雨のころ桜と故郷~山口~津和野・徳佐しだれ桜



山口市からレンタカーで津和野へむかう。

津和野川 御幸橋

まず御幸橋から津和野の風景をながめる。

山桜 やわらかな緑の竹林 椿が山を彩る

昨年秋、山口に旅したとき、津和野行きを計画、しかし行きの列車はあるものの、帰りの列車の本数がなく、こりゃ無理だと諦めた。

今回はレンタカーで山口市内から出かける。
日曜日だというのに、すれ違う車は少し、渋滞と無縁のドライブ、曇天だけどそれもまた風情。

駐車してから本町・殿街へ。

鯉が泳ぐ掘割 家老の屋敷 曇り空がまた佳い。

殿街

朝10時、観光客もまばら。
65年前山口線の列車で、窓から煤が目に入るそんな列車で家族と来て以来。

なんて趣のある町なんだろう!

津和野カトリック教会

昭和6年(1931年)、ドイツ人宣教師が建造したゴシック建築の教会。

隠れキリシタンの殉教地に建つ乙女峠マリア聖堂は今回訪問できず。

キリシタン弾圧について知れば知るほど、映画「沈黙」が蘇る。

本町通り 

古い造り酒屋や津和野銘菓の老舗菓子舗が点在する街並みに、出雲・雲州平田を思い出す。

ランチ アルチジャーノ artigiano

 予約済み

石窯焼きピザと自家製手打ちパスタのレストラン。

前菜セットにする。

人参サラダが甘くてまるで柿の味わい きちんと料理された前菜は感動を呼ぶ

サルシッチャとクレソンのビアンカ

かるい食感でのピザ生地に具材が合う、
ぺろりと食べられるピザ

えびのトマトクリームソース フェットチーネ

トマトクリームが丁度よい味わいのクリーミーでリッチなフェットチーネ

食事の後にカフェラテとエスプレッソ。

少し街歩き

さりげない生け花

多胡家老門 掘割に鯉

次に今回の目的地である津和野城跡に向かう。

リフト乗り場の駐車場に車を停めて、リフトで山頂へ。
ここから更に約20分、山道を登る。

見上げれば津和野城跡!

国指定史跡「津和野城跡」に日本100名城、山城としては日本一の規模の実践的山城。

高石垣

本丸から城下を遠望 

石州瓦の赤褐色の屋根屋根が、津和野の町の美しさに一役買っている。
なるほど、山陰の小京都とはよくいったもの。

ここで YouTube で聴く音楽は・・・もちろん「さだまさし 案山子」

元気でいるか 街には慣れたか 友達出来たか
寂しかないか お金はあるか 今度いつ帰る
城跡から見下ろせば 蒼く細い河
橋のたもとに造り酒屋の レンガ煙突
この町を綿菓子に 染め抜いた雪が
消えればお前がここを出てから 初めての春
手紙が無理なら電話でもいい 「金頼む」の一言でもいい
お前の笑顔を待ちわびる おふくろに聴かせてやってくれ
元気でいるか 街には慣れたか 友達出来たか

さだまさし 案山子

さだまさし曰く「これは、舞台にしている津和野の山の城跡にたくさん生えてある松の木が歌っている」のだそうだ。

小雨が降り始めた。

車で急いで太鼓谷稲成神社に向かう。

日本五稲荷(稲成)のひとつで「津和野のお稲荷さん」と称される

高台にある神社境内から津和野の町を一望

雨足が少し強まる。社殿の屋根が雨に濡れる。

ああ、佳き町。
秋にまた訪れよう。

帰路、どうしても立ち寄りたかったのが、徳佐(山口市)のしだれ桜。

徳佐八幡宮しだれ桜

370mの参道両側に咲き誇るしだれ桜、八分咲きのしだれ桜が参道の地面近くまで枝を伸ばし、見事な桜色のトンネルとなる。

文政8年(1825年)に初めて植栽された参道両側のしだれ桜が補植、新植と受け継がれ、200年後の私たちに感動を与えてくれる。

桜も樹々も、何百年単位で未来を描く視点、それらを育む人々の尽力。

町の魅力はそこにある。

サクラサクラ サクサクラ チルサクラ 

種田山頭火の句が心に響く。



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