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田圃の向こうに月山~庄内野菜と魚介のシチリア食堂 ベッダ シチリア

鶴岡市「庄内野菜と魚介のシチリア食堂 ベッダ シチリア」

旅ランチ。
秋田から鶴岡市へ向かう車中、ランチはどこにするかを決める。
今夜は和食だからランチは洋、だけどフレンチではない気がする。
イタリアンは?

「庄内野菜と魚介のシチリア食堂 ベッダ シチリアはどう?評判もすごくいい」
「いいね、そこにしよう!」
と少し道に迷って午後1時半過ぎに到着。

美容院の中を通ってシチリア食堂のドアを開ける。
決して広くはないお店だけど、わぁっと声をあげたセンスのいい空間。
大きなガラス戸の向こうに薄曇りの庄内平野と山並みの裾野。

すでにワクワクときめいている。

前菜はビュッフェスタイルだけど、遅い入店だったので大きなオーバル皿に盛り合わせてくださっていた。

全部がこちらに美味しいオーラを放っている前菜

レバーペーストのクロスティーニにフォカッチャ、どれも勢いがあって、とにかくおいしい。

赤ワインビネガーの酸っぱさと少し甘めの味付けのシチリア野菜料理「赤玉ネギのアグリドルチェ」にノックアウトされた。
力強いのだ。
だけど洗練されている。

彩りもエナジーカラー!

パスタ

揚げ茄子とリコッタチーズのトマトソース(右上) 青唐辛子とカラスミ(左下)

青唐辛子とカラスミ

カラスミが輝いている!申し分なし 絶品!

ばさっと盛ってあるのだけれど、様になっている。
私はこういうのをハンサムパスタ!とよびたい。

メインは魚料理と肉料理

アオリイカと舞茸のグリル

グリルしただけなのに、なに、この完成度の高さ。
農家さんから朝届いたというイタリアンパセリは力強い香り、アオリイカやわらか、舞茸香り高し。


グリルしたアオリイカにナイフを入れる スゥっと切れる

お肉は庄内ポークのグリル 

大蒜のソースが合う

塩・胡椒・オリーブオイルとイタリアンパセリだけなのに、ドンピシャ!
付け合わせのポテトのカッコいいこと。

デザートは「無花果のファーブルトン」

誰かのうちのお茶によばれたときみたいな、シンプルだけど絶対においしいお菓子

あっ、晴れてきた。
昼下がりの陽射しが眩しいくらい。
客は私たちだけになった。

田圃の向こうに月山

厨房のシェフが「日差しが眩しくないですか?」とブラインドを閉めに来てくださる。
今日のこのランチの感動を余すところなく伝える。

少し話がはずみ、神奈川の出身で、10年前に庄内の食材の豊富さに魅了されて鶴岡に移住していらっしゃったことなどを知る。
何も予備知識もなく、飛び込んだお店。


もうね、みんな虜です。古門浩二シェフの。

https://www.instagram.com/beddasicilia2016/  

月山をもう一度眺め、お店を後にして、加茂水族館へと車を走らせた。


旅から帰って、すぐに図書館で『シチリアトラットリア、至福のレシピ~古門浩二 著』を借りた。
(その後どうしても本が欲しくなり中古本を購入)

幸せ溢れる料理教室『Cucciolo』の古門シェフとつくる簡単イタリア料理

胸躍る。ページをめくるのが楽しい。

まるで料理教室に参加しているような12のフルコースレシピが丁寧な説明で紹介されていて、そのレシピに食指が動くのは当然ながら、器、料理、クロス、コーディネート、古門氏のシチリア修業時代のコラムもどれも魅力的。シンプルカジュアル。

「何をしているときがいちばん楽しい?」と聞かれたら、迷わず「自分の作った料理を幸せそうに食べてくれている人の顔を見ること」、そう答える。自分ひとりだけでは何もできない。誰かがいてくれるから、誰かが笑ってくれているから、自分も楽しい。

『シチリアトラットリア、至福のレシピ』~あとがきより引用


旅と食堂と料理の本がつながる。

料理ってなんてステキなんだろう。

 

これは2018年10月28日に訪問したときの記事です。

※ Beddasicilia は 2022.12.5. gira e gira(ジーラジーラ)として移転オープン


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