ホラー耐性0のスマブラーが、最高に爽快と噂のホラー映画『ミッドサマー』を観た件について
※この感想には映画『MIDSOMMAR』のストーリーのネタバレが含まれます。
また、この作品は17歳以上の視聴を勧めているため、グロテスクな表現、正気ではない表現と下ネタが含まれるためご了承ください。そのため、小中学生等がこの記事を読むことは非推奨です。
結論から話すと、ぼくはこの映画を見たことによってまともなセックスが出来なくなるかもしれません。
ここで読むのを終わりにするとぼくがただの変態になってしまうと思います。是非ぼくのことを蔑む際は読み終わってからでお願いします。
キッカケは夏の終わりももう見えてきた8月後半。
Twitterにてミッドサマーについてリア友たちと話していた際に『みんなで見れば怖くないのでは？』と言う恐ろしい発想で、リモート『ミッドサマー』鑑賞会を行うこととなった。
赤信号構文、便利すぎるからこそ恐ろしい。
みんなで渡っても道路交通法違反には変わりないし、ミッドサマーはみんなで観ても狂ってる。
本題へ入る前に少しだけ前置きをさせていただくと、筆者はホラーがめちゃくちゃ苦手であり、正直なところ何故人はホラー映画を見たりホラーゲームをするのか、理解に苦しむ。怖いと思っていて何故見る？？？
具体的な例として過去の自分のエピソードを挙げると
①中学生の時にルイージマンションをプレイし、1人でお風呂に入るのが怖くなった。(心を強く持つことで克服した。あまりにも偉すぎる。)
②怖いので『世にも奇妙な物語』『本当にあったこわい話』は人生で一度も見たことがない。今後も見る気はない。
③中学生の時に深夜、ポケモンを寝ぼけながらやっていたらポケモンが草むらから出てくる時の音楽にビビり散らかして親に怒られた。
④中学生の時、家に1人で留守番している時に2階から物音が聞こえた時に、2階に向かって『誰だ！』『不審者め、いるのはわかっているんだ』『もう警察に連絡したぞ！逃げるなら今のうちだ』と大声で1人で叫んでいたことがある。どっちが不審者だったのか、今となってはわからない。
隙があったので自分語りをさせていただいたが、ぼくがどれだけ覚悟を持ってミッドサマー観賞会に臨んだのか、わかっていただけたと思う。
閑話休題。ミッドサマーの概要とストーリーから書いていく。事前に書いたが、ネタバレというかストーリーの大筋を書いてしまったので、これからミッドサマーを観る予定がある人には視聴後の閲覧をお勧めする。
(ぼくがあくまでここに書いた理由としては、ホラー映画が嫌いなひとでもなんとなくミッドサマーの内容を知ることが出来たらいいな、と思ったからである。)
※ミッドサマーについては既にストーリーも知ってるから感想だけ見させろよ!って方は③まで飛ばしてください。
①ミッドサマーとは？
上記の動画は、日本語版のティザームービーです。
この映画、名前こそ聞いたことがある人が多いと思う。
それこそ、名前だけなら友人から話を聞く前からぼくも知っていた。Twitterで度々感想イラストなども回ってきていた。
『なんか青空を見るたびに胸糞が悪くなる映画』ということは伝わってきた。
そう、この映画は『ホラー映画』というジャンルではあるが、夜に怖いことが起きるシーンはほぼ無く、ゾンビや化物の類は存在しない、まさしく世の中でこんなことが今も行われてるんじゃないかと錯覚してしまうという『フェスティバル・スリラー』映画なのだ。
監督曰く、『ホラー映画』ではなく『恋愛ドラマ』とのこと。うるせえ。
だがしかし、その意味を後に知ることとなった。
興行収入は海外では4108万ドル。
日本では7億円を超えている。
いわゆるホラー映画として異例のヒットってやつだ。
世界、正気か？
事実として、このミッドサマーが評価され、監督は『ホラー映画の巨匠である』と称賛されているらしい。
世界、わからん。
前述した通り、この作品にはお化けだとか呪いだとか、ゾンビといった奇天烈な存在はいない。メインとなる登場人物はほぼ全員凄惨な最期を遂げることとなるが、全ては人間の仕業であり、ファンタジー要素は悪い意味で全くないと言って良い。だから非日常的な世界であるのに、どこか自分の世界で起こりうることなのだと錯覚を覚えてしまう。タチが悪ィ！
②ストーリー(というかネタバレ。注意。)
舞台はスウェーデンのとある農村。主人公の女性・ダニーとその彼氏・クリスチャンは、彼の友人の故郷の農村を訪れる。
その農村ではカルト的宗教のような民俗文化があり、90年に一度、夏至祭(ミッドサマー)が行われる。
夏至祭の内容と、物語の展開を端折って話すと
①この村では一定の年齢になると老人は崖から落ち、寿命を迎える前に命を絶つ。死にきれなかった場合は他の村人が木槌で頭蓋を砕く。正気か？
②その老人を含めた9名の生贄を火あぶりにすることが決まる。
その中には自ら生贄に志願する者もおり、村人の中にはこれを疑問に持つ人は既にいない。正気か？
時系列としてはこの火あぶりの儀式は最後に行われる。
③好きになった男性に陰毛や経血を混ぜたドリンクを飲ませ、好きになってもらうおまじないがある。正気か？
作中では、クリスチャンが村人の女の子にこのおまじないを受けていたが、陰毛をコップから見つけた後もそのまま飲んでいた。正気じゃねえな。
いや、クリスチャンとダニーはこの村を訪れた際にドラッグを使用している。ガチで正気じゃなかったんだ…
④クリスチャンはその女の子に性なる儀式の相手に選ばれたらしく、農村での新しい子種を作らされる。
つまりセックスを無理やりさせられる。
セックスをしないと出られない部屋…実在したのか…
ここの部分はぼくのトラウマに一番なりそうなのであとでまた触れる。下ネタばっかりですまないが、ここまで読んだのだから最後まで読んだ方が良い。ここまで読んだあなたにも責任がある。
⑤ダニーはクリスチャンと村人がセックスをしてしまっている場面を目撃してしまう。
これは素直にかわいそうだった。
そして、映画はクライマックス。
火あぶりの儀式が行われる。火あぶりにされる9人の生贄は、崖から落ちて亡くなった老人2名。そしてダニー、クリスチャンと一緒に村に来た友達たち。さらに自分で志願して火あぶりになることを決めた者達。そして最後の1人の生贄を、
村人のひとり or クリスチャンのどちらかから、ダニーが決めるのである。ダニーはクリスチャンの浮気(だと思っている)を見てしまったこともあり、クリスチャンを生贄に選ぶ。
⑥意識を取り戻したクリスチャンだが、時すでに遅かった。ドラッグを嗅がされ、身体が動かないまま、クリスチャンは他の8人と共に火あぶりにされた。
その様子を見ていたダニーは、始めは苦痛な表情を浮かべていたが、最後は笑顔になって物語は幕を閉じる。
物語の大まかな流れはこんなところだ。
③感想(ハッピーエンド?バッドエンド?)
見終わった直後の感想を、結論から言わせてもらう。
怖いか、怖くないかで言うと、あんまり怖くなかった。
(友人たちと談笑しながら見たのも恐怖が緩和されてよかった。)
ただ、見終わってしばらく、気持ち悪かった。
具合が悪くなったとか、そういう気持ち悪さではなく。
胸の奥になにかが染み込んで、取れない。
はじめはその正体はわからなかった。
そして、僕の中には疑問が残った。
どこが爽快だったんだ…？
と思った。『最高に爽快！』という売り文句はフェイクというか、嘘。いわゆる釣りだったんだろうなとも思った。
ダニーは結局、スウェーデンの農村の民族の仲間入りをしてしまったんだと思うし、今後もこの民族の、90年に1度とはいえ、狂った風習は続くんだろう。
またクリスチャンやその友人達のような被害者が出るんだろう。この物語は疑いようのないバッドエンドであると思ったし、ダニーもこの村にいる以上は幸せになれないだろう。
この胸糞の悪い物語のことは忘れて、スマブラの配信でもしよう。
………と、思っていたのだが。
一緒に見ていた友人たちから
『これはハッピーエンドだと思いました』
『爽快感は確かにあった』
『ダニーはクリスチャンと別れることが出来、新しい繋がりも手に入れることが出来て幸せだと思った』
『(後日)中毒性があって、2回目を見ました』
……といった言葉が。
驚いたことに、バッドエンド派が少数派だった。
ていうか、周りだとぼくだけだった。
確かに…確かに、
ダニーは実は物語冒頭で家族を全員亡くし、そのことに対してもクリスチャンはまともに取り合ってくれなかった。日頃からクリスチャンは精神的に弱っていたダニーに対して冷たかった。(どうやら別れようとしていたらしい。判断が遅い。)
そして、クリスチャンは物語の中で友人の論文テーマを後から盗もうとし、相手に了承を得ずに話を終えた。クリスチャンは確かにクソ野郎だったのだ。そこには擁護のしようもない。
(ついでに言うと友人達もクソだった。友人の1人、マークは儀式で使う神聖な樹木におしっこをし、村人たちを怒らせて皮を剥がされた。それはおまえが悪いよ…
他の友人達も同様に性格に難があったと言って良い。)
確かに見方を変えるとこのお話は、
クソみたいな彼氏と別れることが出来た、
新たな家族を手に入れた少女の、
悲しくも幸せな失恋の物語(ラブストーリー)であった。
……なんてこった。何も間違っていない。
じゃあこの物語はハッピーエンド…？
そんなわけないだろ
数日考え抜いた結果、ぼくが出した結果がこれである。
満28歳男性、周りの意見に流されるかどうかを考え抜いて選んだ、ひとつの決意であった。
人が死んだらハッピーエンドじゃないだろ！
とは言わない。
筆者はディズニー映画のファンであるが、
白雪姫、アラジン、リトル・マーメイド…
悪役が死ぬ作品なんてハッピーエンドでも山ほどある。
それでも、ハッピーエンドと呼ばれる作品には、
救いがあると思うのだ。
それも、主人公たちだけではなく、他の人々も救われるような大きな救いだ。
考えたが、やっぱりぼくはこの村に残ったダニーが、
幸せになるとは思えない。
いくら失礼なことをしたからって、生きている人の皮を剥いだり、無抵抗のまま火やぶりにしたりする人たちはやっぱりまともな人たちじゃない。
しかも、この風習が残ってる以上は、また不運な人間が死ぬことになる。
その点を置いておいて、ハッピーエンドと呼ぶのはあまりにも………
しかし…結論付けて尚、心には解消されないものがあった。
かつて、このような文化、民族宗教は実際に存在していたという。それを否定することは果たして正しいのか？
ダニーが幸せになる方法は他にあったのか？
クリスチャンをきっぱりと諦めることも出来て、クリスチャンにはこれ以上無い制裁を受ける。
これが最善なのでは…？
物語のあと、ダニーはいつまでも、幸せに暮らしていたとしたら？それはハッピーエンドと言えない？
何度も何度も、ハッピーエンドなんかじゃないと決めた自分の心に、疑問という名の気持ち悪さが、染み込んで抜け落ちない。
作中で何度も見た、馬鹿みたいに綺麗な青い空と、澄み切った緑の野山。そして女の子の夢みたいに綺麗な花。
それらは現実世界にもあるのが当たり前で、今までもぼくたちの世界にあったし、これからもあり続ける。
そして、それらを見るたびに、
胸に染み込んだ、気持ち悪さを思い出す。
ああこれだ、これなんだ。
ミッドサマーがぼくに残したものは。
これから先、生きていく中で。
ぼくはこの気持ち悪さと生き続けるんだ。
これはなんだろうか。
目には見えない幽霊だとか、現実にいないゾンビだとか。違うんだ、そういうのじゃない。
これまでもこれからも、当たり前のようにあるものに。
本来素敵な景色に、思い出に。記憶に。
染み込んできて、離れることはない。
これを"恐怖"と呼ばずしてなんと呼ぶのか。
ぼくはただただ、恐ろしかった。
間違いなく、ミッドサマーは"ホラー"だった。
少なくとも、ぼくにとっては。
あなたにとってはどうなのか？
是非、見てから感想を教えてください。
この物語を、"ハッピーエンド"と呼べますか？
④感想(ぼくが一番こわかったもの)
さて、この物語を見てぼくが考えたこと。ミッドサマーがぼくに与えた"恐怖"についてわかってもらえただろうと思う。
最後に、ぼくがミッドサマーを見て一番恐怖を感じたものについて説明しよう。あまり長くなってもアレなので、一言で言わせてもらうと、それは
トラウマSEXバトルである。
一言で言うとまるで意味がわからんと思うので、ちゃんと説明します。
前述した通り、この村にはセックスしないと出られない部屋が実在し(セックスしても生きて村から出られるとは誰も言ってくれない)、クリスチャンはそこで女性と性交を余儀なくされる。この後にダニーがその現場を目撃してしまい、エンディングへと繋がっていくわけなので、このシーンはいわばクライマックス。
ハリーポッターと賢者の石で例えるのであれば、このシーンはロンが魔法のチェスで自分の身を犠牲にしてハリーを勝利へと導いたシーンくらい重要です。
このセックスですが、クリスチャンも相手の女性も、ドラッグによってトリップした状態になっている。
もはや獣の交尾、争いに近いものを感じた。
そのため、見ていてエロいとかそういう感情よりも不気味さ、気持ち悪さの方が何倍も勝ります。
見ていて不快感の方が強かった。
しかもこのシーン、クリスチャンも相手の女性も全裸なのですが(モザイクなしで局部が見えるシーンもありました。興味本位でホラーだからと子どもに見せないように。感性がねじ曲がるぞ)。
実は異様な光景はそれだけではなかったのだ。
なんとかして伝えられないかと悩みましたが、
わかりやすくスマブラで、このシーンを再現しました。
まず始めにスマブラファンに謝罪からしたいと思います。心から、ごめんなさい。
マリオがクリスチャン、
シモンが村人(相手の女性)だと思ってください。
本当は女性キャラで再現しようと思ったのですが、どうしてもぼくに拒否感がありました。
ぼくにもまだ道徳心が残っていたみたいです。
そして、クリスチャンと村人の周りに、女性たちが何故かいますよね？
実はクリスチャンと村人がセックスしていた時、
2人は全裸の女性たちに囲まれて、喘がれながら行為をしていたのです。
この異様な光景が想像できますか？
おそらく出来ないと思います。
それほど異様な光景だった……
ぼくは前述した通り、青空や野山、綺麗な花を見て、
これからもミッドサマーを思い出すと話した。
このシーンについてもきっと同様だろう。
おそらくぼくはこの先、セックスシーンを見てもミッドサマーを思い出す。
もしかしたら、自分が行為をする際にも思い出すかもしれない。
それが原因で人間関係に支障が出る可能性もある。
ぼくはそれが一番、こわくて仕方なかった。
正直トラウマにもなりえる。
それを踏まえて、トラウマSEXバトルと称したのだ。
名前こそギャグでしかないが、本当にあのシーンは気持ち悪かった。
あの光景と衝撃は、実際に見ないとわからないと思う。他のシーンも同様だろう。
ミッドサマーには、見た感想や気持ちを他の人と語り合いたくなるという、ある種の魔力を確かに感じた。
そういう意味ではまさしく名作と言えるだろう…
ちなみにだが、クリスチャンはこのシーンの後に、全裸で綺麗な青空の下、股間を押さえながら村内を逃げ回ると言うシーンが存在して大変シュールである。
その後のことを考えると笑えるシーンではないのだが、正直ここは笑うしかなかった。
このシーンも他の映画では絶対に見られない光景だと思ったので一見の価値はある。
⑤後日談、というか、今回のオチ
ミッドサマーを視聴してから、約1ヶ月後。
ぼくは仕事で子ども達が観るためのレンタルビデオを借りにいくことになった。
しかも、ぼくのセンスで借りないといけなかったのだ。
そういうの苦手なんだけどな…と思いつつ、レンタルビデオショップへ。
中高生は『ホラー映画が観たい』と言い、ぼくは知識ゼロのホラー映画コーナーへ行った。すると…
こんなところで会うとは。
いやまあ、話題のホラー映画だしあるか…
ホラー映画ランキング、1位だった。
マジか。
今おれはこの世で一番人に勧めたくないけどな！
人に勧める気持ちはわかるけど。
人がミッドサマーを見て、どう感じるかは確かに気になる。
今おれはこの世で一番人に勧めたくないけどな！
もし、ミッドサマーの知識がなかったら、おれは子どもにこれを見せることになっていたのだろうか……？
頭を木槌で砕かれる老人を…？
生きたまま火やぶりにされるシーンを？？
トラウマSEXバトルを？？？
考えるだけで恐ろしかった。
なので、考えることをやめた。
子どもには『IT』を見せることにした。
ペニーワイズの顔、コワッ！
やっぱこういうホラーも嫌だわ…
もうホラー映画は絶対見ない。金輪際な！
フリじゃないです。
ちなみにだが、ミッドサマーを見た人向けに。
https://www.phantom-film.com/midsommar/
『ミッドサマー公式ホームページ』内に、ネタバレ込みのめちゃくちゃ詳しく映画の内容を解説しているページが存在する。
スウェーデンの史実から映画内での宗教の細かいところまで載っており、正直映画を観た後にこのページを見ると結構面白い。
このページを楽しむためにミッドサマーを見たことのない人は見ることをお勧めする。
結局人に勧めてんじゃねえか！
読んでくれてありがとうございました。
おしまい。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか？