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DESIGN MATTERS TOKYO DAY 1 の報告

お疲れ様です。

2020.01.29 - 30のDESIGN MATTERS TOKYOに参加してきたので報告しますよ、っていうか自分用の振り返りとしてまとめます。

いま絶賛英語勉強中でして、チャレンジとして同時通訳聞かずに英語だけで聞いてみました。まずはそこでのちょっとした気づきを。

Twitterの実況を字幕がわりに見ながらトーク聞くと便利。

聴き取れない箇所があったらTwitterの実況を即座にチェックすると、大抵誰かがいい感じに要約して書いてくれてるから完全に取り残されることを防げる。
聴き取れなくてかつ誰もツイートしてないこともまぁあるんだけど、誰も触れてないってこはまぁ重要ポイントでは無いんだろう、と聞き流す。

では以下、各セッションのメモ。
(登壇資料の公開とかあるらしいから、随時貼ります。)

10:00 - 10:30 Welcome to Design Matters!

デンマークのデザイン文化と、DESIGN MATTERSの紹介。
DESIGN MATTERS は2015年に始まって、次回は2020年9月を予定しているとのこと。現地行きたいなぁ。

DESIGN MATTERSはスローガンに"the new digital design"を掲げているそうで、いろんな社会問題や争いごとの解決に取り組んでいるようです。
ミニマリズムを新たに定義して取り組んでいるとのこと。
単に見た目をシンプルにするということでなく、機能や思想の面からアプローチをしている。性差や人種、身体性ナチュラルに表現することもミニマリズムのうち、という解釈が興味深い。
User-centered から Society-centered へ。個々へのフォーカスだけでなく、それを俯瞰的に見る視点が求められる。プロダクトによる複雑さの蔓延、事故や健康被害のような複合的な問題への対処として、社会を中心に据えてデザインする時代が来ている。

10:30 - 11:00 Embrace Failure

トライ&エラーをしまくってこうぜ、という話。

インドの文化のくだりが強烈。
日常の中でダーティプロトタイピングをしてる。ガスボンベ直結のスチームアイロンとか(どういう理屈なんだあれ?)。生活の中でみんなが自由に創意工夫してるって良いですね。

HIPPO (Heighest Paid Person's Opinion) という言葉があって、「一番お金もらってる人の意見が一番尊重される」という問題がある。
「スウェーデンとオランダで1フィートのインチ数が違ってて、でも仕切り手が専門家でなかったために単位を配慮せず、大失敗した」という戦艦が事例として挙げられていました。

早めに失敗すること、思慮深く失敗することを推奨していきましょう、とのこと。
「積極的に失敗しろ」と言ってもダメ。失敗できるカルチャーを作ることが大事。とのこと。なるほど。

11:00 - 11:30 Hello, Design

愛される会社に重要なのは「ブランド」と「体験」。それを実現するには?

Whyを問う
そもそも何で?それはどういうことなの?何のために?を問い続ける。
これをしなかった事例として挙げられていたのが、ある音響機器の話。音のクオリティとサイズを他社製品と比較して突き詰めていったが、iPodに覆された。ユーザニーズの勘所は音質じゃなかった。
右脳的な、感性から来る問いから始めて、分析的な視点や問に対する解決へと視点を広げていきましょう。

おもてなしの心
ちょっとした自動化、技巧の凝らされたモノ(美しいお品書き、箸...)から作られる体験、時と場合に即した応対(会話を邪魔しない給仕)... など、おもてなし精神って素晴らしい。
おもてなしの概念は400年前からあって、デザインとかデザイン思考の概念よりずっと古い。

12:30 - 2:00 Empathy in Design

LEGOはスカンジナビアンの価値観をよく表していて、それはいろんな考え方、個性にマッチできること... というような話から始まって、コンテクストとユーザーをフォーカスするワークショップを行いました。

ワークショップ内容は、「洗濯機の利用にまつわるインタビュー&取説作り」。

- まずは洗濯について、ユーザに聞きたいことを列挙。
- 隣の人とペア組んでインタビュー実施。
- インタビュー結果を踏まえてソリューションを考えて、「洗濯機の使い方マニュアル」を描く。
 マニュアルには「文字を使ってはいけない」という縛りがあります。
 言葉で補足説明を行なってはいけません。
- ペアにマニュアルを読んでもらう。

4フェーズそれぞれ5分ずつくらいだったかな。

インタビューの中で、「洗濯機の容量を全く配慮せずに使ってたらぶっ壊れた」「洗濯終わったことに気づかずに干し忘れる」という失敗談を引き出せたので、マニュアルには「洗濯機の容量よりも小さいカゴに洗濯物を溜める(カゴ溢れる前に選択する)」とか「洗濯後○分後にスマホに通知くる」とか盛り込みました。
というか、洗濯機の操作自体はマニュアルにほとんど書かなくて、洗濯行為の前後の行動についてのマニュアルになりました。
インタビューしてなかったらこうはなってなかったろうなぁと思います。

2:15 - 3:45 Writing for Humans: making software with a heart

UXライティングの話。
こちらのセッションはふじけんさんががっつりレポート書いてくれてますが、私の方でもざっくり印象深かったこと書いとこうと思います。

UXライティングがなぜ必要なのか。
それはユーザーには感情があるから。情報だけ伝えるのでは不十分。
混乱させないように、不快にさせないように、どうやってユーザーに寄り添うかの探究を怠ってはいけない。

感情を押し付けてはいけない。ユーザーの感情をコントールしようとしてはいけない。ユーザーの持っている感情にフォーカスして、それに寄り添うのが肝。

UXライティングを体験するワークショップがありました。
何らかお題となる体験の例を与えられて、その瞬間にどのようなメッセージを出すかを考えます。
私のお題は「フィットネスアプリを使っていて、ランニングのベスト記録を更新できた時」というものでした。これらのお題に対して、以下のステップで取り組みます。

1. そこでどんな感情が起きるのか?を書き出す。
2. その時何を伝えたいのか?を書き出す。
3. メッセージ文をひたすらたくさん作る。最低12個。
4. 隣の人に見せて、どれがいいと思うかコメントをもらう。

これを一回やったら隣の人とお題を交換して、さらにもう一回行いました。
インサイトからテーマを決めてアイデア出しをする... という一般的なアイディエーションの形をとっていますね。
普段業務の中でUI上の文言を考えることはあるのですが、「まずそのコンテクストでの感情を補足して、それから伝えることを決めて...」とステップを踏んでいく発送はなかったので、今回教わったメソッドは活用していきたいところです。

アイデアは考え込まずにとにかくたくさん出すのがやはり良いですね。結構バラエティの幅あるアイデアを出せました。

そして重ね重ね、「ユーザの感情を変えようとするな」「ユーザの感情を観察して寄り添え」ということが繰り返し述べられていました。

4:00 - 4:30 From prototypes to luxury products

プロトタイピングの話。例示されていたのはハードウェアのプロトタイピングでしたね。

荒い状態から小規模に初めて、何回も作り直しながらブラッシュアップしましょう、という文脈。
初期プロトタイプは本当にただの「紙の白い箱」だったのが少し驚きでした。あそこまで荒いプロトタイプから検証を始められるのは、組織全体にプロトタイピングの文化が根付いてるからなんだろうなぁと。

4:30 - 5:00 Redesigning Design

デジタルプロダクトのデザインって以前と比べてだいぶ変わったよね、という話。

1. ピクセルを動かす → アイデアを動かす。
 作業対象はスタイルでなくアイデア。
 アイデアを表現する素材は世の中にたくさんあるから、それらを使って素早く作業できるようにもなった。

2. 自動化
 Figmaの自動化系プラグインのような、作業を自動化する手段も多く取られている。デザインシステムのルールから外れた設計を自動で検出する、とか。

3. オープンソース化
 オープンソースのイラスト等を使って作業スピードを向上させている。デザインシステムにも、公開されて他社が流用可能なものなど存在する。

そしていつまでも続くと言うこと。改善をひたすら繰り返すことで続けられている、ということ。
以前はデザイナーからエンジニアに完成品を納品していたが、そのような形では無く、WIPの状態で進行していくこと。

そして、デザインを行うのはデザイナー(だけ)ではなくなったこと。プロジェクトチーム全体デザインワークを行い、デザイナーはそれをリードする位置に立つ、ということ。

メモ:DAY 2 のこと

2日目のことはまた別記事に書くつもりですが、ちょっと間が空いちゃいそうなので自分が特に大事と思った点のみ以下メモ。

■ デザインの対象は多岐に渡る。「新型コロナウィルスにデザインはどう対処するか」という記事がMediumに普通にポストされる時代。ケミカル系のエンジニアがデザイナーと名乗ることに障壁ない、むしろ推奨される時代が来ている。

■ 「物語が大事」という話が、サピエンス全史の「人類と類人猿の違いは物語を作れるか否か」のあたりの件りと絡めて語られてた。

■ カルチャー醸成に終わりはない。観察から始まって構築して、イテレーティブに改善し続ける。

■ プロトタイプ検証のワークショップ
プロダクトそのものをプロトタイピングすると時間がかかるので、プロダクト案のランディングページをプロトタイピングする。LPのプロトタイプを人に見せて、その利用シーンを想像して口に出してもらう、そのプロダクトを買うかどうかを語ってもらう、という形で検証が可能。
これは訓練が要りそうだけど、すばやくプロトタイピングして検証するには有効そう。ショートワークショップで行ってみたい。

■ Playfulに行こう



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