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プラモデルを作る(中級編)

割引あり

1.スミ入れ(パチ組み用)

1)スミ入れとは?

 スミ入れとは、プラモデルのモールドと呼ばれる溝(下図参照)に専用塗料等で強調する作業工程のことです。これをやることで作品の立体感を表現できたり、陰影ができたりします。

2)必要なもの

 ·ガンダムマーカースミ入れ用グレーの油性or水性
·消しゴム(角張ってるほうが好ましいのでハサミで少し小さめに切っておく)
 …これだけでできます!

3)やり方


①まずは、上の画像のパーツでモールドや段差のあるところにマーカーでなぞります。
 すると、下の図のようになるかと思います。
多少はみ出てても構いません。

②はみ出た部分を消しゴムの角でこすって消します。意外とキレイに消えます!

では左右比べて見ましょう!

左のほうがモールド(溝)がハッキリ見えてますね!

プラモデルにおけるモールドとはディテールアップのためにあるので、ハッキリ見えたほうが情報量アップして、見栄えが良くなったりします!

比較的簡単にできて、材料費も安価なので初心者からステップアップしたい方にオススメの作業です!


2.アンテナのシャープ化

 1)アンテナのシャープ化とは

EGやHGシリーズのガンプラはガンダムのアンテナ部分(角)に、バンダイ側が小さなお子様への安全対策としてアンテナの先端に丸みをつけています。


 こちらをご参照ください。

先端が丸いのが分かると思います。私の手元にあるライジングフリーダムは既に処理してしまってビフォーの画像がありませんでした(笑)。

 このアンテナの丸い部分を加工して格好良くしよう!っていう工程です。

2)必要なもの


·ニッパー
 何でも良いとは言いませんが、よっぽど切れ味が悪くなければ高価なニッパーじゃなくても構いません。
·金属ヤスリ
 なければ、ないで大丈夫ですがあると作業が楽になり仕上がりもキレイにしやすいです。
·紙やすり(240〜1000)
 金属ヤスリがあれば600番から1000番でも大丈夫です。なければ240番から用意しましょう。

3)やり方

 ①まずは、丸い部分をニッパーでカットします。
このときの、注意としていきなり丸い部分を全部カットしないことです。
 
全部カットしようとしてアンテナ本体まで切れてしまい、アンテナが短くなって台無しになる可能性があるからです。
 下の図のように少し残しましょう!

②金属ヤスリ、または240番で削る
 アンテナにストレスをかけて折れないように気を付けてながら削ります。このときに、金属ヤスリがあると優しく撫でるだけで削れるので前述したように楽なります。
 紙やすりの240番でやる場合は板状のものに両面テープで貼ったやつを使うとやりやすくなります!
(画像参照)

③徐々に高い番手のヤスリに持ちかえて加工部分をキレイにする
 ここまで来たらあとは削って表面をキレイにするだけです!
 アンテナを折らないように最後まで油断せずにやりましょう。
仕上がりはこんな感じ。


これも道具さえ揃えれば比較的簡単にできるようになるのでぜひ挑戦してみましょう!

3.スジ彫り

 ※注意
 ほぼこの工程でしか登場しないアイテムが出てきます。また、内容によっては難易度が高いものがあります。

1)スジ彫りとは?

 前述したスミ入れの過程でモールドに塗料を入れるということをしてきましたが、そのモールドを専用の道具で彫り直す工程です。
 また、全くモールドの無い部分に自分で新規モールドを追加するという高難易度なものもあります。

 主に全体を塗装する場合は、塗料によってできる塗膜でモールドが埋まってしまうため、塗装後にスミ入れできなくなります。
 そのため、塗装派の人は必ずやらなくてはいけない工程です。

2)必要な道具

·bmcタガネ


 画像の物はモールドの太さに合わせて刃を付け替えるタイプです。Amazonで2000円弱で買いました。
 新たに道具を買うつもりならこのような付け替えタイプがオススメです。これさえあればできます!

·デザインナイフorきさげ刃、針

もしbmcタガネを持っていなくて買うのが面倒な場合は上記の3アイテムで代用できますが、かなり扱いに長けていないと難しいと思うのでオススメはしません。

3)やり方

①まずはこちらのパーツでやってみましょう!

 タガネを使う場合もデザインナイフを使う場合も刃が逆さになるような持ち方をします。
↓↓このようになります。

画像の場合、左から右へなぞっていますが、上から下へなぞっても構いません。
 このとき力を入れず優しくなぞるようにしましょう。

②反復してなぞる
 同じモールドを何度もなぞります。優しくやりましょう。
↓↓のように何度か彫ってカスが出てきたらオッケーです!

終わったら、乾いた筆やハケなどでキレイにしましょう。

4)新規モールド追加(激難注意)

今回はおしりのパーツ(言い方ダサいw)に新規モールドを追加してみましょう!

①シャーペンで下書き
 今回は下のように下書きします。
指で擦ると消えるのでご安心を。

②ガイドテープを貼る
 このときに使う新アイテムとしてガイドテープという物がございます。こんなやつ。

これを下書きの線に合わせて貼ります。

③ガイドテープに沿って0.2mmタガネで線を引く

 このとき、力を入れず軽く撫でるように繰り返しやります。溝がある程度できてくれば真っすぐに引けるようになるので、そこで少しだけ力をいれてモールドにしていきます。

④今度は0.4mmに持ちかえて彫り直す
 これは先程と同様に軽く撫でるように引きます。今度は既にモールドが彫られているので少しやりやすいはずです。
 すると…

新規モールドの出来上がり!では反対もやりましょう!
.…あっ!

左右と非対称になっちゃたー()

5)もし新規モールド追加に失敗した場合のリカバリー方法

まず、前程として塗装しない場合はリカバリーできないです。

私の場合は塗装するので、これからやる方法は塗装前程のリカバリーです。

①用意するもの
 ·ポリエステルパテ

 塗ったら5〜10分で硬化を始めるパテ
1時間後には完全に固まってると思います。
固まってからデザインナイフやヤスリでサクサク削れるので、使い勝手が良いです。新しい部品を作る際にも重宝します。

②パテを準備する
 ティッシュやプラ板などに主剤(白)と硬化剤(黄色)を必要な分だけ出します。硬化剤の量は主剤を出した分と同じ「長さ」で出します。なので、主剤もソフトクリームみたいにぐるぐる出さずにまっすぐ出してください。

そしたら色が均一になるまで混ぜたら準備OK

③つまようじなどでパテを盛り、傷やモールドを埋める
 これで誤って彫った部分を埋めます。
残したい部分もあるのでそこは避けるようにしました。

④乾燥したら削る
  モールドなど奥まった部分にはヤスリが届かないのでパテで出っ張った部分だけ削って表面を整えて塗装すれば問題はないです。
 もし、モールドを彫り直す場合は慎重にやりましょう!

4.合わせ目消し

 今回作ったライジングフリーダムだと、バンダイ様の企業努力によりあまり合わせ目が目立たないので、こちらのロックマンXくんを題材にしましょう!
こちらはコトブキヤから発売されているプラモデルです。

1)合わせ目消しとは?

 プラモデルは当たり前ですが、パーツを切り取って他のパーツと合わせてパズルのように出来上がっていきますよね?
 そのときにパーツに合わせ目ができます。
こんなふうに…

 これを消していく作業が合わせ目消しです。

 では、なぜライジングフリーダムには合わせ目がないのか?それは「段落ちモールド」という設計が成されているからです。
こちらはフリーダムの脚部を正面から見た写真ですが…

縦に合わせ目が入るはずなのです。
しかし、その合わせ目となる部分にモールドをつけているのです!
これが段落ちモールド!
パッケージのイラストでも脚部正面に縦に線が入ってますよね?
 これを見える大部分の至るところに施されているので合わせ目が気にならない造形となっているのです!すごい!


…長くなってすみません(笑)。次いきましょう!

2)必要な道具

·タミヤセメント(流し込み接着剤)
 

 蓋の底にハケが付いている接着剤です。
 プラスチック同士を溶かして接着するタイプの接着剤です。間違ってどうでもいい部分に液体を垂らすと表面が溶けて凹凸ができるので扱いに気をつけましょう!

·ヤスリ
 必須です。低い番手もそうですが、高い番手もご準備ください。

3)やり方

 ①合わせ目周辺のゲート痕をキレイしておく。
②パーツ同士の隙間を少し開けておく。
 ハケが入る程度の隙間でいいです。
大体このくらい

こういう分解を伴う作業をする場合に、組み立ての段階で下の図のようにダボ穴にニッパーで切れ込みを入れると分解が楽になり破損のリスクはありません。
力を加えない限り取れないので耐久にもさほど影響はないです。

③接着部にセメントを流してギュッと閉じる
 しっかりやれば下画像のようにムニュッとセメントが出てきます。

④乾いたらヤスリで合わせ目をキレイに削る。
 これが大変。見栄えもあるのできっちりやりましょう!

できたらこんな感じ

右側のほうが合わせ目が目立たなくなってますね。

それでも多少は残ります。この上に塗装でサーフェイサーを吹くとさらに目立たなくなると思います。


5.おわりに

 お疲れ様でした!
 本当はもう少し他のことも書いてみようかと思ったのですが、十分長くなってしまったので一旦区切ることにしました!
 スジ彫りの失敗はリカバリー方法も載せたかったので良かったかもしれないです(笑)。
 この辺の作業は全部やる人もいればそうではない人もいるし、マーカーでスミ入れだけして終わる人もいっぱいいると思います。
 どんな形になっても、自分で失敗したと思っても作品は必ず何かしらの形で完成します。
 SNSが普及してるこの時代で、たくさんの方がハイクオリティな作品を投稿されており自分の作品と比べて劣等感を抱くかもしれません。
 しかし、プラモデルというのは自由で誰が点数をつけるわけでもない自己満足の世界です。
 人の作品を否定するのは勿論ご法度ですが、自分の作品も否定しちゃいけません。
 各々自由に作って楽しむのが模型活動です!
 自分の中で100点が取れたらそれで完成です!
 私は80点くらいで完成してます(笑)。

長くなりましたが、ここまでご覧いただきありがとうございました!

以下投げ銭

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