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今年で20周年!四国アイランドリーグplusとは?【独立リーグ】

こんにちは!umiです!

2024年、あけましておめでとうございます🎍⛩
本年もどうぞよろしくお願いいたします!

徳島IS 石川慎貴選手

今年一発目のnoteは独立リーグ「四国アイランドリーグplus」(通称:四国IL)についてまとめます!
最後までお読みいただけますと幸いです⭐️

【四国アイランドリーグplusの歴史】

・リーグ発足の経緯

2004年、西武ライオンズや福岡ダイエーホークスで活躍され、オリックスの監督も務められた元プロ野球選手である石毛宏典(いしげ ひろみち)氏が株式会社IBLJを設立したことが始まりです。

彼は若者がプロ野球選手を目指すための場所が必要であると考え、野球人気が高い四国へリーグを設立することを目指しました。

当初の構想では年間90試合を行う予定でした。そして全てのチーム・首脳陣・選手がIBLJの傘下にあり、監督やコーチには年5〜600万円、選手には月20万円ほどの給料を支払い、リーグを運営しようと考えました。

8月には四国コカ・コーラがメインスポンサーに決まり、順調に見えましたが、高校野球や社会人との兼ね合い、ナイター対応の球場が少なかったことから球場の確保が難しかったことや、事業資金も不足するなど課題は山積みでした。

2005年1月にはリーグ名称が「四国アイランドリーグ」に決定し、愛媛マンダリンパイレーツ香川オリーブガイナーズ高知ファイティングドッグス徳島インディゴソックスの4球団で構成されることになりました。
(こちらの4球団は、球団名も変わることなく現在も活動しています。)

そして2005年4月29日、ついにリーグが開幕します。

・初年度シーズン

高知FD サンフォ・ラシィナ選手

四国ILはこのまま順調に進むはずだったのですが…
なんと開幕から1ヶ月足らずで経営難に陥ります。

理由はスポンサー収入の不足です。

そこで徳島インディゴソックスのスポンサー企業の社長だった鍵山誠氏が支援を申し出たそうです。経営陣が一新され、株式会社IBLJの本社も東京都から香川県高松市に移されることになりました。

石毛氏は野球選手としての才能はピカイチでしたが、経営者としては経験不足だったのかもしれません。

なんとかリーグ戦は続行し、高知ファイティングドッグスが初年度の優勝チームとなりました。

また、同年のNPBドラフト会議では愛媛マンダリンパイレーツの西山道隆選手がソフトバンクから、中谷翼選手が広島から指名を受けました。(両選手とも育成契約)

リーグ発足1年目からNPB選手を複数人輩出したことは素晴らしいことではないでしょうか!✨️

・2年目以降

高知FD 岡部拳門選手

開幕初年度はIBLJが4球団全ての運営を担っていましたが、2年目以降は各球団を分社化することが発表されました。「地域密着」型のビジネスに転換することで、地元の方々からの指示も徐々に得られたようです。

2006年からはリーグ戦を前期・後期シーズンに分け、全日程終了後に前期と後期の勝者によるチャンピオンシップを開催。この試合に勝ったチームが年間総合優勝となることが決まりました。

2007年には同年に設立されたBCリーグ(ベースボール・チャレンジリーグ)との交流戦を初開催。また、選抜チームがプロ野球教育リーグであるみやざきフェニックス・リーグに初参加。さらにはBCリーグとグランドチャンピオンシップを開催し、四国IL優勝の香川オリーブガイナーズとBCリーグ優勝の石川ミリオンスターズが対戦。香川が優勝を勝ち取りました!

また、これまで福岡ソフトバンクホークスの3軍・4軍と定期交流戦を行ったり(現在も継続中)、カナディアン・アメリカン・リーグ(カナダとアメリカ合衆国にまたがるプロ野球北米独立リーグ)との公式戦を行ったりしてきました。

2014年にはBCリーグとの合同機関として「日本独立リーグ野球機構(IPBL)」を設立。現在は九州アジアリーグ、北海道フロンティアリーグ、日本海リーグも会員になっています。

2020年から2021年は新型コロナウイルス感染症の影響で、開幕の延期や無観客での試合の開催がありました。

また、2021年シーズン公式戦よりIPBLが採用した統一球を使用しています。BCリーグや九州アジアリーグ、当時活動していた琉球ブルーオーシャンズの各公式戦でも使用されることになりました。

これまで試合で使用しているボールに着目したことはなかったので、IPBLで統一されていることを知って非常に面白いなと感じました!

・所属球団/過去に所属していた球団

徳島IS 角井亮太選手

四国ILは前述の通り4球団で発足しました。
現在の所属球団は以下の通りです。

◾︎愛媛マンダリンパイレーツ(愛媛県松山市)

愛媛マンダリンパイレーツ本拠地 坊ちゃんスタジアム



◾︎香川オリーブガイナーズ(香川県高松市)

香川オリーブガイナーズ本拠地 レクザムスタジアム



◾︎高知市ファイティングドッグス(高知県高知市)

高知ファイティングドッグス本拠地 高知市野球場



◾︎徳島インディゴソックス(徳島県徳島市)

徳島インディゴソックス本拠地 むつみスタジアム


2008年には福岡レッドワーブラーズ長崎セインツの2球団が加盟し、リーグ名称も「四国・九州アイランドリーグ」に変更されました。

福岡レッドワーブラーズは観客動員数の伸び悩みと経営難を理由に2009年シーズンをもって活動を休止。選手は四国・九州IL内やBCリーグの球団へ移籍しました。

球団事務所は新たなスポンサーを探しながら2011年のリーグ復帰を目指すこととなり、事務所はあるもののリーグ戦には参加しない「準加盟球団」として存続しました。しかしながらリーグ戦への不参加状態が続き、2016年にはリーグHPから準加盟球団の記載自体が無くなりました。

長崎セインツは社会人野球クラブチームの佐世保ドリームスターズを前身とし発足。3年間リーグ戦に参加し、2009年前期シーズンにはリーグ優勝も経験しました。しかしながらこちらも経営難により、2010年にリーグを脱退する運びとなりました。

2009年には岡山・宮崎を加えた8球団でのリーグ戦の構想、さらに将来的には西日本16球団でのリーグ戦を目指す意向が述べられました。
先程の福岡球団に加え、宮崎も「準加盟球団」として準備を進め、岡山球団と熊本球団も「準備室開設段階球団」として加盟を希望していました。

結論として福岡球団の復帰、岡山・宮崎・熊本球団の加盟は叶わず現在に至ります。
(現在九州では独立リーグのひとつである、九州アジアリーグが活動中)

一方、三重スリーアローズという球団も2011年に四国ILのリーグ戦に参加していました。同年、リーグ名称も「四国アイランドリーグplus」に変更されます。

三重スリーアローズは2009年に活動を開始。発足当時は関西独立リーグ(初代)に所属し、2010年からリーグ戦に参入する予定でしたが方針の相違により脱退。

その後、2010年に1年間だけ活動した「ジャパン・フューチャーベースボールリーグ(JFBL)」を結成。同じく関西独立リーグから脱退した大阪ゴールドビリケーンズと2球団でリーグ戦を行いました。四国・九州ILとの交流試合も60試合行い、それも含めた勝率で順位を決定しました。しかしながら、大阪ゴールドビリケーンズの選手が野球賭博に関わっていたことからリーグの存続が困難になりました。

そして2011年に四国ILへ加盟。シーズン途中で監督やコーチの退団もありました。1年間のシーズン終了後には金銭面での対立や、コーチ不在でのチーム運営がリーグ規約に違反するなどの理由からリーグを脱退することが発表され、チームも解散しました。

様々な困難を乗り越えながらも、現在はリーグ発足時から所属している4球団により、四国アイランドリーグplusは構成されています。(今年で20周年!すごい!✨️)

・NPB選手輩出実績

四国ILは創設以来、毎年途切れることなくNPBへ選手を輩出しています。その数なんと19年間で86名!

いや毎年途切れることなくって凄すぎませんか、、!?

2023年ドラフトでは9名が指名を受けました。
これまで四国ILからNPBへ進んだ有名な選手を何名か紹介します!

◾︎ 角中勝也選手(高知FD→ロッテ)

日本航空第二高等学校(現・日本航空高校石川)卒業後、2006年に高知ファイティングドッグスでプレー。同年NPB大学生・社会人ドラフトにて千葉ロッテマリーンズより7巡目で指名を受けます。

コンパクトな構えと巧みなバットコントロールが特徴の選手で、足の速さも持ち味です。

独立リーグ出身選手としての初安打・初ホームラン・初のオールスター出場・初のタイトル獲得・初の1000本安打獲得など、様々な記録を打ち立ててきました。首位打者(2012年、2016年)や最多安打(2016年)にも輝き、ベストナインにも2度選出されています。

選手の入れ替えが激しいプロ野球界で17年も現役生活を続けている角中選手の活躍は、まさに圧巻の一言です。

◾︎ 又吉克樹選手(香川OG→中日→ソフトバンク)

又吉選手は沖縄県立西原高等学校卒業後、体育教諭と野球部の顧問を志していたため環太平洋大学への進学を決意。大学の監督から独立リーグで野球を続けないかとの誘いを受け、2年以内と期限を設け香川オリーブガイナーズへ入団。(ダメなら教師になるつもりだったそうです)

2013年シーズン、四国ILで最多勝・ベストナインやチームMVP等のタイトルを獲得し、同年中日ドラゴンズから2位指名を受けました。サイドスローから繰り出される力のあるストレートと高い奪三振率が魅力のピッチャーです。

2017年には第1回アジアチャンピオンシップの日本代表メンバー(オーバーエイジ枠)に選出され、セットアッパーとして優勝に貢献しました。2021年には独立リーグ出身選手として初となるFA権の行使を表明し、福岡ソフトバンクホークスへ移籍しました。

◾︎石井大智選手(高知FD→阪神)

ほっともっとのフィールドシートから撮った石井投手

石井選手はNPB史上唯一の高等専門学校卒業選手です。高専4年生のときに就職活動に励み、大手企業から内定を得ますが、5年時にプロ志望であることを野球部の監督に打ち明けました。中学時代のチームメイトだった成田翔選手がロッテに入団したことがきっかけだったそうです。

高知ファイティングドッグスには2018年から3年間在籍。防御率は1点台と常に安定。ストレートの球速は153km/hにまで伸び、NPB10球団から調査書が届いたそうです。

2020年のドラフト会議で阪神タイガースから8巡目指名を受けました。2023年シーズンには19ホールド、防御率1.35をマーク。CSや日本Sでも勝ちパターンとして登板し、チームの優勝・日本一に貢献しました。

ダイナミックなフォームが特徴的!

◾︎ 茶野篤政選手(徳島IS→オリックス)

育成時代の茶野選手

茶野選手は中京高等学校卒業後、名古屋商科大学へ進学。4年秋時点で社会人野球チームへの所属が決まっておらず、一時期は公務員試験の勉強にも励んだそうです。

結果的にはコーチとともに観戦にも行った徳島インディゴソックスへの入団を決意。2022年シーズンには首位打者とベストナインのタイトルを獲得、盗塁数と出塁率もリーグ2位の数字を残しました。

同年のドラフト会議ではオリックスより育成4位で指名を受けました。入団時は育成契約だったものの、春季キャンプで爆発的な成績を残し、開幕前の3月24日に異例の支配下登録を勝ち取りました。1年目ながら14試合連続安打や育成出身のルーキーとしては史上初の満塁ホームランを記録するなどの活躍を見せました。力強いバッティングに加え、俊足やガッツ溢れるプレーも魅力です。

来シーズンも活躍に期待✨


【四国アイランドリーグってどんなリーグ?】

・リーグ概要

愛媛MP ピダーソン和紀選手

各球団40人前後、平均年齢22.9歳の若手選手が多く在籍。
2023年シーズンは各球団年間68試合(全152試合)を実施。
選手登録数は各チーム25名まで、練習生(公式戦・交流戦に出場できない)選手も含めると40名まで登録できる。
リーグは指名打者(DH)制、予告先発制を採用。

・年間スケジュール(2023年の例)

愛媛MP 山崎雅史選手

◾︎2月〜3月【プレシーズン】
新チーム始動/キャンプ開始/OP戦/交流戦

◾︎3月25日〜6月4日【前期シーズン】
・各球団34試合
定期交流戦
(vs福岡ソフトバンクホークス3軍)4試合

◾︎6月24日〜9月17日【後期シーズン】
・各球団34試合
定期交流戦
(vs福岡ソフトバンクホークス3軍)4試合

◾︎9月下旬〜10月【ポストシーズン】
・トリドール杯チャンピオンシップ
(前・後期優勝チームによる年間総合優勝をかけた試合/最大3試合)
・グランドチャンピオンシップ
(IPBL所属チームの日本一をかけた試合/トーナメント方式)
・フェニックスリーグ
(NPB、韓国プロ野球が参加する教育リーグ/四国IL選抜として参加)
・NPBドラフト会議
・アワード

◾︎11月〜【オフシーズン】
・契約交渉
・2024トライアウト

これらに加えて福岡ソフトバンクホークス3軍との練習試合を4試合、4軍との練習試合を6試合行っています。

・コンセプト

香川OG 谷口魁星選手

四国ILは3つのコンセプトを掲げています。

・人材育成
若い人材を対象に、「プロ野球選手」という職業環境を提供し、社会人としての基礎育成に取り組んでいます。

試合中の1球ごとのデータを取得し、選手のスキルやパフォーマンスを向上させる素晴らしい環境が整っています。

2021年からは全選手を対象に「セカンドキャリアプロジェクト企業説明会」が開催されており、引退後の就職活動のサポートも行っています。オフィシャルスポンサーを初めとした多数の企業との繋がりもあるようです。

・野球界・スポーツ界の裾野拡大
発展途上の若いアスリートたちが切磋琢磨することで、競技力向上の循環を担っています。

他リーグに比べて圧倒的なNPBへの選手輩出の実績から見ても、野球にしっかりと打ち込める環境が整っていることがよく分かります。

・地域貢献
平均年齢50歳を超える四国の地で、若い活力を活かし、地方の活性化や地域貢献活動に取り組んでいます。

地域貢献活動は四国ILの役割としても挙げられており、リーグとしてこどもたちの見本となる行動を常に心がけながら地域の祭事などにも積極的に参加してきたそうです。この活動を通して選手のコミュニケーション能力向上や人間形成を促すという狙いもあります。
特に野球教室やスポーツ体験イベントの開催がよく見られました!香川OGの選手は「広げよう手話の輪」という高松市の取り組みにも参加したそうです。

・審判育成

四国IL審判部は、四国IL公式戦審判のほか、NPB審判員の育成も行っています。

NPB審判部への輩出はなんと16名
毎年12月に行われるNPBアンパイア・スクールの合格者は、NPB研修審判員として四国派遣され、IL公式戦で経験を積みます。シーズン中にはNPB審判員として活動実績のある審判部アドバイザーが定期的に四国を巡回し、技術指導や質の高いフィードバックを受けられる環境が整っているのです!

・チケット/グッズ

香川OG 中村道大郎選手

◾︎チケット
前売り券(プレイガイドやスポーツ店等)と当日券の販売あり。大人で1試合のチケットが1000〜1500円ほどでした。
お得に購入できる回数チケットも全球団販売しています。また、香川と徳島は年間入場パスも販売。
それぞれのニーズに合わせてチケットが展開されています!

◾︎グッズ
四国IL公式選手名鑑が四国アイランドリーグplus Online Shopで販売されています!
各球団グッズとしてはユニフォーム、Tシャツや帽子を始めとしたアパレル、タオル、バッグなどがありました!

選手名鑑があると、観戦時にも選手についてすぐに調べられるしとても便利ですよね✨️

【おわりに】

今回は四国アイランドリーグplusについてまとめました!
感想としては「すごい」の一言です。NPB輩出実績はもちろんのこと、リーグHPも非常に見やすく情報収集が容易でした!ルールや規約もしっかりと確立されており、選手へのサポート体制も抜群です。質の高い選手が集まるのも納得ですね。

原点にして頂点、日本初の独立リーグとしてこれからも野球界を引っ張っていく存在であってほしいです!

今回球場や四国IL選手のお写真をご提供してくださったScorer様(Xアカウント @Scorer61529543)、本当にありがとうございました。改めて感謝申し上げます。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!
次回もよろしくお願いいたします!

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公式noteもあるようなのでぜひ!⬆️

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